高齢期には親自身がかかえる問題が目白押しに
では、両親が75歳になるころには、どのようなことが起こっているでしょうか。
体のあトラブルなどで、病院に通うことも多くなっているでしょう。
もしかしたら、入院や手術などが必要になり、病気によっては、重い決断を迫られることがあるかもしれません。
人によってはそろそろデイケアなどの介護サービスを利用するようになっているかもしれません。
また、もし認知症などの理由から判断能力にも不安が出てくれば、子どもの日々の生活のサポートや財産管理を、誰かに依頼することなどが必要となるかもしれません。
子どもの障害の有無にかかわらず、この年齢になると、親は自分自身のことでさまざまな判断や決断をしなくてはいけないということです。
そして、その時には若いころよりは確実に、自分の体力や判断能力が低下しているだろうということです。
さらにときを進めてみましょう。
●親80歳、子ども50歳。父親が男性の平均寿命年齢に達する。
●親86歳、子ども56歳。母親が女性の平均寿命年齢に達する。
もうこの時点では、親は当然自分の生涯の閉じ方を決めなくてはなりません。
具体的に言うと、遺言などによる相続、資産・不動産の処分・売却、終末医療、葬儀についての要望、埋葬などの手続きや関係者への連絡など死後の事務的なこと…。
これらのすべてを完璧に準備する必要はないかもしれませんが、残される子どもの立場を考えると、意思をしっかり伝えておけばその後の処理はスムーズに進みますし、何よりいらぬトラブルが起きる可能性が低くなります。
特に、遺産相続や終末医療などは、あいまいなままにしておくと子どもたちを争いにまきこんだり、経済的にも重い負担をかけてしまったりする恐れがあります。
(障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」渡部伸著)
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