見出し画像

東京から高知へ・2泊3日超充実旅ガイド[タイムスタンプ付]~2日目後半

ちょうど本日(2020年2月1日)、四万十川がブラタモリで取り上げられていたので慌てて書き上げてみました。

2日目後半の概要:竜串海岸~四万十川の沈下橋群~中村駅~須崎市
(「1日目」を未読の方はこちらから。「2日目前半」を未読の方はこちらから。)

以下の目次(タップ/クリックで各項目に飛べます)が本稿2日目後半の詳細になります。

13:41 竜串海岸

竜串(たつくし)海岸は、奇勝奇岩の壮大な風景が広がる景勝地で、こちらも小学生の時に時刻表での空想旅行を計画していた時にずっと気になっていた場所でした。

竜串海岸の駐車場で車を降り、誰も観光客の居ないお土産屋さんの前を通り過ぎ、防波堤を越えてからいよいよ海岸の歩き出しです。

地図を見ると海岸沿いが遊歩道になっているはずですが、行く手を見ると…

ん??どこを歩いていけば良いの??
少し進んで防波堤側を振り返っても、目安になりそうな目印はありません。

つまり、「この先は普通に海岸だから、砂浜と同じで自己責任で自分のルートで歩いてね」ということのようです。
これは高齢の方とかには辛い観光地かもしれません。
何せ、先行く人も、戻ってきてすれ違う人も居ないので、一人だとどこに進めばよいかもわかりません。

まあ何となく海に向かって先に進め、と岩が言っているような雰囲気はあるので、とにかく先に進みます。

進んでいくと、周りには確かに奇岩と呼ぶべき変わった岩がたくさん出てきました。

材木を並べたような岩「らんま石」や、

ハチの巣のように孔がたくさん明いている岩や、

波の向きとは垂直な方向に向かっている岩たち。なんか不思議な感じです。

それにしても、これ↓を歩いて行けって、結構なスパルタ観光地だと思います。

こちらの岩には「大竹小竹」という名前が。ようやく観光地らしい表示があって安心しました。

これなんて木材で同じようなものがありそうです。

足元に気を付けて進んでいくと、「蛙の千匹連」と名付けられた岩が出てきました。この岩の上の黒い粒々も岩の一部のようで、これが蛙に見える、ということなんでしょう。

岩の間の海水はすごく澄んでいてきれいです。


右奥に見えるのは、「足摺海底館」の海中展望塔の建物ですが、さすがに今回は寄る時間がありません。

この辺りを歩いている間は、ずーっと太平洋から波が寄せては返す音がしているのですが、何せ人っ子一人いません。
しかも結構な段差や岩の隙間を越えてきましたが、手摺とかは全く無し。氷河のクレバスみたいな割れ目にはまったり、一度でも大波が来たりしたら二度と誰にも見つけてもらえなさそうな不安がふとよぎり、自然と歩みが速くなります。

さらに進んでいくと、「不背山」が見えてきました。心なしか、モヒカン頭の怪物が地面から出てきたような見た目です。

この右側のスペースを抜けて先に進みます。すると、足元が結構狭くなってきました。

いやいやいや、この先やばくないですか?もう少しで終点の桜浜が見えてきたというのに、引き返せない…。

この幅で、かつ左側は結構な高さで海面が見えているのに、手すりが無いのは結構衝撃です。何とか通過できましたが、向こうから人が来ても絶対すれ違えない幅なのが見えると思います。

ようやく終点の桜浜海水浴場に着きました。きれいで静かな砂浜です。ようやく掃除に来ている方を見つけて、なんだかほっとしました。

この状況だと、さすがに避難場所情報は必要ですね。

さて、今度はようやく海を離れて、一気に25km北上し四万十川中流域の沈下橋群を目指します。

15:12 佐田沈下橋

最初に到着したのがこちらの「佐田沈下橋」。四万十川に47本かかる沈下橋のうち最も長く、また四万十市街から最も近いこともあってかなりメジャーな観光地のようです。橋のたもとから少し上がったところには観光バスが何台も停まれそうな巨大な駐車場がありました。ただ、この日は私以外に外国人の観光客が1グループ居ただけで、彼らも途中から帰ってしまったために後は完全に独占状態になりました。

こちらの橋は昭和47(1972)年に建設されたとのことで、同い年の私は勝手に親近感を感じました。

少し広角のレンズで撮るとこんな感じ。横の屋形船もいい雰囲気を出しています。

水面は穏やかで、一人で居ると本当に静寂の中で穏やかな時間が川とともに流れていきます。

そうしている間にも時々地元の方と思われる車が通っていきます。中央部にすれ違える部分もあるせいか、自分も思い切って車で渡ることにしました(と言うか、渡らないと先に進めないのです)。

幸い対向車も居ないので、途中で一旦停車してオンボードでの撮影。運転席から見るとこんな感じです。

一台分の幅は余裕であるのでさほど怖くはありませんが、すれ違い部分で対向車にスペースを残せるかというと、そんな気は全くしません。

というわけで、対向車が来る前に慌てて渡りきることにしました。
実はここで渡ったことが、後でさらなる恐怖を呼ぶとは思ってもみませんでした。

というのも、今回実は一つ誤算なのが、途中に道路工事があって予定していた県道340号(下の地図で四万十川の北側を回り込む道)が通行止めになっていたことです。つまり、それが通れずに佐田沈下橋(下の図の赤いピンの橋)を渡ったがために、蛇行の内側部分(「川辺のコテージ」「withRIVER」がある部分)のものすごい細い山道(小型車1台分の幅しかなく、ごくたまにしかすれ違いポイントが無い)を走り抜ける必要が生じたのです。

そしてその細道の最後に待ち構えていたのが、車で渡ることが拷問としか思えない「三里沈下橋」だったのです。

15:46 三里沈下橋

上の地図の「withRIVER」の辺りのすれ違いポイントから見た「三里沈下橋」がこれ。木の間からとはいえ、素晴らしいビューポイントです。ただし、地元の車の邪魔になってはいけないので、撮影したらすぐに立ち去らないといけません。

さらに道を進むと、沈下橋の手前に1台分の駐車スペースとトイレがありました。恐らく観光シーズンでは停められないと思いますが、この日は誰も居ないので停められました。

そこに車を停めて沈下橋に向かって坂を下りていくと、恐怖の看板が…。

いや、どれだけ狭いんだ??と思って行ってみると、こんなです!

いやいや、さっきの佐田沈下橋よりもだいぶ幅が狭いです。しかもすれ違いポイントも無し。

そうこうしているうちに、ちょうど対岸から地元の軽トラが走ってきました。

こちらからも1台行きます。(同じ車が戻っているだけかも知れませんが)

うーん、軽トラだから余裕があるように見えるのでしょうか?

でも、先ほどの山道を戻るのも恐怖なので、もう私もVitzで行くしかありません。

ということで、渡り切りました。途中でオンボード写真など撮る余裕がある訳もなく、独りで怖すぎて無言になりながら何とか通り過ぎました。実際、途中まで来てしまうと止まるのも怖く、スピードを出して早く通り過ぎるのも怖くなり、ただただ惰力に近いスピードでハンドルをガチガチに握って乗り切りました。イメージですが、もし途中で止まって車のドアを開けようものなら、足元は多分数メートル下の川の水面だったでしょう。後で調べてみると、幅員3.3mとのことですから本当はもう少し余裕があるのでしょうが、日頃見かけるガードレールや欄干の与えてくれる安心感には本当に感謝です。

逃げるようにして次の沈下橋を目指します。

16:08 高瀬沈下橋

次は高瀬沈下橋です。こちらも相当幅が狭く見えますが、実際は三里沈下橋ほどではありませんでした。

四万十川で3番目に長い沈下橋(232m)とのことで、ここもかなり絵になる橋でした。ただ、もはやVitzでもう一度沈下橋を渡る度胸はなく、歩いて写真を撮りまくることしかできませんでした。

16:18 勝間沈下橋

次は勝間沈下橋。こちらは昭和40年建設とのことでかなり古いですが、幅もそれなりにあり、他の沈下橋とは異なり橋脚が1か所に三本並んでいるのが特徴です。

実際、この幅であれば向こうから車が来ても、余裕で歩いてすれ違えます。

実際、交通量も多いです。

と思っていたら、さらにすごい車がやってきました。

ん?クレーン車??

いや、確かにクレーン車でしたが、運転される方は幅だけでなく重量も最初は気になったことと思います。落ちたら絶対に死にそうな場所ですからね…。慣れておられるでしょうが、日々ここをクレーン車で通られるこの運転者の方には脱帽です。

16:44 口屋内沈下橋(屋内大橋)

時間的には日没が近づいてきたので、いよいよ今回の最後の沈下橋・口屋内沈下橋(屋内大橋)を目指すことにしました。

本当は観光写真でよく出てくる岩間沈下橋を目指したかったのですが、さすがに遠かったのでここを最後に…と思ったら、

なんと大規模な修復工事中でした!2010年頃に陥没・橋桁の崩落があったそうで、2020年度末開通予定だそうです。従ってアクセス道路も塞がれており、少し遠くからようやくこの姿が収められただけでした。残念!!

最後に、夕暮れの勝間沈下橋をもう一度見てから、一路レンタカー返却に間に合うように中村駅まで戻ります。

この時点で16:52です。須崎市で予約しているホテルに戻る「あしずり号」の発車まであと50分あまりしかありません。

17:35 中村駅

結局、何とか18時のレンタカー返却期限、及び17時45分の特急あしずり号の発車前には、返却前のガソリン給油も含めて間に合うことができました。まさに滑り込み…。

ようやく車内で一息つくことができました。

18:49 須崎駅

今日の宿泊予定地の多ノ郷駅は各駅停車しか止まらないため、ここ須崎駅で乗り換えます(読みは「すさき」と濁らないそうです)。ここは須崎市の中心駅のはずですが、構内も駅前も本当に静かです。待合室には私を含めて3人だけ。車社会なので駅の役割も大きくないんでしょうか。それでも有人駅なだけまだ良いのかもしれません。

ホーム上のしんじょうくんも心なしか寂しそう。高知のメジャーゆるキャラとは知らず、失礼しました。須崎市の新荘川で、最後に目撃されたニホンカワウソがモチーフだそうです。しかしその位置から顔を出して写真を撮るのはなんか変かも。

ここで20分ほど、各停が来るのを待ちました。月がきれい。

19:27 多ノ郷駅

散々各停を待った割にはたった二駅で多ノ郷(おおのごう)駅に到着。列車のすれ違いのできる駅ですが、夜も更けて寂しい光景です。降りた人も片手で数えられるくらい。

駅の待合室にはもはや誰もいません。
この時点でスマホの電源は残り1%を示しており、もはや地図を見ることができないことに気づきました!何せ、外に出ても道を聞ける人が歩いておらず、地図の記憶をたどって夜道を歩くしかなく、若干ドキドキでした。

それでもなんとか目的地の須崎プリンスホテル(ただしプリンス系ではない)に到着。狭いながらもそこそこきれいで独り旅にはちょうど良い宿でした。

20:30 須崎での夕食

ようやくホテルに荷物を置きましたが、夕飯を早く食べないといけません。
向かったのは駅からの道中にある、事前に食べログで調べておいた「須崎魚河岸・魚貴」です。
出張客も多いだろうからお一人様でも入りやすいと予想していましたが、その通りでした。

おすすめメニューはこんな感じ。

美味しそうなお魚の名前が並んでいますが、ここはやはりお店の方にお薦めを聞くことにしました。
するとお店のお姉さんの答えは「私はネイリが好きですね~」とのこと。ありがたいことに安いラインナップをお薦めしてくれるとは(笑)!
どんなものか聞いてみると、白身でありながら適度な脂のノリで美味しいとのこと。迷わずそれに乗りました。
飲み物はやはり地元のものということで、前日に友人から指名のあった土佐鶴を熱燗でいただきます。

やってきたネイリのお刺身がこちら。新鮮で大変美味しかったです。

さらに普段食べないものをということで、クジラをチョイス。昔小学校の給食で時々出てきたクジラの竜田揚げを注文しました。懐かしい味!でも覚えている竜田揚げよりもこちらの方が薄味で上品でした。

もうひとつ名物っぽいものをということで、原木椎茸焼きを注文。肉厚でじっくり味わえました。

〆はやはり高知発祥のアイスクリンでしょう!

最後の写真が、熱燗とアイスとお茶の並びなのはご愛嬌ということで。

さて、ようやく2日目が終わりました。あと一日、残るは高知城と桂浜を訪ねる「3日目」。こちらは別の記事にして続けます。どうぞお楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?