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いちばん手の届く民主主義

こんにちは、AsMamaの金澤です。
コミュニティというものを、政治学、経済学、歴史学の視点から
少しだけ、アカデミックに考えるコラム。

 今回は、「民主主義」がテーマです。

公民の授業をおぼえていますか?


今日は、みなさんが取り組んでいる地域コミュニティづくりが政治学の観点からどんな意味があるかを一緒に考えられればと思っています。

突然ですが、「地方自治は民主主義の学校」という言葉を
公民の時間に習ったことをおぼえていませんか?
私も中学生のときに初めて習ったときは意味がわかりませんでした。
大学で政治学を学んだのですが、それでもイマイチピンとこない。
私は大人になって色々な地域の皆さんとお仕事をするようになって、
初めてこの言葉の意味がわかりました。
机上の勉強だけではわからないこともたくさんありますね。


なぜ独裁国家があるの?


日本は民主主義国家です。その民主主義ってなんでしょうか。
端的に言うと、世の中の決まりをつくるための仕組みの一つです。
民主主義とは、特別な王様や貴族ではなく、
その国に住む一般の人達が最終的な権力を持つ社会の仕組みです。
古代のギリシアでは、皆が参加して議論をする場があり、
それが民主主義と呼ばれてきました。
ただし、そこには女性や奴隷は参加できなかったのですが。


民主主義が広まったのは、17~18世紀頃のヨーロッパの革命のあたりからです。それまで王や貴族だけが持っていた税金を決める権利や法律を作る権利を、議会を通して代表を送り王や貴族ではない人たちも意思決定に参加できるようになりました。王様や貴族ができていたことを、みんなができるようにしようということにしたんですね。ただし、ここにも注釈があって、財産を持たないもの、女性、植民地の人たちは入っていませんでした。
そこから長い時間をかけて、成人であれば誰もが選挙権を持つ社会に変わってきました。

民主主義は、突然生まれたものではなくて、王様や貴族が持っている権利が少しずつ範囲を広げていったものなんですね。最初はお金を持っている一般国民、そこから女性やお金を持っていない人たちにも広がっていきました。
だから、国によってはまだ民主主義が届いていない国もあります。
なぜ独裁国家があるのかという問いに答えるならば、歴史上独裁国家の方が一般的で、人類は徐々にそれを変えてきたが、まだ届いていないところがあるからというのが答えではないでしょうか。

しかし、ここまで話したのは「選挙」を通じての「間接民主制」の話なんですね。直接自分が政治に関わるのではなく、選挙で代表を選んでその代表に政治に参加してもらう間接的な方法のことです。
民主主義には、もう一つ、直接民主主義というものがあります。

直接民主主義って何?


直接民主主義というのは、代表を選んで間接的に政治をするのではなく、
自分が直接関わるものです。
日本では、国民投票や議員や首長のリコールなどをする「制度」がありますが、使われることはほとんどありません。最後の砦みたいなものです。

でも、地域づくりって役所や政治家を通さないとできないのでしょうか?
確かに行政を通じて地域をよくする活動も行われています。
でも、地域のことをよくしようとしているのは、行政や政治家だけではなく、皆さんのような人たちも同じです。制度ではない民主主義もあります。

外交や国防などの大きな話は個人の力でどうにかすることはとても難しいです。でも、近所でお腹をすかせた子どもがいる、一人で子育てをしていて孤立しているママがいる、誰とも交流しないで寂しそうにしている高齢者の方がいる。そんな地域の困りごとを解決することには誰でも手を貸すことができます。

市役所などの行政は、税金を使って「サービス」という形で困っている人たちを助けることや、みんなの社会を住みやすくすることをします。
この「サービス」は別に行政だけが作れるものではないです。
行政サービスで子どもの預かりをする保育園やこども園もありますが、個人で預かるAsMamaの子育てシェアのような取り組みも立派な「公共サービス」です。

提供している内容は違いますが、どちらも地域やそこに暮らしている人たちに役立つ存在ですね。

学校とはすべての人が通い、そこで学びながらできることを増やしていく場所です。
私の解釈ですが、「地方自治は民主主義の学校」という言葉は、こういう目の前の他人の困りごとの解決や、身の回りの人を大切に思う気持ちを持ち、自分にとってできることで地域に参加することから、民主主義が始まるという意味ではないかと思います。
民主主義は、自分たちのことは市民が最終的な権力を持っている社会です。私達が自分たちの周りの課題に取り組むこと、そこから自分と地域のことを自分たちで決めるという社会が生まれるのではないかと思います。

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