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関係人口をどこまで増やせるか。

三浦半島最南端、三崎に引っ越して2ヶ月が経った。
日々東京↔三崎を行き来しながら、「本と屯」を開けては路上観察をし、訪れた人とコミュニケーションを交わす毎日を過ごしている。
たまたま通りがかった人、ローカル誌を見てわざわざ来てくれる人、本を寄贈しに来る人、絵本を読みに来る子供。みんながなにかしらの「本」に触れて、アタシ社のことを知る。これは出版社にとってとても有意義なことで、本をつくっている張本人が店番をし、今まで買い溜めた本の話しを座ってできることは、なんとも贅沢なことだと。

来店者の多くは、観光客と地元の顔なじみになってきた人たちが多い。近所の地元民の方々は、まだおそるおそるガラス戸から中を覗いては、右に行ったり左に行ったりしている。古本屋でもない、なにがなんだか、という印象が残っているから、先日こんな言葉を貼ってみた。

言葉の力は偉大で、これを貼ってからは扉を閉めていても人が入ってくるようになった。


「関係人口をつくる」、という本を読んでいる。観光客と定住者の狭間、よく行く街と自分自身に「関係」をつくる。住まなくてもいい、あの街を好きになってよく訪れてくれる人をつくる。

これは「逗子鎌倉に暮らしたい学」をやっていて思ったことだけど、移住や引っ越しはやはりハードルが高く、東京から300km離れて地方に移住することは、さらにハードルが高い。
東京から湘南に引っ越すだけでも、躊躇する部分がたくさんあることを講座を通してよくよく学んだ。
引っ越してしまえば、住めば都というのは本当で、それはそうなんだけど。各人守るべきものがある。移住を促すこと意外は、ことさら深く考えてなかった中で、観光客と定住者の狭間、「グレーマン」が多いことに気づいた。
この本は、どの地方都市でも抱えている、人口減少の課題を少し紐解いてくれると思う。
「観光案内所」ではなく「関係案内所」
「本と屯」もそんな関係案内所になれる可能性がある。
よくよく考えたら、美容室という場所は、「関係案内所」としての偏差値は最高だ。個人情報も、街場の情報も、よく知っている。
三崎に関係を持つ人たちを、これからどこまで増やせることができるか。
観光客から定住者になった今、その「ハブ」になれることを忘れずにゆるやかに街とつながっていきたい。

本と屯は、子供がよく来る。
子供はほんとに、本をよむ。

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