あすくのう

観光振興を生業としております。Destination Management Organ…

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観光振興を生業としております。Destination Management Organizaitonを日々研究してます。International な価値観が浸透しない日本社会に少しイライラしながら、社会と戦うすべを考えて生活しております。ビール好き。

最近の記事

Tourism Lexiconとダイバーシティ

Destination International は2018年からTourism Lexiconというものを発表している。これは何かというと、SNS上でバズった単語の分析だ。米国のDMO出発は、Marketing組織であることもあり、こういうどういう言葉がみなに響くのかという分析はPublicityの観点からも重要だし、面白い取り組みだと思っている。 そして、このTourism Lexiconの順位には、きわめて簡単な単語が並んでいる。英語というのは「簡単」な言語であり、

    • 観光地と因数分解

      まだまだ私が真面目な学生だった頃・・塾の帰りに友達とだべっていたら酔っ払いのおじちゃんに絡まれたことがある。「世の中は因数分解じゃ解決しないんだ!!」でも、そんなやつ、飲み屋で今見つけたら、「でも、今の日本社会って、物事を一色淡に見すぎじゃないですか?物事っていうのは一つ一つの積み重ねで、それを分解することによって、もっとより精度の高い見え方がするかもしれませんよ」って返してしまいそうだ。 特に、私が所属している観光関連産業は常に経験値で判断をしていて、データで判断がされて

      • Inclusionと女性の社会進出について

        Diversity & Inclusion 先日のDestination Internationalの総会においてもSustainableな社会において大事なことの一つとして説明されていました。特に米国では、昨年のミネアポリスの黒人を殺害してしまったというニュース以来、全国的な動きとして展開している。 日本は、「多様性」とは遠い国だ。米国のように多民族がいないというのもさることながら、「みんな同じはず」といった信仰(とあえとよばせてもらうが)が、個性やそれぞれの生き方を否

        • Destination の訳語ってピンときますか?

          もう10年近くこの仕事をしているとDestionationという単語に違和感はない。でも、最初にこの単語を聞いたとき、その日本語への訳しづらさが気になっていた。 「目的地・行先」と訳すのが一般的だが、日本で「目的地」というとあんまり色気がない。でも、英語のDestination という単語には、なんというか、ちょっとだけバカンスのにおいがして、楽しそうなニュアンスになるのではないだろうか。ネイティブじゃないからちゃんと理解してないかもしれないけど。 私のいる観光業において

        Tourism Lexiconとダイバーシティ

          観光地とメディア

          著名な旅行メディアが出した記事に朝から突っ込みを入れたくなった。 誰が企画したツアーなのか分かんいけど、書きぶりから、誰かが用意してくれたツアーにこのメディアが参加していると私は読み解いている。DMO(Destination Management/Marketing Organization)として、メディアファム(メディアを招聘してやるFamiliarization Tripのこと)企画する立場としては、見せないところや見せたくないところは普通みせない。新施設がオープンす

          観光地とメディア

          観光産業の生産性

          観光産業はどうしたらみんなのあこがれの産業になるのか、みんなが続けられる産業になるのか。それは自分が就職するときにまったくあこがれがなかった飲食店に就職し、そして、給料は安いけど、そして長時間労働でブラックだけど、やりがいが非常にあったことが考える発端となった。 サービス業における生産性の低さはいろんなところで指摘されている。アトキンソンもその一人だし、中小企業庁の出している統計を見ていても、企業の規模に限らず、宿泊業・飲食業は生産性が低いことがわかる。きつい割に給料が悪い

          観光産業の生産性

          TOKYO2020の開会式を目前に

          東京の観光振興をしている私にとって、ここ8年はオリンピックとともにあった。丁寧にいうと、観光とオリンピックは直接の関係なく、オリンピックは組織委員会のものである。私たちがやってきたことは、本来の自分たちのミッションである「選ばれ続けるTOKYOへ」の元、経済波及効果をもたらすことを考え続けることの延長でしかない。ただ、このイベントは大きすぎたが故、私たちは、ずっと波にのまれてきた。 日本でも観光振興の際には、経済波及効果のみならず、「地域の課題解決」のための観光振興であると

          TOKYO2020の開会式を目前に