原作を当てて 第2話

アルには名前がなかったのか
あるけど言わなかったのか
それはさておき、名前はアルになった。


孤児だったアルを育て始めてから
今までには起こらなかった出来事が
毎日に彩りを咲かせた。


「ぼくはお母さんのためなら、
どんな悪魔とも戦うよ!!」
頼もしいことを言ってくれる青年になった。


ある日、
ガンジスにまだ朝日のてっぺんだけが昇り始めた頃、
とんでもない物音で目が覚めた。


壁や床を強く叩く音、
殺気に満ちた怒鳴り声、
そして、血の気が引いたアルが、私の寝床に走り寄り、
「強盗がきた。しかもたくさん。」



嵐のようにやってきた強盗たちは
竜巻のように全てを荒らしてかっさらって行った。


同じ家にいた夫は、
抵抗し、反撃した為、
頭を強く打たれ、
腹を蹴られ、
強盗たちが立ち去ることには
気を失うほど血の海になっていた。


「こんな悪どいことをする強盗が許せない」
アルのするどい眼の奥に、
 復讐 の2文字が浮かび上がった。

その頃には、空はすっかりと明るくなり、
この荒れた家を照らした。


続く。

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