もうこれ以上は入らない

 先だって、ほぼ日のTOBICHIというショップで「かも書店」なる選書書店をやった。僕の本と友人知人関係者の本に加えて、自分の好きな本、誰かに読んでもらいたいと思うをありったけ並べてみるという、もはや完全に趣味の書店である。
 これ、最初は20冊ほど選んでくださいと言われていたのだけれども、選んだ本が絶版になっていたり出版社に在庫がなかったりするとせっかく売ろうにも売れないから、ちょっぴり多めに用意しておいてダメなものを外す方式にしようと考えて選書したら、結果として250冊以上になるという、完全にキャパオーバーの選書になってしまって、たぶん出版社からの取り寄せやら返送やらでTOBICHIのみなさんにはご迷惑をおかけしたのだろうなと思っている。思っているけれども反省はしていない。だって選びきれなかったんだからしかたがない。
 選んだ本の中には、書かれている内容ではなく装幀で選んだものもそれなりにあって、もちろん書かれているテキストこそが本の実質なのだろうけれども、僕にとって本とはやっぱり物理的な存在でもあるんだよなあとあらためて実感した次第である。装幀って、テキスト以上に本の実質を表していることもあるんじゃないかな。ジャケ買いだってするんだし。
 出版社から取り寄せたものはもちろん商品なので、選書した250冊ほどを、見本用として僕の仕事場から「かも書店」にぜんぶ持ち込んだのだけれども、いざ書店を終えて仕事場に持ち帰るとこれがなぜかもとの書棚に入りきらないから不思議で、なんだか子どものころにミシンやらラジオやらを分解して組み立て直すと必ず部品がいくつか余ったのに似ている。
 しかたがないので新しく書棚を買った。スライド書棚というやつで、とにかくもうたっぷりと本が入るのが売りなのだが、持ち帰ったまま積み上がっていた本を、組み立てたばかりの書棚に並べてみると、きれいに全てが収まったところで完全に埋まってしまった。もうこれ以上は一冊の本も入らない。はたしてどうしてそうなるのか。「かも書店」をやる前は、いったいどうなっていたのか。なんとも謎なのだ。

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こんどの土日は週末!
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たいていのことは苦手です。

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