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性格とコロナ禍の行動

新型コロナウイルス感染症の流行は,不思議なもので波を打って上下動を繰り返します。Googleの検索画面でグラフを表示すると,次のような形になります。たとえば下に示すグラフは,東京都の感染者数を描いたものです。

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パンデミックの研究

新型コロナウイルス感染症の広がりに伴って,(心理学に関連するものだけでも)世界中で数え切れないほどの論文が発表されてきました。そういえば少し前に心理学論文データベースのPsycINFO上でキーワード「COVID-19」で検索したら,3万本くらいヒットしてきました。それくらい多くの研究が行われて,論文となって発表されています。

ちなみに,海外の大手の出版社では,COVID-19に関する論文を無料で公開しているところが多いのです。ですので,通常はお金を払わないと読めない(大学などが払っていれば学内からは読めるのですが)雑誌の論文でも,COVID-19関連のものは読むことができる場合が多いのです。


性格との関連

そして,数多く行われてきた研究のなかには,パンデミックの時のさまざまな行動と性格(パーソナリティ)との関連を検討したものがけっこうあります。

特に,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの中でも勤勉性と神経症傾向は,健康に関連するさまざまな行動と関連することが以前にも知られていました。ですから,COVID-19に関連する行動でも,これらの特性が注目されてきています。

今回紹介する研究も,新型コロナウイルス感染症のパンデミックに対する
◎懸念や心配(「感染するのではないか」)
◎予防策(手を洗ったり消毒をしたり)
◎準備行動(食糧の買いだめなど)
◎将来の予想(社会がもとの生活に戻るのはいつぐらいだと思うか)
という4つの観点に注目して,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連を検討するものです。

では,こちらの論文を見てみましょう(Psychological and behavioural responses to Coronavirus disease 2019: The role of personality)。

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