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年間ベストアルバム 2020



いええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええいというわけで年間ベストアルバムの記事がやってきてしまったぜみんな。

当たり前だったことが当たり前じゃなくなってしまった2020年。

そんな中でも素晴らしいアルバムが今年もいっぱい出てきましたね。

数ある素晴らしいアルバムたちの中から個人的に良かったと思ったやつを、ベスト50ということでランキング形式で発表していこうと思います。ちなみに今回の年間ベストどういった感じで選んだのって思う方もいると思うんで、今回の選考をするにあたって指標にした3つの評価基準を紹介します。

1つ目、良い

2つ目、凄い

3つ目、かっこいい

以上です。では早速ランキングをはっぴょうするぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


50位 Phoebe Bridgers 「Punisher」

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2020年の年間ベストの常連みたいな感じでなじみの深いアルバムが50位です。えぇお前これ50位かよって思われるかもしれないけど、初めに言っておきたいのが210枚近い素晴らしい候補たちの中から選んだうえでの50位だよってことだけは言いたい。内容としてはフォークベースで時々インディーロックみたいな感じで、まぁみんな言ってる通り曲がほんといいよね。それでいながらちょっと棘みたいなチクリとした闇があって、そういうところも含めてエリオットスミスっぽい侘しい佇まいと言いますか、いつの時代も支持されるワンアンドオンリーな風格が感じられた作品だった。


49位 King Gnu 「CEREMONY」

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今年のメジャーシーンにおいて米津玄師の「Stray Sheep」、あいみょんの「おいしいパスタがあると聞いて」などなど、いわゆるサブスク世代のアーティストが傑作をリリースしていたが、その中でもこのアルバムの曲の質の高さは抜きんでていると思ったし、なんなら彼らの次のアルバムは相当苦労しそうな気がしてしまった。


48位 Samia 「The Baby」

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ニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライターのデビュー作。程よく歪んだギターによるグランジロック的なアプローチから、インディーフォークみたいな素朴な楽曲まで多彩な顔を見せつつも、しっかりと中心にあるのはあの芯の強い声なんですよね。


47位 Jacob Collier 「Djesse Vol. 3」

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まず一言、なんだこれ笑。長いこと神童の名をほしいままにしているが、今作は彼が思い描く宇宙が限りなく再現されてるんじゃないかな?R&Bからの影響が窺える歌心ある楽曲を、デジタルサウンド、エレクトロ、ヒップホップなどの現代的な要素で装飾させる遊び心が凄い一枚。


46位 BLACKSTARKIDS 「Whatever, Man」

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上半期ベストの方にはこのアルバムの前にリリースされた「SURF」の方を選んだんだけど、今回は10月にリリースされたこちらのアルバムの方を選んだ。Dirty Hit出身ってだけあるのか、ヒップホップ×ドリームポップ、オルタナっていうカジュアルなクロスオーバーがいかにも現代っ子って感じがするし、こういうロックファンが聴きやすいヒップホップが出てくるのってなんかいいっすよね。


45位 17歳とベルリンの壁 「Abstract」

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日本の多くのドリームポップファンが首を長くしながら待ったと思われる待望の2年ぶりのEP。サウンドは以前と比べるとクリアな感じになった気がするけど、その分彼らが思い描いている淡い情景みたいなものがよりダイレクトに伝わるようになった印象はあります。とりあえず来年あたりフルアルバム作ってほしいっていう切実な願い。


44位 LoneMoon 「kit@Nai」

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ひっでぇタイトル笑。このLoneMoonに関しては、Twitterで評判が良かったから聴いてみたって感じで、このアーティストに関しては何も知らないし、どうしたらこんな悪いベクトルに向かったヴェイパーウェイブみたいなタイトルになったかもわからない。ただ言えるのは、この押し寄せるようなエレクトロサウンドの圧と凄まじいラップは一聴の価値あり。


43位 Jehne Aiko 「Chilombo」

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ハワイで制作され、島の自然の風景から大きな影響を受けたらしいヒーリングソウルの傑作。Nas、Ty Dolla Sign、John Legendなどヒップホップ、R&Bの人脈がフル活用された豪華なゲストもさることながら、まるで川のせせらぎのようなスムージィな時の流れを感じることができ、まさにゆったりとした休日に野菜ジュースでも飲みながら聴きたくなるような一枚だ。


42位 Tame Impala 「The Slow Rush」

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上半期ベストアルバムでは8位にランクインしていたこのアルバムが、今回の年間ベストではまさかの42位と大幅ランクダウン。とはいえTame Impalaにしか作れないこのサウンドスケープは圧巻だし、そこに乗っかるダンサブルなビートによって、合法ドラッグと称されるだけの強烈に体を横に揺らしたくなる不思議な力を感じられますよね。来年のフジロックでモクモクとしたVJと豪雨に身を委ねて踊りたいものです。


41位 Brasstracks 「Basket Case」

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このアルバム聴くまで全然存じ上げなかったんですけど、Chance The Rapperの「No Problem」のプロデュースやってた人たちなんですね(すげえ)。フューチャーブラスって呼ばれるスタイルらしいけど、EW&Fとか70年代のディスコ直系のファンクなんかが好きな自分としては、もうピンポイントに好みを突かれたって感じでして、温もりのあるソウルミュージックってほんと最高ですよね。


40位 Taylor Swift 「folklore」

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10年代きってのポップアクトとして長年第一線の君臨していたテイラーのフォーク路線への帰結は今年の特筆すべきトピックですよね。姉妹作の「evermore」の泥臭い感じもよかったけど、個人的にはどこか幻想的でおとぎ話を紡いでるような「folklore」の方が自分の好みでしたね。あとテイラーってとにかく客演の人選がタイミング含めてピンポイント(例、「Bad Blood」のケンドリックラマー、「ME!」のブレンドンユーリーとか)なんだけど、今回もBon IverとThe Nationalのアーロンデスナーとか、そうそうわかってるじゃーんってぐらいピンポイントな人選で痺れたよね。


39位 Starchild & The New Romantic 「Forever」

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Toro Y Moiが参加しているシングル「Tape」でこの人を知ったんだけど、今年出たR&B系の作品の中でも強烈な80'sスピリットが感じられた一枚がこの作品でしたね。キーボード、ドラムのリバーブのかかり具合なんかも絶妙で、一歩間違えればバッド80'sって揶揄されそうなんだけど、そこら辺のバランス感覚もちょうどよくて、ほんと上質なアルバムです。


38位 突然少年 「心の中の怪獣たちよ」

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清々しいくらい実直で無鉄砲、普段はクラスの隅に座って冴えないのにキレたら一番やべぇ奴、それが突然少年というバンドです。銀杏BOYZから続くどこまでも正直で熱いロックンロールを奏でながらも、時折見せる狂気的な凶暴性が癖になってしまう。こういう泥臭いロックンロール、ホント好きです。


37位 Hoops 「halo」

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サブスクで配信されたかと思ったら、瞬足でサブスクから消えてしまったアルバム。メンバーのケヴィンのソロも絶好調だったけど、バンドの方も超良質なギターポップで最高。きらきらとしたジャングリーなギターサウンドでコーティングされた高クオリティな楽曲群に、ドリームポップ好きとしてはもうたまらない模様。


36位 Freddie Gibbs・The Alchemist 「Alfredo」

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ヒップホップについては人に自慢できるほど知識も持ち合わせてないし、自分自身浅学なので偉そうに言えた口では無いのだが、とにかくこのアルバムはトラックが抜群におしゃれで聴きやすい。リリックやフロウに重きを置くタイプの作品だとどうしても文化的背景などある程度理解してないと楽しめないところがあるかもしれないが、こういったトラックだけでも十分に楽しめるタイプの作品はヒップホップ初心者にも優しくてなんかいいっすよね。


35位 (sic)boy・KM 「CHAOS TAPE」

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オルタナティブロック、エモ、ラウドロックをバックグラウンドにもった上で、そこにプラスアルファで何かに繋げるって点だと、昔ならそこにデジタルを掛け合わせたThe Mad Capsule Marketsっていう偉大な先人がいて、今はそこに(sic)boyっていうとんでもない才能の持ち主がこれからどんどん成長するんだろうなぁっていう謎の親目線みたいなものが発動してしまいますね。マンブルラップ好き以外にも、デジロック好きな人にもお勧めしたい一枚。


34位 Mom 「21st Century Cultboi Ride a Sk8board」

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楽曲制作環境をGarageBandからLogic Pro Xに変えたらしく、トラックの刺々しさがより強いものになったMomの新作。刺激性の強いサウンドコラージュの凄まじさもさることながら、それ以上に退廃的なリリックのインパクトが強烈で、特に「マスク」の不覚にも2020年を予見させるような終末感あふれる楽曲など全編通して秀逸な佇まいを醸し出す一枚。


33位 beabadobee 「Fake It Flowers」

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元々偉く注目度の高い若手アーティストだったけど、今年はPowfuが彼女の曲をサンプリングした「death bed」がTik Tok経由で大ヒットしたことで、待ってましたと言わんばかりに高い注目度の下リリースされた一枚。90年代のオルタナ、グランジを彷彿とさせる強靭なロックは懐かしさを感じさせると同時に、あぁやっぱロックって最高じゃんって思わせてくれる。やっぱロックが死ぬにはまだ早いっすよね。


32位 Yellow Days 「A Day in a Yellow Beat」

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Yellow Daysってジャズ、R&Bというよりは元々よれた感じのドリームポップの方が前面に出たバンドってイメージで、それが前作でネオソウルっぽい所をより前面に押し出し、今作をもってやっと彼が追い求めたヴィジョンが完成された感じはある。23曲っていう長大なボリュームながらも、良い具合にカジュアルで飽きない現時点での最高傑作。


31位 Lupin 「Lupin」

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インディーロック好きには馴染みが深いバンド、Hippo Campusのフロントマンによるソロデビュー作。正統派ギターロックで出てきたバンドが2ndアルバム「Banbi」でミニマルなエレクトロに舵を切って困惑した人は多いと思うが、このアルバムではそのエレクトロ的佇まいがばっちりハマってて、なおかつ曲の方もしっかり歌心があってとてもよかった。


30位 Bob Dylan 「Rough and Rowdy Ways」

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ノーベル賞受賞後としては初のオリジナルアルバムが絶賛をもって迎えられたのも今年の重大のトピックですよね。今年はフォーク、カントリー系の傑作が多く評価された印象があるが、どのアルバムも"淀みの無さ"みたいなものが共通してあって、自分はその"淀みの無さ"ってい要素が一番感じられたのがBob Dylanだったと感じた。


29位 シバノソウ 「あこがれ」

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高校生くらいからサブカルシーンで活動していたシンガーソングライターらしくて、どうやらこのアルバムが1stフルアルバムらしい。どうせ下北沢によくいる感じのサブカル系のアイドルシンガーソングライター(笑)なんだろ?って思うかもしれないが、バックにFor Tracy Hydeのメンバーとか折坂悠太のエンジニアとかが支えていて、シューゲイザー、ドリームポップの幻想性と邦ロックっぽい清涼感が上手く化学反応を起こしていて、かなり良質なオルタナティブロックアルバムになっている。びっくり。


28位 Choir Boy 「Gathering Swans」

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今年のドリームポップシーンを総括する上でこのアルバムは外せないっすよね。80'sライクなシンセポップを奏でながらも、楽曲は繊細かつノスタルジックで今にも壊れてしまいそうな耽美な世界観が展開されている。The Cureのようなゴシックさ、The Smithsのような切なさ、80年代のあそこら辺のインディーロックが好きな人には間違いなく刺さるだろうし、事実僕はこのアルバムの持つ切ない空気感がたまらなく好き。


27位 Childish Gambino 「3.15.20」

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僕の上半期ベストを読んだ人ならわかると思うが、このアルバム2位だったんですよ。なんでこんな順位下がったかっていうと、最初これ聴いた時はマジでやべぇの来たなって思ったんですけど、何回も聴いてく内に「あれ?最初ほどの感動が無い気が...」って思っちゃったんですよね笑。とはいえこのアルバムのメタリックな質感と良曲揃いなラインナップは凄いと思うし、なんならこれからこのアルバムを初めて聴く人がうらやましく見えます笑。初見だと間違いなくビビるからこのアルバム。


26位 Sen Morimoto 「Sen Morimoto」

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確か88risingから出てる人ですよね(そこらへん微妙にうろ覚えで...)、とりあえず世界を股にかける日本人です。Dirty HitのRina Sawayamaとかもそうだけど、世界レベルで戦える日本人アーティストが増えるとなんか嬉しいっすよね。ジャズをバックボーンとしたトラックメイキングが特徴で、おしゃれでなおかつローファイっぽい感じもあってとても聴きやすい一枚です。


25位 Jerry Paper 「Abracadabra」

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これぞインディーギターロックだよねって感じのひねくれ具合。こういうよれた感じのギターロックとほんと最高だし、このアルバムは穴となるような曲も無いくらい良曲揃い。それでいながらひねくれ具合が嫌味な感じになってないのが凄い。毎年結構ひねくれが悪いベクトルに向かってしまったバンドを見てるだけに、こんぐらいの程よいひねくれ加減がとても心地いい。


24位 Fleet Foxes 「Shore」

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Fleet Foxesという名の実質ロビンペックノルド一人で作り上げた4作目。岸辺と名うてられたタイトルは、未知の世界への冒険心に駆られると同時に、自分の下にある安定した地面の心地よさを楽しむとロビンが答えているように、このアルバムで奏でられる楽曲は未来への一筋の光へと向かおうとする意欲と、強靭な楽曲たちによる力強さを感じ取ることができる。これから何かを始めようとする人たちへの希望のファンファーレみたいなアルバムだ。


23位 kiwi 「Before you're gone」

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今年出た国産シューゲイザーの中で断トツでかっこいいと思ったのはこのアルバムになるかな。シューゲイザー、Captured Tracks周辺のドリームポップ、エモなどを通過して奏でられる、荒々しさと美しさの両面を兼ねそなえたギターロックは圧巻。


22位 Jonah Yano 「souvenir」

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静謐さっていう言葉が似あうアルバムを一枚選べって言われたら、今年なら間違いなくこの日本にルーツを持つこの男のデビューアルバムを選ぶと思う。人生二週目なんすか?ってぐらい落ち着いたR&Bに、どこかサイケな感じの浮遊感あるサウンドが心地いい。こういうクリアでは無い雰囲気とパーソナルな側面といった点でも、「Blonde」フォロワーみたいな言われ方されるのはなんかわからなくもない。


21位 Oneohtrix Point Never 「Magic Oneohtrix Point Never」

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インターネットという無限の砂漠にノスタルジアを求めかつてChuck Person名義でVaporwaveムーブメントを切り開いた、OPNの新作は音楽愛に溢れた素晴らしい作品でしたよねぇ。まばゆいくらいきらきらした音色と、ニューエイジからの影響が窺えるぐちゃっとしたサウンドスケープの洪水の中に身を委ねて、じっくりと聴きたい一枚。


20位 Perfume Genius 「Set My Heart On Fire Immediately」

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USインディーシーンの貴公子でお馴染みPerfume Geniusの新作は、パーソナルな歌詞に載せて、チェンバーロックを始めエレクトロ、オルタナなどのブレイクミルズ仕込みのアメリカ音楽の集大成みたいな曲を展開。ジャケットのこの精悍な顔つきからもうかがえる通り、繊細さと力強さを兼ね備えたアルバムだ。


19位 Surf Rock Is Dead 「Existential Playboy」

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サーフロックは死んだってバンド名のくせに、めちゃくちゃサーフロック、ドリームポップしているバンド。Beach Fossil直系の疾走感あるジャングリーなギターロックで、自分的にはめちゃくちゃ好物。とはいえ10年代前半からこういうドリームポップが残り続けながらも、次第にやせ細っている感じを見るとそのうち彼らみたいなバンドは見なくなる日も近いのかなと思ってしまう今日この頃。


18位 Kaede・Lamp 「秋の惑星、ハートはナイトブルー」

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Neggicoのメンバーのソロアルバムで、Lampっていうこれまた実力派なバンドとコラボレートしたアルバム。シティポップリバイバルでこういう80’sポップスを彷彿とさせる作品は近年多く出てきているけど、このアルバムは演奏自体はマットかつ控えめなので、そこがボーカルの味を最大限活かしてる感じとかが松任谷由美を想起させるような程よい素朴さがあって良き。


17位 Mac Miller 「Circles」

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とても優しいアルバム。曲のクオリティはもちろんなんだけど、そういうクオリティ云々を超越したベクトルに存在する作品。もう戻ってこない幽玄的な美しさみたいなのが要因なんだろうけど、未だにどう自分の言葉で噛み砕いていいかわからない。今年を象徴する作品なのは間違いない。


16位 Tomato Ketchup Boys 「The First Encounter Of This Odyssey」

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口を酸っぱく言っているが今日本の音楽シーンで最も面白いのは、アンダーグラウンドに潜む若手オルタナバンドってのずっと言ってるのは、彼らの存在が大きいですね。オルタナ、ガレージロック、エモみたいなところどストレートに奏でていて、粗削りながらも光るものが物凄い一枚。


15位 Fireboy DML 「Apollo」

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ナイジェリア出身のシンガーソングライターで、サウンドのバキバキ具合もさることながら、その独特の節回しがアフリカンっていう感じで聴いてて面白い傑作。こういうアフロポップと言いますか、そういう非欧米的観点を持ってくるところが普段あんまり聴いてなかった分凄く新鮮に感じたんですよね。


14位 Kevin Krauter 「Full Hand」

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HoopsのメンバーでもあるKevin Krauterのソロ2作目。シューゲイザー、ドリームポップ的な要素が増したことで、曇り空にかかる少し鈍った色をした虹のジャケットのごとく、どこまでも視界の広いサウンドスケープが展開されており、まさに夢見心地といったところ。今年のドリームポップを象徴する一枚なのは間違いないっすよね。


13位 Yumi Zouma 「Truth or Consequences」

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Fleetwood Macから連なる系譜の先にいるのがYumi Zoumaというバンドだと思ってて、ソングライティングの抜群の強さが織りなすグッドメロディと落ち着いた佇まい、そしてCocteau Twinsのような浮遊感あるサウンドがもう最高すぎる。フジロック で見たかったぁぁぁぁって思わせてくれるバンドの一つ。


12位 羊文学 「POWERS」

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羊文学がメジャーデビューするって聞いた時はほんとにびっくりしたよね。やっぱ同系統の先輩きのこ帝国がメジャー言ってから、本来の持ち味だったシューゲイザー色を落として迷走しかけた(とはいえ「クロノスタシス」とか最後のアルバムは普通に傑作なんだけどね笑)の見てたから、羊文学もそうなっちゃうんじゃないかなぁって不安がありましてね。でもそんな不安を吹っ飛ばすくらい本来の持ち味そのままに、良い方向に進化していてやっぱこのバンドすげぇって痛感させられた会心の出来。それでいながら「1999」っていうキラーチューンを敢えて入れるあたり、マジで強いアルバムを作りたいって野心も見えてとっても良きだね。


11位 GEZAN 「狂(KLUE)」

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今年の邦楽シーンを象徴する一枚にして問題作。ほんとにこのアルバムでこの一年が始まり、どのアルバムも対「狂(KLUE)」って観点でどのアルバムも語られた年になったんじゃないかな。平々凡々とした日常に警鐘を鳴らす強靭なレベルミュージックは、まるでその後のコロナ禍によるディストピア的な日常への啓示みたいな感じにはなった気がするが、このアルバムを筆頭にMoment Joonみたいな誰もが目を背けたくなるような事実に立ち向かう姿勢みたいなところを見せられた気がするし、パルコのCM起用などにもある通り、間違いなく今時代が一番求めているバンドだ。


10位 EDEN 「no future」

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ソングライティングの卓越さ、サウンドのキマり具合、そして通しで聴くことにあると思わせるくらい完成度の高い作品。「君の名は」のサンプリングなどでも話題になったけど、そういうサウンドの作りの妙みたいなところもBon Iver、Frank Oceanあたりの10年代で培われた良いポイントみたいなところを絶妙に抑えていて、ただただその美しさにため息が漏れるすんばらしいアルバム。


9位 BBHF 「BBHF1-南下する青年-」

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Galileo Galilei時代からずっと応援してきたバンドだけど、ここにきてGG時代の暗い幻影みたいなのを乗り越えたなって思わされた会心の一枚。元々GGにこびりついたイメージの払しょくみたいなところからスタートしたバンドだからとても感慨深いけど、その分今度はThe 1975みたいだなって言われるようになったのもなんか心外だし、そもそもそんな似てないんだよなぁ。インディーロックベースながら、Kings Of LeonやMumford & Sonsのような広大なスケールを見せてくれる素晴らしいアルバムです。


8位 Soft Blue Shimmer 「Heaven Inches Away」

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今年のナンバーワンシューゲイザーはこれで異論無いでしょう。去年出したEPの時点で相当なポテンシャルを見せていたけど、このアルバムでのつけ抜けるような爽やかなシューゲイズサウンドと、レべチなくらい美しいメロディは圧巻。ちょうどまた秋から冬っていう良い感じにシューゲイザーが合う(?)季節にリリースされたから、もうほんとシューゲイザー大好きわいはとても幸せですよ。


7位 藤井風 「HELP EVER HURT NEVER」

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今年の個人的最優秀新人賞は藤井風一択です。これも間違いない。岡山弁由来のブルージィーな歌唱と、どこか懐かしくも飾らない楽曲たちがを聴いて、まさにこんなスーパースターを待ってたんだっていう気持ちですよ。宇多田ヒカル「First Love」、小沢健二「Life」なんかと通じるシンプルイズベストな作風も強いが、「帰ろう」などで垣間見れる日本人の奥底に眠る原風景的なものを想起させるその歌心に今後も要注目だ。


6位 Yves Tumor 「Heaven To A Tortured Mind」

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最初の「Gospel For A New Century」の時点で名盤確定演出と言いますか、完全に漂ってる空気感が王者のそれなんすよね。70年代のグラムロック、ハードロックみたいなギラついた独特の色気が充満していて、それがまた癖になるし、張り詰めた冷たい緊張感みたいなのがいい具合に作用していてこれがまたカッコいい。上半期の時点で一番ロックスター然した感じだったけど、結局今年は彼以上にカリスマ性あふれるロックスターは出てこなかった感じがしたので、もう圧倒的の一言。


5位 Mr.Children 「SOUNDTRACKS」

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ロックバンドとしてのアイデンティティを取り戻すことが一種のテーマと化していた、ここ5年のミスチルがついに導き出した正解がこの一枚。変に気負っているわけでは無く、等身大に今のミスチルで出来る最大限みたいなものが発揮されていて、それはバンドアンサンブルの充実具合からもうかがえる。混迷の時代にいつも寄り添ってきたバンドが届ける日常のサウンドトラックともいえる一枚だ。


4位 SuiseiNoboAz 「3020」

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この年間ベストの選考は羊文学のアルバムを聴いてから行おうと思いながらやっていたんだけど、たまたま羊文学と同日にリリースされたから聴いたけど、ほんとタイミングが良かった。どこかSFチックなディストピア的な世界観で紡ぐ力強いロックに物凄い感動を覚えたし、表題曲はまさに今の時代を生き抜くための数少ない希望みたいに思えて、こんな時代になってしまったがゆえに生まれたと思うと感慨深くなるわけで、やっぱ音楽の持つ力って不思議だ。


3位 Sufjan Stevens 「The Ascension」

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未だにSufjan Stevensというアーティストの実態みたいなものがわかってないところがある。純粋なフォークを奏でたかと思えば、唐突にエレクトロニカを奏でたり、高速道路のための交響曲プロジェクトを立ち上げたりと、天才の名をほしいままにあらゆることに手を伸ばすからだ。そんな彼の最新作はどこまでも淡々としたエレクトロポップであり、いくつかの有名ヒット曲から拝借したタイトルなど、アメリカンカルチャーへの最大限の皮肉が見え隠れしており、そのどこまでも冷めた視線がたまらなくかっこいいのだ。


2位 サニーデイサービス 「いいね!」

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このアルバムはめちゃくちゃ聴いた。サニーデイサービスというバンドはいわゆるするめ盤って言われる、噛めば噛むほど味が出るようなアルバムを作るのが抜群にうまいバンドだ。今作はドラムが大工原幹雄になってからだと初めてのアルバムで、25年近いキャリアを誇るバンドとは思えないくらい爽やかなギターロックを展開しつつも、どこかベテランの余裕と渋みがさらっと見えている。いつもよりどんよりとした春だったけど、このアルバムが持つ爽快さに助けられる場面が何度もあった。そういった意味でも思い入れの深いアルバムである。


さてさてみなさんお待ちかねの一位の発表ですけど、一位は一体どのアルバムになるのでしょうか。。。
















































1位 The 1975 「Notes On A Conditional Form」

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もう圧倒的だよ。聴いた回数も、わくわく度も、曲のクオリティの高さも、全てが圧倒的だったよ。正直に言いますよ、もうこれ以外の一位は考えられなかった。新譜のリリースであんだけ魂を揺さぶられるような音楽体験は初めてだったからね。いまだに5月22日深夜のあの胸騒ぎを忘れられない。

ゴリゴリのグランジだった「People」、色鮮やかなガラージ「Frail State of Mind」、どこまでもエバーグリーンなギターロック「Me & You Together Song」、お得意の80'sナンバー「If You're Too Shy」と多種多様な先行曲の時点で未だ内容が見えてこなかったのに、「Then Because She Goes」、「Roadkill」、「Nothing Revealed / Everything Denied」、「Having No Head」とさらに多様性を極めるバラエティ豊かな楽曲群の並びは、まさに音楽という名の冒険。そしてこのアルバムのラストを飾るのが「Guys」という、素朴ながらもシンプルにバンドという名の友情を歌った何気ない曲で終わるのが泣かせてくれるんですよね。完成度だけなら前作に劣るかもしれないけど、愛される一枚はどっちだって言われたら僕はこっちを挙げるだろう。この時代にThe 1975がいて本当に良かった。

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というわけで今年の年間ベストはこんな感じなりましたね。来年も素晴らしい作品に出合えるといいですね。それでは今回はこの辺で。

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