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機材と自分の関係性について

あなたは欲しい機材があった時、すぐに買って自分に合わなかったら即売ってしまう人ですか?それとも熟孝して購入し使い続ける人ですか?

僕は後者のタイプです。購入したら常に使いたいし長く使い続けたい。特にoctatrackの購入検討した時から考え方が変わったんだけど、購入前にとにかくマニュアルを読んで利用イメージを明確にして購入判断をしている。
もちろんやっているジャンルや形態(バンドかソロかDJか)や機材(モジュラーは買い換えている人多い)で考え方も変わると思う。

今回は機材と自分の関係性について、僕の考え方を書きたいと思う。

機材は道具ではなくメンバー

個性が集まって意見しあい創作する

僕がバンド出身だからというのもあるかもしれないが、機材は単純な道具ではなくそれぞれ個性を持ったメンバーだと考えている。得意領域や(設計)思想は異なるし、パフォーマンスやキャラクターにも違いがある。

彼らの個性を活かしながら、時にチャレンジを要望して、僕の考えたアイデアをその少し上のレベルで具現化することを求めている。
バンドの時からこの考えでやっていて、曲の原案を持って同じようなオーダーをしたところ「僕らの存在価値とは…」みたいな話になって解散したので、対人関係でこれを押し付けるのは良くなさそう。でも芸人さんとかはこういうコンビも多いよね。ネタを考える人が意見を言わずにそのまま表現している相方と組んでいるケース。

もちろん楽器は機能自体は決まっているし、自分から意見を言ってくれることはない。ただ、機能に対しても一般的な使い方や設計者が想定した使い方ではないところで想像を超えたパフォーマンスをしてくれることもある。

Roland TB-303の例がまさにそれに当たる。リアルなベースサウンドを目指して作ったけどそうならなくて、操作も複雑になってしまったものをエレクトロミュージックのシーンが最高の使い方を発見したように、機材は使い方次第で想像を超えた意見を返してくれるのである。
1つの機材の使い方をひたすら突き詰めて発掘し素晴らしい曲を作る人もいれば、EDMを昔のデジタルシンセで再現してみるといった面白い掛け合わせを試みている人もいる。

僕にとってはoctatrackとpulsar-23がその最たるもので、緻密で様々なスキルを持ったブレーンと豪腕でへそ曲がりなパワー派のメンバーという感じだ。草案をoctatrackに渡して、全体設計を構築&ブラッシュアップしてもらい、その実行をpulsar-23をはじめとした個性的なアナログシンセ陣で行なっているという感じ。
実機の良いところは基本ツマミが前面に出ているので、対話をするように触りながら意見を交換できる点だ。常に対話を繰り返しながら楽曲を構築している。
ちなみにoctatrackのメーカーElektronはその良さに気づくと、他の製品も欲しくなり沼にハマると言われているが、僕はoctatrack以降は購入していない。(Analog Heatはちょい気になっているけど)
同じ思想の下で作られた製品で揃えてしまうと、それ以上の世界は作れない気がしているので。まぁ、揃えた方が使い勝手はいいんだろうけど。

機材を購入する時に考えるべきこと

欲しいものなんでキリがないしね

抽象的な話が続いたので、ここからは少し具体的な話。
機材を購入する時に何を考えて意思決定しているかという点について。

購入時

悩まず買えるだけの財力があればOKかというとそうでもないと思う。実機であれば場所も取るし、ソフトでもPCの容量食うし。持ち家で完済していれば別だけど、置き場所にも毎月金がかかっているからね。
とはいえ、新しい機材が発表されれば気になるし、好きなアーティストの機材を知れば欲しくなるし、ビンテージやレアな機材もとても魅力的。じゃあ、どうやって購入を決めているのか。

大事なのは「欲しい」から「必要」に変わるかという点。

ビジネスやプライベートで「漠然とした不安」は持たないようにしているんだけど、それって単純に課題に対する解像度が粗いからであって、課題を分解していくと、全く問題がなかったり少しの対策で解決するケースがある。
これと同様で、具体的に音楽活動でどのように使ってどんな曲ができるのか、それを自分が作れるのかということを考える。

趣向品に対して「それって本当に必要なの?」って妻に指摘されます…みたいなレベルの話ではなく、自分のやっている音楽活動のどの部分でその機材が活かせるかを具体的に想像してみることが大事。どこに置いて、どのように配線して、どのように触って、どんな曲を作るか、ライブで使うのか使わないのか、その時はどうやって運搬するか、とにかく具体的に妄想する。
職業音楽家の方で様々な楽曲を作る必要があればまた話は別だけど。その場合は需要が明確だから意思決定がしやすいかも知れないですね。

具体的なアクションとしてはこんな感じ。

  • Youtubeなどで音を調べる

  • 発売済みの製品であれば誰が使っているか調べる

  • どのような楽曲で使われているか調べる

  • Spotifyで機材名のプレイリストを検索

  • マニュアルをDLする

  • マニュアルを読んで使い方を理解し、用途に合うか考える

  • 具体的にどのような曲を作るか考える

  • どこに置くか、配置を変える場合は既存の機材はどうするか考える

  • 楽器屋で触ってみる

これらは普通にみんなやってることかも知れないけど、ひたすら情報を調べて利用シーンを具体化する。Spotifyのプレイリストは意外とシンセやドラムマシン名で作られているものがあるので、購入後に使い方悩んだ時の参考にもなって面白い。
最近は勢いで買うことはない。時には勢いも大事だけど。前にも書いたが、とにかく価格が安くなってるから買うってことだけは絶対にしないようにしている。今だけ安いとかオークションで高値で売れるとか言われても別に売る気は無いから関係ない。

でも長く悩みすぎても余計な時間を使うだけだから、早く決断することは大事ですね。石田ゆり子さんも言ってましたし。

お金って紙だから経験に変えていきたい

あと、買うなら上位機種を買った方がいい。妥協して下位のものや模倣品を買って、それでもずっと上位機種が欲しくて結局両方買うなんて事にはなりたくないので。

まぁ、イケてる機材買ったからってイケてる曲を作れるようになる訳ではないので、しっかり考えて必要なものを書いましょう。自信を持って他人に説明できるレベルまで落とし込めたら◎

以上!
ご利用は計画的に。

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