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インストで大事にしていること。それは、聞き手と目線を合わせること。

はいどーも!
遊ぼーどのくぼっち と申します。

今日は、ボドゲのインストで大事にしていること
について書き綴っていこうと思います。


なぜインストについて書くのか

みなさん、インストをするのってお好きですか?

僕は、好きです(ちょっと緊張するけど)

なんとなく、インストについて書いてみたいという気持ちはあったのですが、ボドゲのインストって、これまでTwitter上で色んな論争が飛び交っていたので、取り上げるのもどうかと思い足踏みしていました。

でも、これまでのYouTube活動やゲムマへの2度の出展を通じ、僕の中のインストに対する考え方が固まってきたので「文章にして残したい」と思い立ち、今回記事を書かせて頂きました。

(皆さん、いいねありがとうございます…!)


という感じで、ざっくり

・インストの目的
・なにを大事にしているか
・どうやって実践しているか
・ゲムマでゲームを買ってもらうためのインスト

以上の流れで紹介します。
ではさっそく「インストの目的」から。


インストの目的は「ルールを理解してもらうこと」だけではない

皆さんは、インストをする目的ってなんだと思いますか?

僕がインストをする時は、
いつも次の2点を目的にしています。

① ルールをざっくり理解してもらうこと
② ゲームに対する期待感を持ってもらうこと

「①」は言うまでもなく、インストをする上での最低限のゴールです。
"Instruction"という言葉の通り、ルールについて説明し、聞き手に理解してもらわなければなりません。

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(このゲームは1本先取やで)

ただし、ここでルールの全てを理解してもらう必要はなく、ゲームの流れと勝利(終了)条件さえ理解してもらえればいいと思います。

ゲームの開始前に全てを覚えきるのは無理です。
ある程度理解したらとりあえず、手を動かしながらやっていけばよいです。


「①」でルールについてはある程度理解してもらえたとします。
しかし、ルールが分かっただけで、そのゲームを面白そうと思ってくれるでしょうか。
早く遊びたいと思ってくれるでしょうか。

ルールを聞く人が皆、ゲームのメカニクスを熟知していて、何が面白いかを想像できるような"つよつよボードゲーマー"ではありません。

・このゲームの面白いところはなにか?
・このゲームで盛り上がるところはどこか?

それを語れとは言いませんが、
これから遊んでくれる人に「期待感」を持たせてあげることは大事です。

この「期待感」を持ってゲームに挑めるかどうかで、
ルールに対する理解も、
ゲームを楽しむ気持ちも大胆に変わっていきます。


僕はこの、2つの目標を意識してインストをしています。

では、具体的にどういった方法でやっているのかご紹介します。

相手と同じ目線に立つ

前述した目的を達成するために、
必ず避けて通りたいことがあります。

それは、聞き手を置き去りにしてしまうことです。

聞き手は、基本的にそのゲームについて何も知らないです。
「◯◯カード」「△△エリア」
そんなもの知りません。

そんな聞き手に対し一方的にインストを進めると、すぐに頭上に「?」が浮かんでしまいますよね。そんな状態では、当然ゲームに集中できず、そもそもそのゲームをやりたいとも思えません。

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(スタピって何…?)

多少の疑問が生じることはあったとしても
それを一人一人皆が質問できるかどうかというのも保証できません。


そこで僕は、
徹底的に相手の目線に合わせてインストをするように心がけています。


と、かっこよさげなことを言ってますが、
単純に相手の様子に気を配りながらインストを進めるだけです。

具体的に何をやっているか
僕らの制作したゲーム
「ANOMIE(アノミー)」を例にとってご説明します。

土台となるインストの構築

まず僕は、インストの土台を頭の中で構築します。

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大体、こんなカンジです。

これをそのまま読めば、最低限ルールは理解できる。だけれども、自由にアレンジを効かせることができるような、ある程度自由度のある土台を考えておきます。

インストは基本的にこの土台に沿って進めていきますが、
ここから聞き手の
「人」「反応」によってアレンジを加えていきます。

インストを聞いてくれる人は千差万別

インストを聞いてくれる「人」は様々です。

年齢・性別・ボードゲーム歴・好み…
それぞれが異なる全員にとって、
100%のインストなんて事前に用意できません。

ですので、私はインストをはじめる前に
相手の外見やインストを聞く姿勢、ちょっとした発言などのあらゆる側面から、なんとなくその人の属性を想像します。

「Aさんは、ボードゲーム歴が長くはなさそうで
単純明快で分かりやすい説明を求めていそうだな」

「Bさんは、ボードゲームに詳しくて
どんなゲーム要素が特徴か知りたいかもしれないな」

こんな具合で、
別に外れていてもいいので、なんとなく想像します。
そして、事前に考えておいた土台と
組み合わせてアレンジします。

「Aさんには「オセロ」や「◯✕ゲーム」を
例にして説明した方が伝わりやすそうだな」

「Bさんには 様々なゲーム要素が絡み合った
戦略性の高さを伝えた方が期待感を高めてくれそうだな」

こうやって、土台のインストに例え表現を追加したり、説明の順番を前後させたりすることで、聞き手と同じ目線に立ってインストを進めることができます。


聞き手の相槌は、分かった/分からないの合図

続いて、聞き手の「反応」についてです。

ANOMIEではよく、
次の赤線部のルールに対する反応が二手に分かれます。

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ある人は
「なるほど!片方の色でないと揃えられないってことね!」と言って、ANOMIEの持つ読み合い要素に即座に気付きます。

そんな人には、そのまま他の要素の説明に移って、どんどんゲームに対する期待感を高めて貰います。

一方、ある人は
「なるほど‥(?)」といった反応を示して、言われるがままに手札のタイルを捨てる動作を進めます。

この場合は、手札のタイルを捨てることで生じる、勝ち札の制限についてしっかり説明をします。そこで面白さに気付いてもらい、続きの説明に導いていきます。

このように、聞き手の「反応」に気を配りながら土台のインストを最適化していき、聞き手との目線を合わせます。

目線を合わせることで、一体感が生まれる

ごめんなさい。
これは正直、僕の感覚論に近いです。

僕は、聞き手と目線を合わせることで、一体感が生まれる
と感じることがあります。

それは、話し手と聞き手の関係ではなく、まるでそのゲームを一緒に楽しんでいるかのような関係で、2人で買ったゲームを一緒に開封して遊ぶかのような感覚になります。

この一体感が生まれれば、
聞き手はルールに対する理解(①)と、ゲームに対する期待感(②)を持ってくれていると私は思います。

インストの目的、達成です。

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あとはデュエルするだけ


ゲムマ会場で買ってもらうためのインスト

少し、話が逸れますが
ゲムマ会場でブースにお越し頂いたお客様に買ってもらうためのインストについても触れたいと思います。

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ゲムマ2021春 インストの様子

インストを聞き終えて、ルールは理解してもらえたし、期待感も持ってくれている。
それでも、購入に踏み切れない方はいらっしゃいます。

当然です。

当日、初めて出会ったゲーム。決めてきた予算。レビューを見てから考えたいという気持ち。

わかります。僕もそうです。

でも、その迷いで購入をやめてほしくないです。

ANOMIEは買って後悔しないゲームなので、インストの最後に相手の背中を押すということもやります。

どんな人と、どんなシーンで遊べるか、どれだけ楽しめるか
お客様の背景を想像しながらお伝えします。

もっと言えば、当日販売分がもうなくなりそうであることを伝えます。(売り文句ではなく、本当の話)

これは、買い逃して欲しくないというエゴでもありますが…(笑)

知らなかったゲームを見つけたその場で買うという行為はとてもリスクがあって、怖いと思います。
それでも僕は、
自分たちの作ったゲームを遊んで欲しいです。
買って後悔はさせないです。
なので、背中を押します。

背中は押したので、あとはお客様に委ねます。

そして、踏み切ってくれたお客様には
「たくさん遊んでください!」
の言葉とお礼を必ず添えて、商品をお渡しします。


インストって、難しい。でも、楽しい。

相手の目線に立って、ルールを理解してもらい、期待感を持ってもらう。

ここまで立派に説明してきましたが、
そう簡単ではないと思います。
ぶっちゃけ、回数を重ねるしかないです。

僕は人に何かを説明することは好きですが、
最初は思うようにいきませんでした。それでも、YouTube活動やゲムマ出展などを通じて、ようやく記事の一本を書けるくらいになったかなという感じです。

ほんとうに難しい。

また、インストに絶対的な正解なんてないと思います。

でも、色んな人のインストを聞いて、色んなゲームのインストをすることで見えてくるものがあるから、楽しい。

この記事が、あなたの
「インストは難しい」というイメージを
「インストは楽しい」に変える一助になれば幸いです。


遊ぼーど!くぼっち

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