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喫茶クロノ

2/6(日)
atelier Chrono 13周年イベント
一日だけ【喫茶クロノ】を
OPENします。

過去に何度か開催してますが
今回は
自家焙煎珈琲での喫茶となります。

(飲み物は 珈琲かカフェオレのみ)

昨年2月
ついに店内に作ってしまった
クロノ珈琲焙煎室。
空き時間は焙煎ばかりしてました。

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焙煎を始めた理由の一つとして
珈琲が好きで飲みたいのに
すぐ気持ちが悪くなったり
体調を崩してしまう妻でも
美味しい!と飲める
珈琲をいつか自分が作りたいという
気持ちがありました。

実は一回だけブラックを美味しいと飲んだことはあったので。                                       (焙煎家オオヤ ミノルさんが焙煎された豆)

ブラックでは ほぼ飲めず
カフェオレにするのですが
配合は ほぼミルク(95%)で(珈琲5%)
の物しか飲めないという人です。
(珈琲6%になると濃いと言われます)

そんな人に
珈琲のブラック。
しかも濃厚なデミタスで
美味しいと言わせたい!という
無謀なチャレンジを
成功させるために
1年程、毎日毎日
焼いた豆で淹れて
しつこく飲んでもらいました。

そして
昨年12月頭に
自分の中でかなり良い!と思った
仕上がりの豆で淹れた珈琲を
飲んだ妻がボソッと
「美味し…」と言いました。

かなり濃厚な珈琲でしたが
飲みやすく顔にも反応が出ませんでした。
(ダメなら一口目の反応で分かる)
だから
本当に美味しい珈琲とは…


飲めないと思ってる人でも
「美味しい」と飲めるんだと
この日に確信しました。



最近3口位なら濃厚なのを飲めるまでに
なりました。

飲めないと思ってる人は
珈琲の美味しさが
分からないのではなく
まだ人生で美味しい珈琲に
出会っていないだけ。だと思います。

習ったり本などで調べたり
試して検証して
考えて悩んで
とにかく色々と繰り返し
やり続けた先に見つけた僕の珈琲。

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飲めない人の原因も
だんだんと分かってきました。

生活していく中で
珈琲に繋がりそうな
ヒントを見つけては
実験もしてきました。

その焙煎に使うのは
フランスで100年以上昔に作られた
アンティークの手廻し焙煎器。

焙煎の途中で内部の様子は
全くチェックすることが
出来ない構造で
出してみるまで豆の色なども
分かりません。

プロがよくやっているように
豆を引き出して色を見たり
匂ったりは不可能。

なので
繰り返し 繰り返し
焙煎する中で得た豆からのサインを
見逃さないようにします。

煙の色や量
音や匂い
手に伝わる感触
時間
あとは感覚。

当てにはならない形だけの
外付け温度計はほぼ見てません。
(外しても良さそう)

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こんなアナログな焙煎器で
「美味しい珈琲なんて無理でしょ!」
と最初はみんなに笑われていました。

しかし
僕はこの
焙煎器がとても好きです。
(まるでフィルムカメラのようで)

カメラマンでも
デジカメで何度もチェックしながら
上手く撮るカメラマンより
フィルムカメラを使って
狙った通りの写真を
バシッと撮る人の方が
すごい人な感じがしませんか?
僕はそういう感じに憧れます。
だから
珈琲に関しては
そういう作り方をしたいんです。

一回の焙煎で1500回転以上
ハンドルを止めずに回し続けて
焼き上がるのはたった120g。

焙煎後30g使って一人で
ある項目のチェックの為に試飲。

後日もう30gを自宅で妻と試飲。
※ちなみに
この時にダメな反応があれば
お客様には一切お出ししてません。

お1人に30g使うので
1回の焙煎で珈琲飲めるお客様は
2名なんですね。(少な)

でも
焙煎が楽しすぎて
全く苦にはならない。
実は1日で6回 焙煎したことも…
あります。汗
(1日で9000回転越え)

もうすぐ300回焙煎です。
(ハンドルは45万回転!)

どの産地の豆を焼く時も
ひたすら
同じ焙煎度の「ココ!」
というポイントを目指して
焼いてます。
(目を閉じても分かるようになった)

かなり偏った珈琲の表現ですが
逆にプロはやらない型かもしれない。
(ずっと壱ノ型?)

多分これからも
珈琲の好みは変わらずなので
酸味のない珈琲を作り続けます。

丸みのある口当たりで
喉の奥からブワッと戻ってくる香りと
品格ある苦味の珈琲
を目指してます。


フランスの
アンティーク手廻し焙煎器

フレンチローストに焙煎した豆(クロノ基準)

フランスアンティークの
プジョー社の手廻しミル

フランスの古い
真鍮ネルドリップ器具

フランスの
アンティークカップ

その他
自分なりにこだわって集めた
黒の道具を使って作る
ここでしか飲めない
【一杯点てのネルドリップ珈琲】

豆選び〜焙煎〜抽出〜提供までの
珈琲の味作りの部分を
一貫してやることは

美容室の
シャンプー〜仕上げ まで
責任を持って携わる事と
全く同じで
やはりそこに対して
異常なこだわりを持つのが
僕なのです。

気難しく神経質で頑固な
珈琲かもしれませんし
どこよりも優しい珈琲かも
しれません。

美味しい物(素晴らしい物)は
両手の中からしか生まれない

という
日本人的な感覚が大好きです。
ものづくりの精神として
手間暇をかけ
気持ちを込めることが
作品に魂を乗せるために
必要なことだと
いつも思っています。

これは僕の全ての仕事に通じます。


珈琲をせっかく作るなら

芸術的な珈琲だと言わせたいし

感動を生むような味を作りたい。

ここに辿り着くまでの
プロセスなども含め
自分の作った空間で味わってもらえたら嬉しいし
目には見えない
何かを体感して帰っていただけたらと
思います。

頑張って焼きますので

来られる方はどうぞお楽しみに。



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