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【対談記事】OTOBANK須河沙央理/Astar代表宮田沙依②

前回に続き、今回はさらに踏み込んだインタビューに。

途中からは当日ご一緒にお越しいただいたオトバンク広報の佐伯さんも登場してます💁


仕事と競技は補完し合う?

ー仕事があることによって競技面でよかったことは?

宮田:競技だけやっていると、行き詰った時に思考が停止してしまう可能性が高いかなと思います。ですが仕事のおかげでそうならずにいれています。逆に仕事で煮詰まったときに走ったり運動するとすっきりすることも良くあります。

ー仕事と競技が補完し合うということですね。

宮田:逆に須河さんはほとんど会社に行かないときと今の環境と両方体験されてると思うんですが、気持ち的には昔と今は違いますか?

須河:違いますね。

宮田:競技に対する不安とか重さ、プレッシャーはどうですか?

須河:実業団時代は競技での成績が求められるので、ちょっとでも怪我をしたらもう先がないってプレッシャーがやっぱり大きくて。でも今だったら怪我をしても責められることはもちろんなく会社としても怪我したんだーくらいで(笑)

オトバンク広報佐伯さん(以下敬称略):いや、もちろん心配はしてますよ!(笑)

須河:ちゃんと仕事してくれればいいよーみたいな(笑)

佐伯:そんなことないです。

一同:(笑)

宮田:でも今の話ややりとりから、須河さんが会社から求めらているのは従来の「広告としての存在」というより、会社の戦力社員として認められてるんだなと感じました。

ー競技だけの状態と、仕事と競技を両立するという状態では、何か精神的な違いはありますか?

須河:やはり競技だけだと社会との接点が少ないと思いますね。わたし自身がそうでした。練習や合宿がほとんどで、普段話すのはチームメイトや監督、チームスタッフといった人たちです。

そうなると限られた情報の中でしか生きていけないので、「こういうことが当たり前」「こうしなきゃいけない」っていう縛られた環境が必然的に作られてしまい精神的にも肉体的にも追い込まれていくと思います。

ーどんな環境でも外部と話せる環境があった方が良さそうですね。


アスリートの”発信”と”外の世界とのつながり”

ー須河さんは外部との対話という点でも積極的に外に向けて発信されてると思うのですが、どんなことをイメージされてるのでしょうか?

須河:自分が経験してきたことってなかなか普通ではないことだと思っていて。けがや挫折の経験が多かったのですが、周りの人たちは輝いてる人の話と同じように挫折経験のある人の話も聞きたいんじゃないかと思いました。なので共感してもらえたらいいなと思い、今は自分の経験を赤裸々に書いています。

ーそれを見てデュアルキャリアについて相談したいという方もいるのではないでしょうか?

須河:相談というよりも「まだ走ってたんだ!」「よくあそこからまた今の状態になったね」って言われることもありますね。

ーそれによって競技を継続されてたことを知る方もいるんですね。

宮田:私もちょっと似てるというか...。学生時代は入賞していたのに、社会人になってから練習の時間がうまくコントロールできなくて、予選敗退が続くという時期を4年くらい経験しました。ここ3年くらいでまた上位争いをできるようになってきたので、「なにやったの?」とか「どうしてまたやる気になったの?」などはよく聞かれます。案外人の背景や、経験して感じた気持ちの話って聞きたいのかなと、須河さんの話を聞いていて思いました。それに、自分の挫折や弱い部分、劣っている部分をさらけ出せる人は少ないと思うので、須河さんみたいに発信できる選手はカッコイイって思います。

ーアスリートの時間の過ごし方について意識するとよいことはありますか?

宮田:アスリートに限らず何かを極めるときに、他のことを犠牲にすることがあると思います。その選択は必要不可欠だと思う一方で、”その他”に多くのヒントがあるなと、デュアルキャリアをしていて感じてます。アスリートで言うと、スポーツ以外の世界、特にビジネスの世界に触れる機会が少ないですし、知らない情報が多い。偏った世界にいるよりも、5分でも違う世界の人の話を聞いてみたり、見たことないものを見た方がもっと視野や考え方、選択肢が広がって、なにかあっても、行き詰まる時間が短くなるんじゃないかなっていうのは感じます。

ー他の世界に触れるきっかけがお2人は仕事だったのかもしれないですね。まだ学生だったりすると、就活の時くらいしか外にアドバイスを求めるときがないかと思います。日本代表などであればたくさんの人が近づいてくれるけれど、そうじゃない場合はクローズな世界になってしまいがち。もっと外に向けてオープンになったらいいですね。

須河:私の世界が広がったのは、会社内外でいろんな人たちと触れ合う機会があるのも大きくて。たとえば、佐伯が社外イベント等に誘ってくれて外の人と交流できる機会も増えました。そういったことのおかげで今に繋がっています...(照笑)

一同:(笑)

佐伯:ありがとうございます...(笑)実は同い年なんですよね。

ーそうなんですね!

佐伯:年は同じでも、私はもろ文化系。須河とはこれまでのバックグランドもかなり違います。だけど陸上メンバーが入社したことで、陸上に興味が湧いてきましたし、社内でも走る人や大会に応援に行く人も増えました。会社に化学反応を起こしているなって思います。

あとは外部で会社を紹介すると、「ランナーがいる会社だよね」と応援してくださっている方にもたくさん出会います。そういった意味でも陸上メンバーが新しい接点を作っているなと感じますね。

ー須河さんを連れていろんなところに一緒に行こうと思ったのはどうしてだったんですか?

佐伯:須河がnoteを書き出したときに、本人が持つ言葉の力に感動しました。選手としてというよりも、須河の書いていることに人間として共感できる部分があるなと。自分とスポーツ選手は遠い所にいるのかなとどこかで感じていたんですが、全く違うバックグラウンドの私でも共感できる部分が言語化されているなと感じました。

そういう背景もあって、須河の書く、表現するという活動と重なりそうだなという機会には声をかけようと思ったんです。

ー佐伯さんみたいな方が近くにいるというのはとても大きいですね


デュアルキャリアには、時間が重要

ーアスリートがデュアルキャリアに取り組みやすいようにと考えた時に、もっとこうなったらいいんじゃないかと思われてることがもしあればお聞きしたいなと思うのですが

須河:一日の時間をどう使うかは、すごく大事だと思っています。オトバンクではリモートワークも可能なので、自宅で作業する社員もいます。ただ、私は今営業事務で働いており、オフィスで働いたほうが効率よく作業が回るので出社しています。そうすると移動にかかる時間や体への疲労があるので、できれば練習の時間と仕事の時間をもっと確保したいなと思うことはあります。いずれ移動の時間を減らして、仕事にも練習にも集中できる状態を作りたいなと思っていますね。

ーやっぱり時間が大事ですね。

宮田:最近は時間を有意義に使ったり、自分でコントロールする会社って増えてはいるのかなって思いますね。

ー時間に柔軟な会社が増えると競技もしやすくなりますし、そういう会社に入りたいと思う人も多いんじゃないかと思います。そこがまだまだ課題なのかもしれませんね。


外に出たり、発信していくための言語化

ー最後の質問になります。今後アスリートが自身で市場価値を上げていかないといけない世の中になっていくと思うのですが、デュアルキャリアや競技一本かで悩んでいる人たちにアドバイスや自分はこういうことをやっていてよかったということがあったらお聞きしたいのですが。

宮田:やっておけば良かったなと思うのは、積極的に外に出ることですかね。今でこそ少しづつ普段出会えないような人と会うことが楽しみになりましたけど、シャイでもありますし、当時は自分の居心地のいい集団のなかで、解決しようとしてました。外に一歩踏み出すか、踏み出さないかで世界が変わることって多いと思います。あとは、スポーツから得たスキルを、「言語化」することはやっておくといいかなと思います。

相談すること、これはやっていて良かったです。気持ちを外に出すだけで、整理できることもありますし。私は溜め込むタイプなので、今も意識してやるようにしてます。

須河:今宮田さんがおっしゃったことはすごく共感できます。特に感じたことや体験を自分の言葉として残していくのが大事かなと

私自身、過去に怪我をして手術を2回しています。今もボルトがばらばらと体の中に入っている状態です。そういった自分の経験もnoteに書き綴っていたことで自分のストーリーを他の方に知ってもらうことができました。ストーリーを言語化したり、これまでうちに秘めていた思いを素直に届けたりしたことで共感してくれた人との会話が広がったり、外と繋がるきっかけになりました。発信していくこと、自分自身を表現していくことって大事かなと思います。

宮田:その時に感じた感情は、その時に感じたまま残しておくのが大事かもしれませんね。

ーお時間が...。もっと深く聞きたい話がたくさん出てきたので、もしまた2回目もやれたらいいなと思います。今日はいろいろお話聞かせて頂きありがとうございました。

須河:ありがとうございました。

宮田:ありがとうございました。

-後記-

今回須河さんのお話を聞いて、明確な目的意識があり、届く人のことも考えて発信しているんだなと強く感じました。発信するアスリートが増えてくるであろうこれからの世の中に向けて、須河さんの考え方はとても参考になるような気がします。

発信の仕方には得手不得手があり、テキストが得意な人もいれば動画や写真が得意な人もいます。ですがそれは手段であり、最初に何を発信したいのか、目的を据え置くことが大事なのだと改めて感じました。

これからの須河さんの歩みからも目が離せません。

須河さんのnoteもぜひご覧ください!

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須河 沙央理:1992年10月7日生まれ。富山県出身の陸上選手。オトバンクでは営業本部で正社員として働きながら陸上競技を続けている。ベストタイムは5000mの16分27秒。好きなオーディオブックは『死ぬこと以外かすり傷』

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▼株式会社オトバンク

株式会社オトバンク:「聞き入る文化」の創造・究極のバリアフリーの達成・出版文化の振興を企業理念に、耳で聞く本「audiobook.jp」、誰かに話したくなる本「新刊JP」を提供している。日経トレンディや産経新聞などにも取り上げられ各種メディアから注目されている。

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