なんでそんなに坐禅する__坐禅したらどうなるの__欲望はどうなってるの__欲に溺れたらダメ___1_

「仏アレさんについて」-2020お彼岸のお便り-

 曹流寺のお檀家さん向けに書いたお彼岸のお便りです。仏教のアレ編集部(遊心と道宣)さんの紹介、彼らに対する私の思いなどが書いてあります。どうか、ご一読下さい。
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『ラブストーリーは突然に』― 副住職 堀部 遊民

 2018年9月、私がブログに書いた「私と仏教」という記事を、彼らがインターネットのツイッターでリツイート(共有・ 拡散)してくれたのが出会いのはじまりです。
 
 彼らは一般家庭で育ち、自分の人生について、哲学や宗教を勉強して考える中で仏教に魅力を感じ、立教大学と上智大学を卒業後、ドイツ人の禅僧ネルケ無方師の元で出家をしました。安泰寺と永平寺の修行を経て、これまで6年間で8000時間以上、坐禅をしてきた29歳の僧侶2人組です。
 
 彼らは自分たちでホームページを作り「仏教書のレビュー」、「坐禅とは何か」、「修行とは何か」、「21世紀の禅・仏教について」など、様々な記事を書いています。私はその内容の殆どすべてに共感して心を撃ち抜かれました。
 
 彼らは、修行道場を卒業したあとに帰るお寺がないので、現在は都内近郊にアパートを借りて、アルバイトと托鉢をしながら生計を立てています。これからどのように仏道修行を続けていくか模索中というわけです。
 
 日本のお寺は、観光客が来る有名なお寺以外の殆どが、お檀家さんの先祖供養をしながら維持運営されています。なので、一般家庭から出家した僧侶が、修行道場を卒業したあと、先祖供養をするお寺に就職せずに生きていくのは、かなり厳しい現実があります。簡単にいうと進路の選択肢が殆どありません。
 
 彼らが3年間修行をした兵庫県の山奥の安泰寺というお寺は、昭和の最後の禅僧と呼ばれた澤木興道老師が住職を勤めたことで有名なお寺です。そこには現在でも一般家庭から仏教に魅入られ修行にくる人間が沢山います。しかし、その多くは、先にあげたような理由から志半ばで僧侶として仏道修行をして生きる人生を諦め、普通の仕事をしながら自分の趣味の範囲で仏教と関わっていくそうです。
 
 私は今日はここで何が言いたいかというと、今の日本に生涯仏道修行がのびのびとできる場所が殆どないがために、純粋に仏教に感動して覚悟を決めて出家までした人間が僧侶をやめてしまうのは、すごく勿体無い。日本仏教界として、それはひどい宝の持ち腐れなんじゃないかと思うのです。そこで私は何を思ったのかというと、インターネットで彼らに出会ったのも何かの縁。いや仏縁。ですから彼らに曹流寺で好きなだけ坐禅をして、好きなだけ自分達の思う仏道修行を探究してもらえないかと。今年の1月7日に彼らと直接会う機会があり、話を聞く中で、そんなことを思いました。これはまだ私が急に思いついただけの話で、彼ら自身は、乗り気ではないというか、戸惑っている状態です。
 
 そんな私が恋する若き2人の僧侶がお彼岸に曹流寺にやってきます。彼らの紹介をかねて3月20日の彼岸会の前9時50分からは、このお便りの話を中心に致します。
 
 曹流寺の建物の修繕の話と同時進行で、曹流寺が興隆する方法を模索していきます。どうか、皆さま応援よろしくお願いします。合掌
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 お昼からこんなイベントをやります。
 興味もってくれた方は、ぜひ遊びにいらしてください!

なんでそんなに坐禅する? 坐禅したらどうなるの? 欲望はどうなってるの? 欲に溺れたらダメ? (1)


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