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HACCPを上手く使うために③ ~HACCPは目的?手段?~

こんにちは! あたたけ です。

引き続きHACCPの話です。

法律で義務化されること自体はけっこう以前から言われていましたので、
それなりの食品工場では、既に、ほぼほぼHACCPに取り組んでいます。
形だけは。。。。。

『形だけ取り組んでいる』よくある事例は、以下のようなものがあります。
・フローダイアグラムと実際の工程が違う
・ルール変更時の根拠がない(妥当性確認をしていない)

原因は、はっきし言うと
HACCPに取り組むことが目的になっている』でしょう。
なので、
『HACCPプラン(という名のCCP整理表)が出来たら満足』
『7原則12手順を教科書通りに進めれば(書類を埋めれば)良い』
という考えになり、現場の実情(あるいは変化)が反映されず
形だけのものになっているんだろうなぁと思います。


まぁ、何かを始める時に
形から入って徐々に中身を良くしていく』という手もありますが、
これって、実はけっこう難しいことだと思います。
趣味なんかだと、中身を良くしていくこと自体が楽しいのですが
仕事でも同じように、というのは難しいです。

仕事自体を楽しめれば良いのかもしれませんが、
食品業界で働く大半の人にとっては
HACCP(というか衛生管理全般)が楽しいわけがないと思います。

だって、『安全な食品を作りたい』ってのが働く動機になりますか?
働く目的はいろいろですが、前向きに食品業界を選ぶ人は
『おいしいものを作りたい、世間に送り出したい』というのが
根っこにあるんじゃないかなぁと思います。

『安全性確保の取り組みをより効率よく、精度高くする』
というのもやってみると楽しいのですが、
それはけっして一般的な感覚ではありません。
『より美味しいものを追求する』の方が、
ふつうはやりがいを感じるのではないでしょうか。

『継続的改善』というのには、けっこうな精神力が必要です。
継続の先に目指すものに意味を見出せないと、続くわけがないんですよね。

スライド1

スライド2

スライド3

だから、目的を『HACCPに取り組む』にしてしまうと、
『取り組むのはあくまで第一段階』という理解&覚悟がないと
形だけ作って終わりになる気がします。


さて、この辺りのことは、今のHACCP制度化への取り組みを見ていて、
とても不安を感じています。

飲食店などでの『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理』の進め方が
『手引書通りに進めればOK。
 手引書にはわからない人のため、具体的な作成例もあります。』
と、形から入ることが推奨されるような流れになっています。

『スタートすれば、みんな継続的改善に取り組んでくれるはず』
と考えるのは、さすがに世の中、甘く見すぎてませんかねぇ。

そもそも『HACCPの考え方』って何なの?
『7原則12手順に進めること』がHACCPの考え方なの?
この辺りの答えをキチンと出さないと、
HACCPって便利な道具(≒使うもの、手段)と気づかれない、
活用してより良くしようという発想に繋がることはないと思います。

ということで、『あたたけ的HACCPの考え方(その1)』です。

スライド4

スライド5

スライド6

今日の一言です。
HACCPは使うもの。
 HACCPに取り組むことは、
 食品事故防止という目的への スタート地点でしかない。

それでは、今回はこの辺りで!

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