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HACCPを上手く使うために⑳ ~原則1 ハザード分析 ハザード評価の前提は?~

こんにちは! あたたけ です。

引き続きHACCPの『原則1(手順6) ハザード分析』です。

前回から『ハザード分析ワークシート』に沿って進めています。

今回は欄3&欄4、ハザード評価の話です。

ハザード評価とは、欄2で挙げたハザードが重要か判断することです。
ここで『重要』となったハザードが、
CCP(もしくはOPRP)の管理対象候補となります。

評価は2つの軸、『発生頻度』と『重篤度』で行います。
つまり、リスクの評価をすることになります。

と、簡単に書いてみましたが、実際に考える際にはけっこうな難問です。
なぜかというと、『基準が良くわからないから』です。

ということで、あたたけなりに考え方を整理してみます。

①大前提は『既存の一般衛生管理(PRP)』

以前、一般的生管理(PRP)はHACCPと同時に考える、と書きました。
この『同時』というのをハザード評価では思い出してください。

ハザード評価の際には、『PRPがキチンと行われていた場合』に、
ハザードがどうなるかを評価します。
つまり、発生頻度や重篤度は『PRPが出来ていることを前提に』考えます
(これが、一般衛生管理が前提条件プログラムと書かれる所以??)

で、マジメな&現場をよく見ている品管担当の方ほど、
『うちの工場はPRPもまだまだ出来てないから、、、、』と考え、
ハザード評価が厳しくなってしまい、
何が重要なハザードかわからなくなっていることがあります。

この考え方がHACCP導入への不安&焦りと結びつくと
『なんでもかんでもCCP』となりかねません。

※まぁ、『CCPは絞り込む』という考え方が一般的になっているので、
 本当にCCPを多数設定するということはないでしょうが。。。。。
 『CCPに決めた理由があいまい、説明できない』ことの方が多いかも?

さて、『PRPが出来ていない』というものには、2つの理由があります。
1つは、『現場がPRPのルール、手順を守っていない(実施が不充分)』、
もう1つが、『PRPの内容(ルール、手順)が不充分(有効性が不充分)』
というものです。

守っていない(実施が不充分)なら、
まずは守らせないと、HACCPもたぶん机上の空論で終わります。

内容が不充分(有効性が不充分)なら、
HACCPを考える前に、PRPを見直した方が楽かもしれません。

簡単にまとめると、
ハザード評価をする際に、PRPの検証をした方が良い!』ですね。

※一般的衛生管理自体やハザード評価との関わりについては、
 以前の記事もご覧ください。

②発生頻度は『既存の一般衛生管理を踏まえた上で』考える

①と同じですね。
既存の一般衛生管理を踏まえ、『そのハザードがどの程度起こりうるか』
考えていきます。

難しいのは『どの程度』の判断でしょうか。
特に、『食中毒菌の増殖や汚染(付着)』は
発症菌数や除去工程との関わりも踏まえることが大切かもしれません。

そう考えると、発生頻度に関しては、
製品での健康被害(危害)の起こりやすさだけでなく、
工程でのハザード(危害要因)の起こりやすさも考えるのが良いかも
です。

じゃないと、『積み重なった結果の危害』が見えにくくなりますので。
行きつく先は『見落としによる事故』か『各工程での過剰な管理』ですね。

③重篤度は『製品での危害』を考える

②の発生頻度で『ハザードの積み重ね』を考えておけば、
重篤度では『製品の危害(健康被害に繋がるか)』でOKだと思います。

重篤度の高低をどこで分けるかはモメそうなところですが、、、、、
『健康被害になる/ならない』が一見、わかりやすいのですが、
となると、ハザードをあげた時点で、
『重篤度が低い』というものがあまりないかも。。。。。。
(豆腐のセレウスなんかは
 『健康被害に繋がることはない=重篤度が低い』になるかもですね)

素直に教科書通りの
『予防、除去・低減が必要(≒放置すれば健康被害に繋がる)』が
やっぱり一番、的を射ているのでしょう。
(うーん、②③はちょっとまとまりきってないですね。。すみません。)

④欄4には、関連する一般衛生管理(PRP)を記載する!?

欄4は、欄3のハザード評価の判断根拠を書きます。
あるべき論で言えば、②③の発生頻度&重篤度の高低だけで良いかもです。

が、①の『一般衛生管理をハザード評価の大前提とする』と関連づけて
欄4にはハザードに関連する一般衛生管理の内容を記載すると
『どんな管理をしているか』すっきりはっきりわかりやすい気がします。

それでは、今回はこの辺りで!
次回はハザードの管理手段です。

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