体育講師には出来ない。担任の先生だからこそ可能なドッジボール。5歳児クラス。
「年間のテーマにドッジボール」
活発なクラスにしたい。そんな感じで5歳クラスの担任の先生から聞きました。その導入部分を子ども達に指導する事になりました。
ドッジボールの技術面も大事だけど、それより子ども達のドッジボールへの取り組み方・関わり方、どう成長していくか。どうドッジボールを利用するか。体育の講師も考えています。色々と配慮をしているつもりですが、そこはクラス担任には敵わない。子ども達との接している時間長いし、関係性も深い。
簡単に表現すると
クラスをドッジボールの1軍と2軍に分けた。
もちろん子ども達の意見を尊重して、「ドンドン&バシバシ行きたいと言うメンバー」のグループと、「ちょっと心配だからゆっくり優しくと言うメンバー」のグループ。
幼稚園での指導時は鉄棒や跳び箱などで「簡単、出来る」と思う人の列と「先生、手伝って」と思う人の列を分けて選択させたりしています。スイミングスクールやスキーで級やワッペンでグループ分けをしています。〇〇スクール、〇〇教室ならよくある事。
幼稚園・保育所ではあまり聞かない。
とりあえず、ドッジボールの導入部分の子ども達に指導をしました。まだドッジボールのルールにまではなっていない程度。この続きは○○な感じで行ってみてくださいって感じでお伝えしました。
可能な限り時間を確保してドッジボールを行っていたようです。
3学期だったか様子を教えてもらいました。
上手な子なりに怖がる子に配慮・遠慮していたのが不要になった。思いっきり発散。
苦手な子は速い怖いボールが来なくなり安心し余裕を持った。積極性が出る。
プレーに自信がついてきた2軍(苦手だった子たちのチーム)が1軍(得意な子達のチーム)と一緒にプレーをしたいと思うようになった。
そんな風に聞きました。
また次の年度になって、
小学校に進学して2年生とドッジボールをして1年生が勝利したと聞きました。
(小規模園なのでほぼ全員が同じ小学校に進学)
担任の運動の得意不得意は関係ない
また、別の保育所5歳児クラスでの話です。
元気な感じの先生ですが、運動は苦手。子どもの頃のドッジボールにあまり良い思い出がないと言っていました。
「先生が一緒にプレーせず、環境設定だけでも充分です。練習がてら子ども達と一緒にプレーするのもアリかもですね」と。
ドッジボールのルールになりきっていない現状のルールでしっかり遊び、少しずつルールを追加していく。最初は先生が先頭に立ち子ども達を誘いながら線を引いたりして、ドッジボールをプレーするまでのプロセスを行い、子ども達が覚えてきたら任せていました。
大人から見たら、子ども達が作ったコートは綺麗な真っすぐな線でなく、コートの大きさも明らかに違う。
子ども達だけでコートの線を引いてチーム分けをして遊び始める。途中から参加する子はあっちのチーム、次の子はこっちのチームと順番に。
子ども達だけで準備をしてドッジボールを行える。
いつでも誰でも参加できる。
セルフジャッジ。自分たちで当たった・当たっていないをスムーズに判断している。
そうなるとドンドン上達していました。技術うんぬんより上手に友達と遊んでいる。
保育所の5歳児なので無理ですが、放課後に子ども達だけで公園に集まってドッジボールして遊んでいそう。そんな感じ。
2つの例を出してみました。
環境の設定や雰囲気作り、声掛け、不安への配慮などがメインだと思います。
毎日子ども達と一緒に過ごして様子を見ている担任の先生だからこその方法で、体育講師には不可能な方法で取り組んでいたと思います。
知っている、出来るでなく染み込んでいる感じ。
先生自身の運動が経験や得意不得意は全く関係ありません。
プレーの見本をする必要もありません。
環境を作ってあげるだけ。雰囲気を作ってあげるだけ。
控えてもらいたい事
以前のにドッジボールの内容を書きました。
ドッジボールが嫌いな子を作らないようにとの思いで作った記事です。
外野メンバー固定で、当てられたら滑り台滑って内野に復活でもいい。
捕ったらすぐ投げなくてもいい。逃げる時間を確保してくださ。
誰が投げてもワンバウンドするようなコートサイズにしてみてください。
ノーバウンドで捕るのが全てでない。バウンドボールを捕る練習もしてみてください。
投げやすく周囲が離れてあげる。
最後の1人まで、全滅するまでプレーする必要はありません。時間制にしてリセットしてあげましょう。
上手な子が意地悪のならないように、苦手な子がプレーに関われるように。
技術向上にとらわれず、外部の体育講師より子ども達に身近な担任の先生じゃないですか。
そんな配慮をお願いします。
苦手意識を持っている先生、大丈夫です。クラス担任だからこそ出来るんです‼︎
おまけ
私立幼稚園で体育・運動あそびとは無関係の一教職員として勤めていた時のお話。
ある5歳クラスがドッジボールを園庭で行っていました。笛を持って審判をしていた担任にアドバイスが欲しいと声をかけられ一緒に見ていました。
苦手そうな子は狙われると固まってしまい当てられる。担任の笛がなり「アウト」。
思わず担任の先生に声を掛けました。
「〇〇先生、今の」
「当たってアウトですよね?」
「アウトだけど・・・」
「えっ?」
「ボールが当たる前にアウトの笛鳴らしてる(笑)」
もう2人で大笑いしました。
テンポよくメリハリのある笛を吹いて進行しているんです。でも、ちょっと早い。
誰が見ても100%ボールを当てられアウトになると思うんです。でも、まだ当たってない時に「ピッ」って。
これ、いつも見てるクラス担任だからのタイミングなんでしょうね。
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