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会社の朝礼で映画『ルックバック』を社長含め、全社員に勧めてみた

※この記事にほぼネタバレはありませんが、1mmでもネタバレしたくない方は『ルックバック』鑑賞後、お読みいただければ幸いです。

弊社には月に一回、朝礼で映画の感想を発表すると、チケット代を会社が負担する福利厚生があります。

最新の映画を劇場で鑑賞することで、トレンド/映像の技術・演出/人はどこに心を動かされるのか/などを学び、クリエイティブな仕事をする上で必要な想像力を、より豊かにすることが福利厚生の目的です。

非常に有難く、映画を観るたびに利用しています。

先日観た『ルックバック』はここ数年で、いや、人生で一番突き刺さった映画でした。

そのため熱が入り、noteでも思いの丈を書き残しておこうと思い、このように記事を作成している次第です。




■「とにかく観てください!」と、伝える。全力で。

映画を観た感想、あらすじの説明、製作陣の熱量など、支離滅裂になりながらもなんとか伝え、最後に「とにかく観てください!」と言いながら全社員に深々と頭を下げてお願いしました。


拍手が起きました。


「舞台挨拶か」と頭の中で状況にツッコミを入れつつ
この会社は温かい人が多いなと思いました。

とはいえ、何人かは引いていたかと思います。

安心してください。
自分自身もこの熱量に引いています。



■なぜ勧めるのか?

・私が死ぬほど感動したから、あなたも観た方がいい!
・音楽も凄い良いから、映画館の音響で観た方がいい!

私のエゴであり、お節介であることは承知しています。

映画をゴリ押しされたくない気持ちも痛いほどよくわかります。

・ゴリ押しされたら逆に観る気が失せる
・「泣く」だの「感動する」だのと世間が騒げば騒ぐほど観る気が失せる

わかります。むしろ私もそちら側の人間です。

だから私は、基本的に映画のゴリ押しはしたくない。
人に勧める際も「良かったら観て」くらいのスタンスに留めています。

しかし『ルックバック』においてはゴリ押しせざるを得ない。

「絶対に映画館で観てください!」

今このnoteを読んでいるあなたに伝えています。



■人生で一番突き刺さった映画


4回泣きました。


1本の映画でですよ?信じられますか?しかも58分の映画で4回…
生まれて初めてです。いまだに信じられません。


ポロポロ泣いたのではありません。震えながら嗚咽です。
(※子供の頃、呼吸をするのが苦しいほど大声でむせび泣いた経験、誰しもあるかと思いますが、あれです)

とは言え満席だったため、大人が大声でむせび泣くことはできません。

渾身の力で奥歯を噛み締め、声が出ないように息を止め、溢れ出しそうな感情の高ぶりを必死で抑えましたが、涙は止めどなく流れました。



■私が感動した理由

・同じような経験への共感
(自分が得意としているものを同世代の人間に、圧倒的な実力の差を見せつけられ、絶望の底に叩き落とされた経験)

・藤野のような人間への憧れと嫉妬
(好きなことに熱中し、向き合い、駆け上がる人間への憧れと嫉妬が絡み合った複雑な気持ち)

・前を向いて生きる人間の強さ
(ネタバレ防止のため深く記載しません。悪しからず)

ざっくりこんな感じかと書いてみましたが、うまく表現できない…

何故あんなに感動したのか、まだ整理できていません。

藤野ほど何かに熱中し、向き合ったことがあるかと問われたら、あるとは言えない。ゆえに藤野みたいな人間への憧れが強くあります。

俳優、ミュージシャン、芸人、漫画家、小説家、芸術家、など、同世代が活躍している様子を見聞きする時

その人が自分より年上だとわかると、妙に安心する。けど年下、ましてや同い年が世間から評価されているのを見ると、モヤモヤする自分がいたりする。

はなはだおこがましい。

その人はその道で生きる覚悟をし、色々なものを犠牲にし、経験を積んで今の地位に到達し評価されている。

そんな真っ当な評価に対して嫉妬なんて身の程をわきまえろ、と。十分に理解しているつもりなのに『嫉妬』という感情がわいてきて、いやになる。

人間の汚い部分、触れたくない感情。『ルックバック』を観ながら、そんな心のざわつきを感じつつ『嫉妬』について改めて考えさせられました。


嫉妬が憎悪に変わる恐ろしさを含め、創作がもたらす光と闇を鮮明に描いた作品だと思いました。



■全社員(社長含む)に観て欲しい理由


「理由なんてどうでもいいので、とにかく今すぐ観に行ってください。」

裸足のまま一目散に映画館へ走り出してほしい

これが、本音です。



職業、年齢、国籍、性別、関係なく多くの人が感動する映画だと思うのですが

漫画家を題材にしていることもあり、クリエイティブ業界に身を置く人間には特に突き刺さる映画だと思いました。

しかし、特定の職業に限らず、藤野が京本の実力に絶望したあの気持ちは、誰しも共感すると思います。

絵を描くのが好きだったり、表現するのが好きで、漫画家になりたいとか、役者や歌手になりたい、など。子供の頃、純粋無垢に描いた夢。

いつ諦めたっけ…気付いたら別のことやってたな。あの時なんで諦めたんだっけ…とか。当時の自分を思い出したりして、えぐられる気持ちになったりもしました。

そんな原体験を思い出すことで、大袈裟かもしれませんが、自分が取捨選択して歩んできた人生の捉え方、考え方が変わったような気がしています。



■P.S.

福利厚生で負担していただいた、チケット代1700円で『ルックバック』のフライヤーと額縁と壁掛けフックを買い、ルックバック自主宣伝活動費に充てました。

社長に直談判し上映期間中、会社の壁に貼り付ける許可もいただきました。

全社員(社長含む)に観てもらうまで、自主宣伝活動を続けるつもりです。

全社員が利用するトイレ前の壁
全社員が利用するシンク上の食器棚の真ん中



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