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ご機嫌な朝に食べたい、ズボラ美味しいフレンチトースト|きょうの台所#6

朝、8時半。夫の携帯アラームが、鳴り始める時間です。

もそもそっと動く布団。長い腕がそろぉっと伸びて、甲高い音を止めます。束の間の沈黙を破る、ふぅっという夫の息。次の瞬間、聞こえてくるのは、寝室のガラス戸を控えめに引く音。張りのある、ニュースキャスターの声。

ぼんやりとした意識のなかで、いつもと変わらない朝の音が聞こえます。

あ、嘘。“いつもと変わらない”と言いましたが、大きな変化がひとつだけ。今週から、夫がおうちで仕事をするようになりました。テレワークです。

「仕事と生活の境目がなくなりそうだなあ…」と、不安そうな夫には申し訳なく思いつつ、私は心の中で小躍りしていました。

彼と付き合い始めてから7年。たったの一度でいいから、彼が仕事に打ち込む姿を間近で見てみたいと、兼ねてより願っていたのです。

予期せず舞い込んできたチャンスを前に、気持ちは昂るばかり。あまりにも気分がよかったので、珍しく気合いの入った朝食を作りたくなりました。

食卓テーブルのうえには、昨日買ったばかりの食パンが一袋。冷蔵庫を開けると、コップ一杯分の牛乳と卵、そして何のために買ったのか忘れてしまったバターが少し。

今日の主役は、フレンチトーストで決まりのようです。

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とはいっても、私、フレンチトーストを作った経験がありません。慌ててレシピを探すと、高級食パンを使っていたり、卵液を丁寧に濾したり、卵液に食パンを1日漬け込んでいたりと、結構手の込んだものばかり。

今回は高級食パンも時間もないので、基本の作り方を参考に、面倒くさがりやな自分向けの、ズボラレシピで挑戦することにしました。

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まずは、卵をひとつ用意。

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ボウルのなかに割ります。おっきい目玉焼きみたい。かわいい。

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泡立て器で卵を溶きほぐします。

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ほぐれたら、牛乳を150ml投入。

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お次は、砂糖。大さじ2杯くらい。私は甘いのが好きなので、砂糖は基本多めです。

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そうしたら、食パンの登場! 一枚を半分に切っておきます。ここでパンの耳を落とすケースが多いようですが、ちょっと手間なので省略。

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卵液に染み込ませていきましょう。本来ならこの卵液を濾して、一晩ほど漬け込んでおくといいらしいのですが、楽しちゃいます。

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両面、このくらいまで染み込ませます。ちぎれやすく、脆いので、優しくそっと扱います。

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パンの準備ができたら、10gバターをひと欠片、フライパンで焦がさないように熱します。

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バターが溶け切り、プライパンが十分に温まったら、パンを焼いていきます。

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蓋をするのも忘れずに。スチームして、ふっくら仕上げます。

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焼け具合を見ながら、いいところで裏返し。甘い匂いが、台所をほんわり包みます。お腹もだいぶ減ってきました。

両面こんがりと焼けたら、できあがり!お気に入りのお皿に盛って、蜂蜜やジャムなどをお好みでかけて、いただきます。

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初挑戦ながら、美味しそうにできました。高級食パンじゃないし、耳も取ってないし、漬け込む時間も短いけれど、ご機嫌な朝を迎えた私にとっては、最高の朝食に変わりありません。

・・・

リビングで朝食を食べながら隣を見ると、私が淹れたコーヒー片手にPCと向き合う夫。長い時間を一緒に過ごしていても、私の知らない彼の顔がまだまだたくさんあるようです。

彼はテレワークに慣れず、いろいろと大変みたいなので、せめて私は、束の間の休息と幸福を与えられるような朝食を作って応援できたらなあと。

もしかしたらその朝食も、ズボラなレシピになってしまうかもしれないけど、優しい夫のことだから、きっと笑って許してくれると思います。

慣れない環境だけど、お互いに頑張ろうね。

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