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LEAPワークショップレポート①山形県立遊佐高校

山形県北部、鳥海山の麓にある遊佐町(ゆざまち)。全校生徒約70人の遊佐高校では年々入学者が少なくなり、廃校の未来が待っていました。しかし、自然体験留学制度(来ちゃいなよ、ゆざこう)を立ち上げ、県外からの学生の受け入れを始めたことで、廃校の危機から脱したそうです。

今回はそんな、チェンジメーカーが身近にいる遊佐高校にお邪魔し、LEAPワークショップを開催してきました!

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チェンジメーカーってどんな人?

「『チェンジメーカー』ってどういう意味かわかる?」と問いかけると、「『メーカー』ってなんだっけ… ムードメーカーみたいな?」と慣れないカタカナ言葉に戸惑っていた参加者たち。

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「皆さんも日常の中で、『嫌だな』とか『なんかおかしいな』と感じることがたくさんあると思います。ただ、ほとんどの場合、『まぁ世の中そんなものか』と片付けたり、忘れて日常に戻っていきますよね。その違和感から目をそらさず、『この状況をどうしたら変えられるだろう?』、『他の人が変えてくれるのを期待するんじゃなくて、自分には何ができるだろう?』と考えて行動していくのがチェンジメーカーです」と説明すると、少し理解してくれた様子でした。

若者チェンジメーカーの紹介

続いて、同世代で既に行動している若者チェンジメーカー(アショカ・ユースベンチャラー)を紹介しました。今回は本人に来てもらうことは難しかったので、彼らの活動についてビデオで紹介。

特に、「受験を目的にして、知的好奇心の芽をつぶしてしまう学校の教育は、本当の学びではない」と中2で学校を辞め、自分で学ぶことを決めた純平くんの行動力と信念の強さに衝撃を受けた学生が多かったようです。

見学していた先生も「今までテストや評価をするのは当たり前だと思っていたけれど、それが本当の学びなのか、考えさせられました」とおっしゃってくださいました。

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心の声に耳を傾ける

では、自分が取り組みたい問題は何か。矢印が自分に向かった瞬間ビクッとしつつも、ワークシートで自分の違和感と向き合ったり、ペアの子と話し合いながら、それぞれ真剣に考えてくれました。

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高校2年生のS君がシェアしてくれたのは、テストの時間制限に対する違和感。「もっと時間があったら書けるのに!って思います。先生たちも、全部時間内に解けないようにしてるんじゃないかなぁ」

最初の一歩目を考えよう!

では、どんな行動を取ったらいいんだろう?それを考えるヒントとして、先ほどの若者チェンジメーカーの一歩目をシェアしました。例えば、純平くんの場合、中2で自主退学を決めた時、数人の同級生が「実は自分もなんで勉強しているのかわからないことがよくあるんだよね」と言ってきたので、彼らと学ぶ意義について話す会を開いてみたそうです。そこで話したことや聞いたことが元となって、後に「当たり前」を疑う機会を作る「日韓青年会議」という活動を始めました。

高校1年生のSさんは、自分が活動する少年議会の運営の仕方を疑問に抱いており、「同じ思いを持った他の参加者と話してみる。他の地域で、同じような活動(少年議会)をしている人たちのことを調べる」という一歩目を書いてくれました。そして、ワークショップの直後にあったミーティングで、すぐに有言実行したそうです!素晴らしい実行力ですね!

アンケートより

何を言っても否定されないだろうという、絶対的な安心感があってよかったです。
「自分が違和感を感じたら変えていい」というメッセージが印象に残りました
違和感があって、実際に動けていることと、動けていないことがある中で、これから解決に向けて頑張りたいなという気持ちを持ち直せました。これからも(大人になっても!)「おかしいな」に向き合って行動を起こしていきたいです。

まとめ

参加者の中には、「地域みらい留学」の制度を使って、県外から山形の自然の中へ飛び込む決意をした学生もいました。「同級生や先輩に従っているだけはいけない」という危機感を持って決断した時のように、「このやり方はおかしい」という気持ちを改めて持ち、周りに働きかけていく。時間がかかるかもしれませんが、勇気を持って口に出した言葉が周りを動かし、どんな変化を起こしていくのかとても楽しみです。

この記事を読んで、「自分の学校・団体でも開催したい、ぜひチェンジメーカーになるための一歩目を考えて欲しい」という方がいらっしゃいましたら、スタッフの芦田<yashida@ashoka.org>までお気軽にご連絡ください。


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