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米大統領選前後のFOMCの金利政策は?

7/17(水)にAI・半導体銘柄の下落があり、米国株市場の雰囲気も変わってきていますね。

CME FedWatchによれば現在9月の利下げは95%以上の確率と見込まれています。
しかし、本当に9月FOMCで政策金利の引き下げが行われるのでしょうか?

トランプ候補は「FRBは大統領選前に利下げすべきではない」と述べています。

一見、無茶なことを言っているように見えますが、”FRBの政治的中立性”を考慮するとトランプ候補の発言内容は決して間違ってはいません。

以下のコラムにもあるように、パウエル議長も政治的中立性は常に意識しています。

9月に利下げを行い、それによって株価が上昇し、現職大統領に追い風になるようなことはよほど明確な根拠がなければできないということです。

以下の記事も大統領選年に利下げが行われること自体が比較的まれであることを指摘しています。

直近では2020年のトランプ政権下で、パウエル議長率いるFRBが新型コロナウイルス流行への対応で政策金利をゼロ付近まで引き下げた。(略)
その次の直近の事例では、08年に当時のバーナンキ議長率いるFRBが金融危機への対応で秋に繰り返し利下げを実施した。(略)
1992年には当時のグリーンスパン議長率いるFRBが失業悪化を受けて投票日前の数カ月間に複数回の利下げを実施した。

焦点:FRB、政治リスク回避か 利下げ「大統領選後」より引用

コロナウイルス流行が起こった2020年やリーマンショックが起こった2008年は特別な状況と言えるでしょう。

特に大統領選の直前の9月FOMCで利下げを行うことも過去にはほとんど行われていません。

下の表では1980年から2020年までの米国大統領選年における9月、11月のFOMCでの金利政策をまとめました。

1980年から2020年の大統領選年の9月、11月FOMCの金利政策

これを見ると、9月に利下げが行われた年はなく、インフレ抑制が必要であった1988年、2004年に利上げが行われており、その他の年では9月FOMCで金利は維持されました。

また大統領選直後の11月のFOMCにおいてもリーマンショック時の2008年のような年に利下げが実施されたのみで、政策金利は維持されることが多かったと言えます。

これらのことから明確に景気が減速するような事態(リセッション)が起こるような場合には利下げが実施される可能性はありますが、そうでなければFRBが9月に利下げに踏み切るのは容易ではないと考えられます。

リセッションが起こるシナリオではその前に株価の急落が起こると考えられます。
またリセッションが起こらず、9月利下げが実施されなかった場合にはほぼ100%近く9月利下げを織り込んでいる市場にショックを与える可能性があります。

このような状況や季節的に9-10月に調整が起こりやすいというアノマリーを考慮すると現時点で米国株を積極的に買うことはリスクリワードが低い(リスクの割に利益を上げにくい)トレードだと言えます。

現在私はキャッシュポジションを引き上げており、米ドルMMFで運用しています。

次のチャンスが来るまではオニール流の投資手法を学んで備えましょう。

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