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日本一小さな村の挑戦~アプリでコミュニティを活性化して共助が生まれた話~

富山県舟橋村は、北陸3県にたった一つ残る村です。
面積は東京ディズニーランド7個分。縦・横それぞれが約2kmしかない、
日本一小さな自治体です。

そのコンパクトな村に、親子で移住し「共助のまちづくり」に取り組むAsMama社員がいます。2017年8月からJICA(国際協力機構)に出向し、西アフリカブルキナファソの JICAオフィスに赴任した経歴の持ち主です。

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戦後から1990年までの舟橋村の人口は、わずか1,300~1,400人。ところが、現在の人口は3,200人超、人口2倍の奇跡の村として書籍化もされています。
転入者の多くが若い家族であったことから、村民の平均年齢はおよそ38歳。非常に若く、子育て世帯の占める割合が多いことが特徴です。

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人口増はとても喜ばしいことですが、急激な住人の流入は、新旧の住人コミュニティの断片化や希薄化という大きな課題を生み出しました。

そこで、AsMamaのICTプラットフォームを導入し、ゆるやかな頼り合いコミュニティの形成によって「舟橋村でならもう一人子どもが生みたい」と思えるような環境づくりへ、日本一小さな村の挑戦が始まったのです。

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ICTプラットフォームにある『舟橋村コミュニティ』では、村の魅力や情報を気軽に発信し、オンラインで交流ができます。
また、メンバー同士でおさがりやおすそわけ、貸し借りや譲り合いの「モノのシェア」、お出掛けのお誘い「コト(予定)のシェア」、送迎・託児「子育てのシェア」が可能です。
困ったことを遠慮なく発信すれば「いいよー」と誰かが気づいて声をかけてくれる、そんな頼り合いが実現できるしくみなのです。

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では、すぐに共助が生まれるか。いいえ、なかなか生まれないのですー

なぜなら、安心安全を第一に『知らない人とはつながれない』仕様にこだわっているからです。今の世の中で『家族以外に頼れる人が周りにいない』と答える人は、7割を超えます。頼れる知り合いのいない方は、誰ともつながれずに、助けることも助けてもらうこともできないのです。

そこで登場するのが冒頭の彼女。地域のつながりづくりの担い手「シェア・コンシェルジュ」です。

住人同士の交流の場を企画・開催し、地域の人と人との縁をつなぎ、オンラインでも交流を促し、モノ・コト・コソダテのシェア=頼り合いを活性化させる役割を担います。すると、共助のまちづくりに賛同し、コミュニティを育んでくれる地域の方も一緒に活動してくれるように!

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舟橋村コミュニティ』では、移動販売車の予定がお知らせされたり、落とし物の情報が写真つきで投稿されたり、ボール遊びのお誘いが届いたり。
コロナ禍においては、オンラインで交流できる「キラキラダンスレッスン」のWeb開催もありました。

2019年3月、ゼロからスタートした『舟橋村コミュニティ』の参加メンバーは、2020年7月現在235名。こども園や子育て支援施設ごとのサブコミュニティも活性しつつあります。
当時、舟橋村を含む富山県にいたシェア・コンシェルジュはたった1名。
それから1年を経て、地域のつながりづくりの担い手は富山県内20名以上に増えています。
頼り合いの発信も少しづつ増え、共助による解決数は約50件となりました。

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こうして、たとえ転入してきたご家族であっても、地域のつながりが増え、交流が深まり、生活のシェアで頼り合えるようになるのです。
一方で、地域の担い手となる側も、地域貢献・子育て支援により収入を得たり、好きや得意や経験をいかしてイキイキと輝ける機会と場を得たりしています。

実際に『子育てシェア』を利用した舟橋村の方の声をご紹介しましょう。

平日ひとりで2人育児をしているので、通院など自分の予定は後回し。
思いきって近くのお友だちに託児のシェアをお願いし、とても助かりました。万が一の時の保険もつき、お互い気心の知れた関係なので安心。
子どもたちも、とても楽しかったようです。
感染症に気をつけている中で多人数の場所での一時託児は気を遣いますよね。信頼できる方へお願いするのはひとつの選択肢かもしれません。

そして、面白いのが、お子さまを預かったシェア・コンシェルジュの声。

こう言ってもらって、涙が出るぐらい嬉しかったです。
すごいありがたいなぁと、支援者だった私が支援されています。

共助が生まれ、お互いが嬉しい。これってとてもHAPPYなんじゃないか。

当社のICTプラットフォームには、ユーザーインターフェース(UI)の改善など、まだまだ課題がたくさんあります。

でも、一番の大きな障壁は「人を頼ってはいけない」「頼っているとご近所に知られてはいけない」という世の中の慣習ではないでしょうか。

リアルとオンラインの両方でゆるやかに地域の人と人とをつなぐ、現代版のご近所付き合いと子育ての共助。地方創生の効果は明らかです。

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こうした取り組みも一因に、舟橋村の人口は増え続けています。2015年度に策定した人口ビジョンでは、2035年に3,200人を超えることを目標としていましたが、すでに人口は3,200人を突破し、目標を15年早く達成。子育て世帯の流入も進み、既存の保育施設2カ所であわせて定員139人のところ、145人を受け入れている状況です。

子どもの増加に伴って待機児童が出ないよう、舟橋村は、新たな保育施設を2021年4月に開設する意向を示しています。(2020年7月2日「北日本新聞」より)

【プチ情報】
子どもを大切にする村の想いと大自然が生み出す食材でつくった、体にやさしくおいしいおむすび専門店「MUSUBU」もオススメですよ。冷凍おむすびのお取り寄せもできますので、おうちで舟橋村を体感してみてくださいね。

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