HACCPを上手く使うために⑲ ~原則1 ハザード分析 ハザードの発生原因を考える!
こんにちは! あたたけ です。
引き続きHACCPの『原則1(手順6) ハザード分析』です。
ようやくハザード分析の進め方を具体的に見ていきます。
ハザード分析を進めるのは、
いわゆる『ハザード分析ワークシート』の6つの欄を順に埋めていきます。
ここからは、6つの欄の順に気をつける点を見ていきましょう。
1.原材料/工程
手順4フローダイアグラムで、『全ての原材料・工程を記載』しましたので
そのまま全てを欄①に記載していくだけですね。
ただし、あたたけ的には『原材料と工程はしっかり区分する』ことに
注意した方が良いのかなぁと思います。
HACCPに関する教科書や資料、
さらには食品企業での実際のハザード分析などを見ていると、
『受入(納品)工程に原材料由来のハザードがまとめられている』ことが
よくあります。
確かに、原材料由来かつ受入(検品)で除去できるハザードはありますが、
その2つは別ものなんですよね、本来は。
さらに、原材料由来ではなく受入工程で発生するハザードもありますし。
(納品ブースに長時間置かれることによる、食中毒菌の増殖とか)
手間が増えると言えば増えるのですが、あたたけ的には、
原材料由来のハザードは、工程とは別に記載した方が良い気がしています。
ハザードは『原材料に由来するもの』と『工程で発生するもの』、
つまり、『外から持ち込まれるもの』と『中で発生するもの』があります。
で、一般的衛生管理(PRP)がキチンと機能していれば、
『中で発生するハザード』について、汚染や増殖はだいたい管理できます。
残るのは『生残(ハザードを除去/低減しきれない)』になるのですが、
これは『外から持ち込まれるハザードの生残』となります。
というようなことを考え、あたたけは、
『原料に由来』と『工程で発生』は別に明示することを
おススメしています。
2.可能性としてのハザード
各原材料・工程で考えられるハザードをあげていきます。
前回の記事で書いたように、ハザードは生物・化学・物理に分けて、
さらに、リスクをどこまで考えるか明確にした上で挙げることが大切です。
で、ここで大切なのは『ハザードがどのような挙動で発生するのか』です。
なぜなら、同じ食中毒菌であっても『増殖』か『汚染・付着』かによって
どのように管理するのかが変わってくるからです。
まぁ、当たり前のことではあるのですが、
この辺りの言葉遣いをキチンと意識して使いわけないと
関連するPRPや管理手段がわかりにくくなってしまいます。
さらに、その辺りがあいまいな工場、
例えば、○○菌の増殖に対し、器具の洗浄で管理とか書いてある工場は、
専門知識は大丈夫?と不安になります。
だって、微生物の挙動(汚染、増殖、生残、持ち込み など)って
結局は『食中毒予防3原則』という、
『食品安全のはじめの一歩』に繋がっていることですからね。
ちなみに、先述(1.原材料/工程)の内容を踏まえますと、
原材料由来の外から持ち込まれるハザード、つまり、
『原材料について持ち込まれる、存在している』というハザードには、
どこかしらの工程で『残存(除去/低減しきれない)』というハザードが
対としてあげられます。
でないと、ハザードがそのまま商品に残りますからね。
(残っていいものなら、ハザードではありません!)
ちなみに、あたたけは、『ハザードの発生原因』を欄2.2として
ここで明示することをおススメしています。
(欄2に書いてしまっても良いですが、別の方がわかりやすいです)
なぜなら、発生原因を明確にする(誰にでもわかるように示す)ことで、
現場の従業員の方も含め、各種ルールの目的がわかりやすくなるからです。
ハザードをあげるだけで原因が示されていないと、
ルールにどのように繋がっているかわかりにくいと思います。
ちなみに、巷に出回っている教科書によっては、
欄4に欄2の発生原因を書くように示していることもありますが、
本来、欄4は欄3の判断理由を示すものですので、
欄2の発生原因とは違うよなぁと思うわけで。
最終的には『ハザードを管理して、安全な食品を作る』のが目的ですので
あまり細かいことにこだわる必要はないかもしれませんが、
あたたけ的には、ハザードをあげた段階(欄2)で
『ハザードの発生原因』を別枠に示すのが、一番、理解しやすかったです。
(が、あまり一般的ではないかもしれないことはお忘れなく!)
(この辺りは、次回以降に考える、欄4&欄5でも同じですね。
一般的なものが良いのか、わかりやすくアレンジするのが良いのか、
迷うことはありますが、本質を外さなければ良いかなぁと。
まぁ、形にこだわる人にはダメ出しされる気もしますが。)
それでは、今回はこの辺りで!
次回はハザードの評価からです。
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