国語の点数アップのコツは短歌作りの中にある

ここ数日の話ですが、ふと思い付きで短歌をいくつか投稿しています。

短歌作りは元々遊び程度にやっていただけで、全くの独学であり素人のお遊びレベルでしかないのは承知の上ですが、

「短歌を作るのは楽しいのだから仕方がない、どうせ作ったのだから世に出そう!」

という開き直りで下手な歌をSNSに流してます。

実はここ数日、短歌を作っていて、

「あ、これって国語の問題を解くときの手順と同じだな」

と気付いたので、短歌を作る手順から、国語のテストで得点を上げるコツを説いてみたいと思います。

まずは短歌の作り方です。

皆さんは「短歌と言えば五七五七七に当てはめて何か書いたら良い」と思っていませんか?
だから短歌を詠もうとなったら、指を折って字数を数えながら、

「え~と・・・、『いぬがいる・・・・・・、ワンワンほえる・・・・・・、うるさいな・・・・・』、あっ、五七五までできた!!」

という感じで、五七五七七の枠に収まるように思い付く言葉を並べていくだけになりがちです。

しかし、これでは面白い歌を作るのは難しいですし、短歌を作る楽しさも感じにくいでしょう。
なぜなら、

【文字数を合わせて言葉を並べているだけで、内容について何も考えていないから】

です。

ド素人が偉そうなことを抜かして申し訳ないですが、私なりに「短歌とは何か?」を定義するなら、

【短歌とは、自分の経験や見聞きした物事などに感じた様々な気持ちを五七五七七の枠の中で描くもの】

です。

つまり、まずは【何か感じた気持ち】が先にあり、それを五七五七七で表現するために【余分な情報を削ぎ落とし、最も伝えたい部分を浮かび上がらせる】作業が後に来るのです。

この【気持ちを伝えるために情報を削る】作業の中で、自分自身でも気付いてなかった自身の視点に気付くことがあり、それが短歌作りの面白さでもあると思います。

例えば、【犬がワンワン吠えている】場面で短歌を作るなら、まずは【その場面から何を感じたのか?】ということを自問自答していくのです。

「犬の吠える声の大きさや勢いに力強さを感じたのか?はたまた、静かな場の雰囲気を壊す鳴き声に苛立ちを感じたのか?もしくは、犬の体型と声のアンバランスさに驚いたのか?」

などという風に、【自分が感じた気持ちを考える】ことから短歌作りが始まります。
その上で、「声の力強さに生命力を感じたから感動したんだ」と気付けば、「犬の吠える声の力強さ、生命の素晴らしさを表現する歌を詠もう」と方向付けができます。

あとは自分の気持ちを的確に表現できる言葉を探して並べたり削ったりしながら、五七五七七の枠に収めていきます。

このように、短歌を作るとは、【まず短歌に詠みたい事柄、気持ちはなんだ?】ということを見つけるところから始まるのです。
逆に、何も伝えたい気持ちが無いのに五七五七七の枠に合わせて言葉を並べてもまるで意味がないということです。

国語のテストでの答え方も、この短歌の作り方と同じ手順を踏むことが大切なのですが、点数が伸びない、国語は苦手という子どもに限って、「とにかく五七五七七の枠に収めるだけ」のような答え方をしている場合が目立ちます。
その事について解説していきましょう。

次の例題を見てください。

この問題を解くとき、国語の苦手な子どもほど、「『◯◯◯から』に続く十二文字以内の言葉が本文のどこかにないか?」と考え、十二文字以内の言葉を一生懸命探します。

そして、お母さんのセリフ「おつりはお駄賃にしていいから。」という部分に気付き、「あっ、うまいこと『◯◯◯から』になってる!これだ!」と判断して、「『おつりはお駄賃にしていい』から」と答えてバツをもらいます。

これは短歌作りでいきなり五七五七七の枠に合う言葉を並べたのと同じことなのです。
つまり、【型に合わせているだけで内容をまるで考えていない】のです。

国語の問題を解くときの手順は【まず本文の内容と問われている事の内容を把握する】ところから始めなくてはなりません。

この問題なら「太郎くんはお母さんに頼まれてスーパーに買い物にいった。スーパーの前のタコ焼き屋さんのタコ焼きがおいしそうで買いたくなった」という本文の内容を押さえるのです。

その上で、問題文の「『なぜ』太郎くんはそう思ったのか」、即ち、「『なぜ』太郎くんはタコ焼きを買いたくなったのか」を考えていくのです。

「『なぜ』タコ焼きを買いたくなったのか」、それは「タコ焼きがおいしそうだったから」です。
このように、まずは問われている事への回答を考えます。
それから、問題文を指示に沿って、「『◯◯◯から』に続くような十二文字以内の言葉を本文から探す」のです。

「タコ焼きがおいしそうだったから」と同じ内容を書いた部分は本文にないかと探すと、太郎くんのセリフ「おいしそうなタコ焼きだな。」を見つけられます。
そこで『◯◯◯から』の型に合わせて抜き出すと、「『おいしそうなタコ焼きだ』から」と答えることができるわけです。

「太郎くんは『なぜ』タコ焼きを買いたくなったのか?」
それは「おいしそうなタコ焼きだから」です。
「おいしそうなタコ焼きだから、タコ焼きを買いたくなった」のです。
決して、「おつりはお駄賃にしていいから、タコ焼きを買いたくなった」のではありませんよね。

このように、国語のテスト問題というのは、【まず問われている事への回答を考える。次にそれを問題文の指示に沿って解答の形にしていく】のが大切なのです。

国語が苦手、国語の点数が伸びないという子どもほど、まずは問題文の指示など気にせずに、自分なりの言葉で良いので、【どんな内容を答えるのか】をじっくりゆっくりと考えさせてみてください。
それさえできれば、【指示に合わせて答える】のはさほど難しくないはずです。

短歌もテストも、【まずは真摯に考えて、答えの方向付けをする】のが大切なのです。

この思考の手順、きっとあらゆる事に応用が効くはずですよ。

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