フリースクールってどんなところ?
ほんとに大丈夫?間違いのないフリースクールの選び方。心理士が教える自分に合ったフリースクールの選び方。
はいさい!2018年にフリースクールを開校して以来90%の子ども達がなんだかの形で学校に復学していています。(学校に戻る事は子ども自身が選択したことです)
その理由は科学的根拠に基づき脳科学と心理学をベースにサポートを始めた事からです。
本当に大丈夫?間違いのないフリースクールの選び方。
不登校の4段階の心の状態
不登校になった原因やお子さんの心の負担によって違ってきますが、不登校のお子さんの心の状態は【4つの時期】に分けられると言われています。 お子さんが今どの時期で、それがどんな状態なのか、少しでもわかれば、お子さんへの接し方のヒントになるかもしれません。
フリースクールに通える時期は、休息期からが良い時期となります。どうしても不登校となってしまったと焦り、まだお子様の心が休まっていない時期に無理にフリースクールに入れようとすると、返って状況は悪くなります。 お子様の状況をしっかりと確認しながら検討しましょう。
フリースクールの選び方
フリースクールをGoogleなどで検索すると、様々なフリースクールが出てきます。 最近では通信制高校や塾などがフリースクールをスタートさせています。 通信制高校サポート校などのフリースクールは、運営する高校生がメインとなっています。それでは何故中学部などが急激に増えたのでしょうか?
今や不登校は34万人を超えました。それと合わせて2024年度の通信制高校の生徒数は29万118人で、前年度に続き過去最高を更新しています。私立校は28年連続の生徒増となっています。平成11年は通信制高校は全国で104校しかなく、その約67%が公立でした。その後、私立が増えていき、平成24年には私立の通信制高校が140校となり、通信制高校全体の約65%を占めるまでに増加しました。
この事からわかる様に、生徒の確保競争が激化しており、そこに不登校の数も増え続けていることから、自校の生徒を確保するためには早い段階から不登校の生徒を集めることで事業者の安定運営を目指しています。それがサポート校併設のフリースクールが一気に増えた要因でもあります。
では、フリースクールを選択するには、事業者の思惑に惑わされることなく、お子様の状況にあった場所を選択する必要があります。
前述した単位制広域通信制の高校などは、通常の学校スタイルに似た教室などで学習を行いますので、そのスタイルにトラウマや抵抗がない子ども達には選択の幅があり、各学校の雰囲気やスタイルを体験、見学することもおすすめです。
一方、小規模で運営しているフリースクールもあります。自宅の一角やアパートなどで子ども達が数人集まり、運営者が1人かアルバイト数人で居場所として提供しているフリースクールも多々あります。自宅を開放して元学校の先生などが運営をしている場所も多いですね。
また、中堅クラスでは高校まで卒業出来る単位制の資格を有しながら、独自のカリキュラムを組み学習支援と居場所をバランスよく配置してサポートするスタッフも専門職の人が多い事が特徴です。
参考資料
さいたま市から公開されているフリースクールガイドラインです。https://www.city.saitama.lg.jp/003/002/010/p087219_d/fil/gaidoraintsuchi.pdf
東京都から公開されている2024年フリースクール一覧です。https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/content/files/truancy_and_dropout/facility.pdf
どこを選択していいのかわからない時には上記ガイドラインを参考にしてください。一定の基準が整備されていることは大切なお子様の未来もあるので、しっかりとフリースクールの見学や体験をして、何よりもお子様がその場所に通いたいと思えるかが、一番大切なことだと思います。
フリースクールのメリット、デメリットは?
では、学校ではないフリースクールに通うことでのメリットは何でしょうか?
メリット
個性や興味に合わせた学習ができる フリースクールでは、子どもたち一人ひとりの興味や関心に合わせたカリキュラムが組まれます。これにより、自分が本当に学びたいことに集中でき、学習意欲が高まります。
ストレスの少ない環境 伝統的な学校とは異なり、フリースクールは自由で柔軟な環境を提供します。厳しいルールや競争から解放され、リラックスして学ぶことができます。
自己肯定感の向上 自分のペースで学習し、成功体験を積み重ねることで、自己肯定感や自信が育まれます。これは将来の挑戦にも前向きに取り組む力となります。
多様な人間関係の構築 様々な背景を持つ子どもたちと出会い、交流することで、コミュニケーション能力や社会性が養われます。また、共感し合える仲間とのつながりが生まれます。
不登校や発達障害への対応 フリースクールは、不登校や発達障害を持つ子どもたちにも対応したサポートを提供しています。専門的な支援を受けながら、自分に合った学び方を見つけることができます。
柔軟なスケジュール 学習時間や内容を自分で調整できるため、体調や気分に合わせて無理なく学べます。
創造性の伸長 自由な発想を大切にする教育方針により、子どもたちの創造性や独自性が伸ばされます。
フリースクールは、子どもたちの個性やニーズに合わせた柔軟な教育環境を提供し、彼らの可能性を最大限に引き出す場として注目されています。
デメリット
学習内容のばらつき フリースクールでは、カリキュラムが学校ごとに異なるため、必ずしも公教育の標準的な学習内容を網羅していない場合があります。その結果、進学や資格取得に必要な学力が不足する可能性があります。
進路選択の制限 公的な学校とは異なる教育システムのため、高校や大学への進学時に不利になる場合があります。特に受験を考えている場合、フリースクールだけでは対応が難しいことがあります。
社会性の育成機会の減少 少人数制や個別学習が中心となるため、大人数の集団生活を通じて育まれる社会性や協調性を身につける機会が限られることがあります。
費用の負担 多くのフリースクールは私立であり、学費や教材費などの費用が公立学校よりも高額になることがあります。家庭の経済的負担が増える可能性があります。
公的支援の不足 フリースクールは公的な支援や補助が少ない場合があり、教育環境や設備が十分でないことがあります。
資格や証明の問題 一部のフリースクールでは、正式な卒業証書や出席証明が得られない場合があり、進学や就職の際に影響を受ける可能性があります。
世間の理解不足 フリースクールに対する社会的な認知や理解が十分でない場合があり、周囲からの偏見や誤解を受けることがあります。
専門的な指導者の不足 特定の科目や専門分野において、十分な知識や経験を持つ教師がいない場合、深い学びが得られないことがあります。
自主性の負担 自由度が高い分、自主的に学習計画を立てて行動する必要があり、自己管理が苦手な子どもたちにとっては負担になることがあります。
友人関係の構築が難しい場合がある 通っている生徒数が少ない場合、同年代の友人を作る機会が限られることがあります。
これらのデメリットを理解した上で、フリースクールへの入学を検討することが重要です。子どもたちの個性やニーズに合わせて、最適な教育環境を選ぶ際の参考にしてください。
フリースクールにできること
個別の学習サポート
個性を尊重した教育:子どもたちの興味・関心に合わせたカリキュラムを提供します。
学習ペースの調整:無学年方式や個別指導により、子どもたちの理解度や速度に合わせた学習が可能です。
専門スタッフによる支援:発達障害や不登校の子どもたちに対する専門的なサポートを行います。
ストレスの少ない環境
リラックスした雰囲気:厳しい校則や競争が少なく、安心して過ごせる環境です。
少人数制:教師と生徒の距離が近く、きめ細やかな指導が受けられます。
多様な学びの機会
興味を引き出す活動:アート、音楽、スポーツ、自然体験など、多彩なプログラムがあります。
創造性の育成:自由な発想を重視し、子どもたちの創造力や表現力を伸ばします。
新しい人間関係の構築
共感できる仲間との出会い:同じような悩みや背景を持つ子どもたちと交流できます。
コミュニケーション能力の向上:協力活動やプロジェクトを通じて、社会性を育みます。
心理的サポート
カウンセリングの提供:心理カウンセラーが常駐し、心のケアを行います。
保護者との連携:家庭と協力して、子どもたちの成長をサポートします。
フリースクールにできないこと
公的な卒業資格の取得
学校教育法上の認可:多くのフリースクールは正式な学校として認可されていないため、公的な卒業証書を発行できません。
学歴の公式認定:義務教育の課程を修了したとみなされない場合があります。
一般的な進学サポート
受験対策の不足:高校や大学受験に必要な標準カリキュラムや受験指導が十分でないことがあります。
進路相談の限界:進学に関する情報やノウハウが限られている場合があります。
特定科目の専門教育
高度な専門教育の提供:理数系や語学など、専門的な指導が難しい場合があります。
設備・教材の制限:実験施設や特殊な教材が揃っていないことがあります。
大規模な集団活動
学校行事の欠如:運動会、文化祭、修学旅行など、大規模な行事が行われないことが多いです。
集団生活の経験不足:大人数での協調性や規律を学ぶ機会が限られます。
公的支援の制限
教育費の補助:公立学校に比べて、政府からの補助金や支援が少ないため、費用負担が大きくなることがあります。
特別支援教育の不足:公的な特別支援教育の制度が利用できない場合があります。
まとめ
フリースクールは、子どもたちの個性やニーズに合わせた柔軟な教育環境を提供する一方で、公的な学校が持つ機能や資格を提供することは難しい場合があります。フリースクールへの入学を検討する際には、以下の点を考慮することが重要です。
将来の進路を見据える:子どもたちの将来の目標に合わせて、必要な教育や資格を確認しましょう。
公的機関との連携:教育委員会や学校との連携により、出席扱いや単位認定を受けられる場合もあります。
費用面の確認:学費や教材費など、経済的な負担について事前に確認しましょう。
子どもたちの意志を尊重する:最も大切なのは、子どもたち自身が安心して学べる環境を選ぶことです。
フリースクールの特性を理解し、子どもたちにとって最適な学びの場を選択することが、彼らの成長と未来につながります。