戦争に関連するストレスを測定する
世界中が新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の大流行からやっと回復し始めた頃，2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始しました。このような重大な事象が起きると，多くの人々にネガティブな影響が波及していくと考えられます。
トラウマ
トラウマ（心的外傷）というのは，実際にまたは脅かされた死，重傷，性的暴力にともなう問題です。戦争にさらされることは，不安障害，うつ病性障害，トラウマやストレス関連障害など，さまざまなメンタルヘルス障害に関連する問題を生じさせる可能性があります。
紛争が起きると，その地域以外に住む人々にの影響を及ぼします。紛争が起きるとその周辺国やさらに遠くの国に住む人々が紛争の激化や核戦争を恐れ，人々の安全意識が脅かされます。特に，隣接する国で紛争が起きると顕著になります。
さらに，紛争が起きることによって，さまざまなものの価格の上昇，サプライチェーンの混乱，株価の乱高下，投資の減少，経済の不安定などを招くことにもつながります。人々も，経済状況の悪化，商品や日用品の不足，医療サービスの中断，地域社会へのさまｚまあな影響，政治的な不安定さなどからも影響を受けることになります。
ストレス要因
このように見てくると，戦争や紛争によって多くのストレス要因が発生することが分かります。
そこで，戦争や武力紛争の影響を受ける広い領域のストレスを網羅する測定尺度を作ることが求められています。今後さらに各地域で紛争が起きてくると，戦争に関連した研究も増えてくることでしょう。ツールの開発は，このような研究を推し進めることにつながります。
では，こちらの論文を見てみましょう（War-related stress scale）。
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