【万葉集】来むといふも~

大伴坂上郎女の歌

来むといふも 来ぬ時あるを 来じといふを
来むとは待たじ 来じといふものを   ~大伴坂上郎女~

来れるだろうと言っていても来ない時があるのに、
来れないと言うのを来るだろうかと待ったりはしません。
来れないと言っているのだから。

現代と比較すると

相手が来るか来ないかわからず、イライラしている様子が
思い浮かびます。

恋人と待ち合わせをしていたのに急に「来れなくなった」ということが何回かあると、
その後の待ち合わせでも「今日は本当に来るのかな?」と不安になったりするものです。

来てほしいけど、絶対来てくれるはずと期待すると
来なかったときに後々傷つくのは自分だし。
だからどうせ来ないだろうと、割り切って考えていた方が
どんな結果になっても楽だと思うのかもしれません。

最初は「不安だなあ」という可愛らしかった気持ちも、
積もり積もると怒りに変わり、次第に相手のことを信用できなくなります。
そんな女性の恐ろしさや、繊細な気持ちが表れていますね。

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