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【対談記事】OTOBANK須河沙央理/Astar代表宮田沙依①

インタビューに続いて対談記事をスタートします。
初回は株式会社オトバンクで正社員として働きながら、ランナーとしても活躍されている須河沙央理さんです。

様々な挫折や選択を経て陸上と今も向き合っている須河さんとAstar代表の宮田、お2人がデュアルキャリアアスリートとしてどんな道を歩んできたのか、日頃どんなことを考えながら過ごしているのかを伺います。(全2回の配信です)

▼自己紹介と練習スケジュール

ー最初に簡単な自己紹介と練習のスケジュールを教えていただければと思います。(以下敬称略)

須河:オトバンクの須河と申します。今年入籍して名字が変わったのですが、今も須河のままで競技をしています。

宮田:え!おめでとうございます! 

須河:ありがとうございます。わたしは中学から陸上の大会に出場するようになり、高校で部活に入りました。そこから大学、実業団と陸上の長距離に取り組んできたのですが、実業団1年目でけがをしてしまったんです。入って半年で退部をしてそのまま一般社員として働いていました。2年半前くらいにオトバンクに声をかけてもらい「もしかしたら会社で陸上部ができるかもしれない」という話を聞いたので入社しました。そこから1年後に陸上部が創部され現在に至るという感じです。

宮田:わたしは今年で創業100年になったナカチカ株式会社で新規事業部として働いています。競技はライフセービングをやっていて、強化指定選手に選出されています。ちょうど一カ月前に南アフリカであった国際大会では日本代表として派遣されていました。それと並行してオリンピック競技でもあるオープンウォータースイミングという競技をやっています。練習は早朝に水中トレーニング、終業後に陸上トレーニングを取り入れるというスケジュールになっています。


▼デュアルキャリアという言葉の普及について

ーありがとうございます。須河さんも宮田も講演などされていますが、最近「デュアルキャリア」という言葉を以前よりも聞くようになった、あるいは広まってきたなという感覚はありますか?

須河:講演などでは、「デュアルキャリアについてお話をお願いします」という依頼をいただいてお話させていただくこともあります。でも普段はそんなに聞かないですね。

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ー須河さんの周りのアスリートからもあまり聞くことはないですか?

須河:あまりないです。まだ一般的な働き方ではないのかもしれません。

ー周りのアスリートから相談されたりすることは?

須河:わたしが働きながら競技を続けているので、人づてに「現役の選手が将来を不安に思っているので競技と仕事の両立について話を聞きたい」という相談をされることはあります。

ー現役で将来を不安に感じてる選手が多い?

須河:多いと思います。

ー宮田さんはどうですか?

宮田:マスメディアがデュアルキャリアを取り上げることが増えたのかなという感じがします。それはきっと背景に東京オリンピックやW杯があって、大きいイベントが続いていく中で「アスリート」という人種にスポットライトが当たった。その人たちの生活とか、どういう習慣を持ってるんだろう?というところに始まり、そこからプロではなく2本の軸を持って歩んでいる人達がいるというところにさらにライトが当たったのがきっかけで、デュアルキャリアという言葉もそうですし、今まで仕事しながらやってた人もいるはずなんですけど、そういうポジションができてきてるのかなとはという感じがします。デュアルキャリアの中にもグラデーションがあるのかなとも思うので、どこがデュアルキャリアなのかというのはまだはっきりと定義づけられてはいないのかなとも思います。

ーセカンドキャリアは「引退」という節目があってセカンドキャリアですけど、デュアルキャリアは両方が一緒に進んでいく。そうするとその比重は人それぞれになるのでデュアルキャリアという言葉の幅も必然的に広くなりますよね。

須河:陸上の中でもとくに長距離は、市民ランナーの方も実業団の選手も力的にあまり遜色ないレベルになってきていて、市民ランナーの方が実業団の選手に勝つという変化も起きてきている。そうなると市民ランナーってどういう定義なんだろう、と。デュアルキャリアと同じように競技も仕事もやってる方たちなので、とくに陸上の長距離に関してはどのようにデュアルキャリアというカテゴリに分けられるのかというのがふわっとしてると思いますね。

▼デュアルキャリアの道に進んだきっかけ

ーたしかにそうですね...。須河さんと宮田さんがデュアルキャリアを選んだきっかけというのは?

須河:わたしは「選んだ」というよりも、たまたまそういう会社に入ったという方が正しいかもしれません。走り続けるのを諦められなかったので、陸上ができるのであればどんな環境でもいいという思いがありました。

宮田:わたしも選んだという感覚がなくて(笑)

ーそうなんですね!

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宮田:選んだつもりがないし声を大にしてデュアルキャリアやってますと言うつもりもないのですが、大学を卒業したら一般の企業で正社員として働くっていうのがまず私の中にあって、これまで自分を作ってくれたスポーツを抜きにして、自分の価値を高めるところに焦点を当てたかった。なので、スポーツ以外で会社や世の中の課題に貢献できる人間になる。その上でそのうえで競技で結果が出たらかっこよくない?っという考えがあったので、一社会人として学生という守られた立場から自立をして、社会人としてのキャリアを歩みながらスポーツもできるっていうかっこいい人になりたかった。それが結果的にデュアルキャリアだったみたいな感じですね。フィールドは違うけれどどちらも秀でてるってかっこいいなって。ただそれだけなんですけど(笑)

須河:わたしも近いところがあって。わたしが所属していた実業団では、練習や合宿で会社に行く時間が限られていました。社会人としての経験が不足している感覚があって、当時は少し不安でした。なので、けがをしたときにはもう戦力にならないと判断して実業団を辞める決意をしました。それから当時の会社で普通に働いてましたね。

ーなるほど。もしかしたら自身の将来についてシビアに考える選手が増えてきたのかもしれませんね。

須河:そうですね。

▼デュアルキャリアとなって競技において変わったこと

ー逆にデュアルキャリアでの生活だと競技の練習時間に制限がかかりますが、そういう環境になったことによって練習中のインプットの質などには変化はありましたか?

宮田:しいて言うなら...競技力を上げるというところに焦点を当てた時に、今まではスポーツ界の中からヒントを得ていました。結果を出してるアスリートの言葉を参考にしたり、手段を参考にしていたのですが、仕事のフィールドから、スポーツの世界では出会えない人と考え方から学ぶことが増えました。それによって練習の取り組み方や考え方も幅や視点が広がった気がします。競技力を上げるためにいろんなことを因数分解していく能力がちょっと変わったかなと思います。あとは情報をキャッチする能力、これも一緒についてきたような気がしてます。

ー視野や思考の幅が広がったんですね。

宮田:自分はこれまで情報をとってなかったんだなということに改めて気づきました。

須河:わたしは仕事をすることで相談できる相手も増えて、関わる人が増えました。陸上的な視点以外にもいろんな考えを学ばせてもらえて、自分自身の今後の選択肢も増えたかなと思います。わたしは陸上競技に強いこだわりを持って生きてきたので、もっといろんな世界があるということをいろんな人が教えてくれて「あ、別に陸上だけじゃなくてこういう生き方もあるんだ」と教えてもらいました。競技でダメな時でも職場に行けば仕事をするという頭に切り替えられて、いろんな人と話すことで気分転換にもなります。それがまた安心に繋がって競技に打ち込める理由にもなったり、将来に対する不安も、解消しきってはいませんが、以前よりも軽くなりました。

ー陸上がなくても生きていけるなというところですね。

須河:そうですね…でもやっぱり走るのが速ければ尚良しですね!

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全2回に分けて配信させて頂く今回の対談。
次回は須河さんがなぜ発信するようになったのか、須河さんと宮田それぞれが現状に対して課題に感じていることなどを記していきます。


▼須河さんのnoteとTwitterはこちら

須河 沙央理:1992年10月7日生まれ。富山県出身の陸上選手。オトバンクでは営業本部で正社員として働きながら陸上競技を続けている。ベストタイムは5000mの16分27秒。好きなオーディオブックは『死ぬこと以外かすり傷』

▼株式会社オトバンク

株式会社オトバンク:「聞き入る文化」の創造・究極のバリアフリーの達成・出版文化の振興を企業理念に、耳で聞く本「audiobook.jp」、誰かに話したくなる本「新刊JP」を提供している。日経トレンディや産経新聞などにも取り上げられ各種メディアから注目されている。

▼audiobook.jp


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アスリートのデュアルキャリア支援と様々な競技の裾野を広げることを目標に活動する事業「Astar」の公式noteです!アスリートやデュアルキャリアについてのコンテンツを発信していきます🔥 HP:https://astar-athlete.com/
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