7.17 恋とか愛とか
こんばんは。
僕の仕事は休みが不定期なのですが、今週は土曜日が休みで、世間で言う華金というものを味わっています。
休みの日の前夜はいつも最高なのですが、今日はなんとなくコンビニで一番高いアイスを買って帰り、届いたばかりのお気に入りのグラスにお酒を注いで映画を観たりしています。
今日の昼休み、上司がいきなり休憩室に入ってきてこう言ったのです。
「俺、プロポーズしたんや。」
突然のことで、何を言っているのかわかりませんでした。
僕は、彼とそんなに話したことがなく、
ましてや恋人がいることも知りませんでした。
彼は、その後10分くらいかけてプロポーズまでの経緯を話してくれました。
彼は彼女と5年半ほど付き合っていましたが、最近お互い倦怠期だったそうで、1ヶ月ほど距離を置いていたのですが、その間に彼は彼女を失ってはいけないということに気づいたと言います。
先月の後半から、徐々にまた会うようになり、そこで一昨日、一世一代のプロポーズをしたそうです。
けれども、彼女からはその場で返事がもらえなかったようで、なんと今夜その返事が返ってくるそうなのです。
それで今日一日居ても立っても居られないようで、彼はずっとソワソワしていました。
「男ってアホやなあ、失って初めて気づくんだもん。」
と彼は言いました。
僕は、本当にその通りだと思いました。
けれども、人のことばかりは言えないのでただ笑って返しました。
「神戸に行って、良いレストラン予約して指輪もしっかり用意して、花束も用意したんや。ベタな感じやけど。」
と、照れながらいう彼に
「実際、女の人はそれが一番嬉しいと思いますよ。」
と言うと、少しホッとように見えた彼に
「健闘を祈ります。」
と言うと、
「祈っといてな!」
と言って、彼は仕事に戻って行きました。
彼は、イケメンで人当たりも良くて仕事もできて、多分、男性からも女性からも好かれる人です。
けれども僕は、人当たりが良すぎる人がなんだか苦手で、あんまり話したことがなかったのだけれど、こんな僕にも一世一代の報告をしてくれたことがなんだか嬉しくて、ソワソワしている彼とは裏腹にホワホワとした気持ちになりました。
いくら、長く付き合っていたからと言って、この先も一緒にいられるかどうかの保証なんてどこにもありません。
僕も4年ほど付き合った恋人がいました。
来年も一緒にいると思っていたその数ヶ月後には、もう一生会うことはないだろうと思っていました。
本当はずっと一緒にいたいと思っている彼女。
過ちを改めてずっと一緒にいようと誓った彼。
どうか、2人には来年もその先も一緒にいてほしいです。
帰り道、後ろから規則的な金属音がして振り向くと、自転車に二人乗りをした年配のカップルがいました。
ママチャリに2人で乗って、前後のカゴに買い物の荷物をめいいっぱい載せているために、自転車の部品が摩擦で鳴っていたのだと思いました。
自転車を漕ぐ男性のシャツを馬の手綱のように両手でしっかり握りながら後ろに乗る女性。
彼らは、何年もああやって2人で自転車に乗って夜の買い物の帰り道を過ごしているのだろうかと思うと、なんだかロマンチックに感じました。
僕は結婚願望もあまりなく、ましてや恋人が欲しいともほとんど思わないで生きてきました。
紙切れ一枚で、ずっと一緒にいなきゃいけないなんて恐ろしいなとさえ思っていました。
ただ一度、結婚したいと思った相手はいます。
けれどもそれが叶わなかった絶望で、僕はまた、これから先もしばらくこのままだと思います。
なんだか重いことを言ってしまいましたが、
そんなことより、今は僕は僕のやりたいことでいっぱいで、どう考えても時間が足りないのです。
けれども、男性とか女性とかそんな境界を超えて連れ添う人々を眺めていたいなと思うのです。
いつだって誰かに愛されたいし、
愛する対象が在ることは尊いことです。
いつか僕にもそんな関係ができたら素敵だな。
おやすみなさい。
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