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「これまでの財布のあり方自体を考え直すことが重要でした」

Bellroy創設者 Andy Fallshaw デザイナー・インタビュー

「薄いだけ」の財布とはまったく違う、Bellroyのコンパクトな財布「Note Sleeve」

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現代における「財布のあり方」を見つめて、ゼロから再設計したこの「Note Sleeve」について、Bellroy創設者のAndy Fallshawさんにお話をうかがいました。


この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください

多くのブランドがそうだったように、Bellroyも同じように、私たち独自のアイデアが出発点でした。そのアイデアとは、財布というのはかさばる上に非効率的で、私たちの親の世代からずっとそれが変化してこなかった。これは変えるべきだと思ったのです。それでこのモノ作りを開始することにしたのです。

私たちの製品は外見がたいへんスリムで薄いわけですが、私たちのミッションは、たんに「薄い財布を作る」ということではありません。私たちが重要だと考えたのは、これまで財布のあり方自体を考え直すことでした。かつては紙幣と硬貨の収納が中心だった財布ですが、現在ではクレジットカードの取り出しと収納は重要な問題でしょう。ですから、紙幣や硬貨とカードの収納、どちらも交互に使いやすいように、妥協はせず、どこに快活方法があるのかを探る必要があると思いました。また、いつも使っているカードはすぐに取り出しができるように、逆に使用頻度が少ないカードは隠しておく、というような構造も重要だと感じました。そしてこのアイデアから作り出したのが私たちの最初の製品であった「Note Sleeve」でした。

さらに私たちのつくる製品は世界の主要通貨に対応できるものでなければならない、と考えました。このフォーマットの問題は財布の基本形状とデザインを考える上で実は重要な問題で、日本の円や英国のポンドのような背の高い紙幣をどうやったら受け入れられるか、といったことも意味をしています。

そうしたアイデアを練りながらデザインを初めて、使用頻度の低いカード類をまとめ、たくさん収納するための方法して、革新的な「プルタブ」のアイデアを考えつきました。しかしこの構造を実装するためには、スリムな財布の構造の問題と相対するものになってしまい、実にたいへんな作業だったのです。とにかく私たちは、紙や革素材、発泡スチロール、プラスチックなどの素材を使って、大量の試作を作り続けました。そして実際に生活の中で使ってみることを繰り返し、パーツや仕組みの組み合わせを試みて、最終製品を作り出したわけですが、そのトライアウトの成果によって、財布に必要な要素や素材、パーツの動きについての最善の方法を学んでいきました。

幸せなことにその最初の製品がベストセラーになった訳ですが、私たちはすでにリリースした製品も、もっともっと洗練させ、改善を続けていきたいと思っています。またコインを収納する方法や、素材のを最小限にする方法についても改良を続け、新製品のデザインに反映してきました。こうやって改良を加えていくことは、世界中の人たちにもっと私たちの財布を使ってもらいたい、愛用してもらいたいと考えているからです。

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最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください

私たちのやりたいことは、形と機能が完全に調和していることです。形態は機能に沿っているべきですし、機能と形は相互に影響を与え続けるものだと考えます。

例えば「Coin Fold」という硬貨の収納機能を備えた折りたたみ財布のために、小さなフタの構造を考え出しました。このフタは硬貨の収納のための機能のひとつでありながら、このフタが存在することで、ユーザーにはたんなる通常の二つ折り財布ではないということを伝えるサインとしての意味も備えています。またこのフタはあなたがどの硬貨が必要なのか、取り分けたり探し出したりするためのトレイとしても動作します。そしてまたフタを閉じることで硬貨が不意に外に飛び出してこないようにするための機能も備えている、というわけです。

このように私たちが設計しているのは、複数の動作がいくつかの要素と連動して動き、それらが機能のために貢献しているということです。実際にあなたが私たちの製品をお使いいただければ、それを感じていただけることと思います。


この製品で使われている素材について、エピソードはありますか?

天然素材として手触りがよく、使うほどに味わいが増してくることなど、私たちが財布を作るために「皮革」という素材を選んだことは、ごく自然で当たり前のことだと考えています。私たちは皮革という素材が大好きなのです。しかし皮革という素材はさまざまな種類と仕上げによってその質が左右されるものであり、私たちはそれを学ぶためにたくさんの時間を使ってきました。

私たちが使用している皮革は、世界の3つの指にの中に入るクラスのなめし工場で作られています。そのなめし工場は、製品管理、環境整備において優秀な成績を収めているなめし職人がいる場所なのです。

この工場は、私たちBellroyの要求に応えて、オリジナルの植物タンニンなめしを作ってくれました。このなめしは革の触感がよく、質感が高いもので、私たちの特別にオーダーで生産されているのです。また皮革の厚さ、縫製、仕上げについても製品として最適化されるように細心の注意を払い、最高のモノ作りに挑戦しています。


AssistOnのお客様にメッセージをお願いします

私はAssistOnが取り扱っている革新的で美しいデザインの製品が大好きです。そういった良いデザインの製品が、自分たちの生活をよりよいものへと導いてくれ、日々の笑顔をもたらしてくれる。そんな製品を彼らは熱意を持って顧客のみなさんに提案しているのだと思っています。そして私たちBellroyが目指していることは彼らの目標と同じのもだと考えています。

                   ※2016年9月 アシストオンWeb掲載

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「Sling PremiumEdition」

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「System Work Bag」

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「keycover」

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