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観光地と因数分解

まだまだ私が真面目な学生だった頃・・塾の帰りに友達とだべっていたら酔っ払いのおじちゃんに絡まれたことがある。「世の中は因数分解じゃ解決しないんだ!!」でも、そんなやつ、飲み屋で今見つけたら、「でも、今の日本社会って、物事を一色淡に見すぎじゃないですか?物事っていうのは一つ一つの積み重ねで、それを分解することによって、もっとより精度の高い見え方がするかもしれませんよ」って返してしまいそうだ。

特に、私が所属している観光関連産業は常に経験値で判断をしていて、データで判断がされていないことが指摘されている。いわゆる昭和の観光協会的な決め方が多い。なんとなく重鎮がこういったから・・前回はこれで成功したから・・・

VUCAの時代だし、よりPDCAを高速に回していくことが大事といわれているし、Destination Internationalを見ていて思うことは、圧倒的にデータの利用を用いての説明が多いことである。合意形成を作るにあたり、議論を重ねることも大事なんだろうけど、数字ってやっぱり圧倒的に説得力がある。

でも、かといって、自分たちDMOには、手元に説明にたる十分なデータがあるかといえば、驚くほど、ない。説明できないので、それっぽいデータをまとめ、ちょっと論理の飛躍があったとしてもそれで通す。

なぜこんなになってしまったんだろう。

私たちDMOは、まだまだ因数分解できていないのだと思う。行政主導の単年度主義が長く続いていることもあり、昭和の観光協会体質から抜けられず、とある事業に対し、PDCAをちゃんと回そうという意識があまりないのではないか。よって、どうも事業を回すことばかりを考えていて、本来は何が目的なのかを忘れがちなのである。(行政に人員も握られて、人手不足でめちゃくちゃ苦しいし・・毎日)

例えば、域内の消費を増やしたいと行政は目標を立てる。「域内消費」を構成するものは何だろう。例:お土産、二次交通、飲食、体験、観光があげられる。より長い時間その域内に滞在してほしければ、飲食があると時間は長くなるし、何かアクティビティができれば、それでかなり消費額は上がる。

自分たちは、果たして、どれを上げていくのが、域内消費を上げることなのだろうか、と・・考え切れているDMOはどれだけいるのだろうか。

なんだか、書いていて悲しくなってきた。もし、酔っ払いのおじちゃんに絡まれたら、議論の前に手元にあるレモンサワーをぶっかけてしまいそうだw。そんなかわいげもないおばちゃんに絡んでくるおじさんなんてもういないかなw


写真は、ラクーアスパからの後楽園。サウナも旅要素の一つになりつつありますね。

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