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「子どもの世界を広げる場づくり」をサポートした大学生が感じたことは?【まなびの広場2021夏】大学生スタッフ座談会

あしたの寺子屋

今回はあしたの寺子屋の事業である、北海道上士幌町での中高生向けサマーキャンプ「まなびの広場」に参加してくれた大学生スタッフが2週間の経験を率直に振り返った座談会の様子をお届けします!

まなびの広場とは、上士幌町の中高生が、自身の将来・進路の選択肢を広げたり、勉強も含めた進路の実現方法を、普段出会わない大学生・社会人たちと相談して深めることができる期間限定の中高生の居場所です。
今夏は7/26-8/6の期間で開催されました。
生徒たちはスタッフと一緒に、学校の勉強や悩み相談、スタッフとの対話など、様々な「まなびの広場でできること」の中から、自分が今日何をしたいか?を選んで時間を使います。

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この場で、大学生スタッフはそれぞれの生徒との出会いと関わりの中で彼らの生きる世界の選択肢を広げることを目指しました。

具体的には
①目標設定と振り返り
中高生が会場に来た時に1日の目標を立て、帰宅時にはその振り返りを一緒にします。
②学習サポート
夏休みの宿題や受験勉強のサポートをします。
③ワークショップの実施
 自身の経験や今までの人生で学んだことを中高生にお話しします。
④対話の実践
 スポーツ、勉強、遊び等々様々なテーマでスタッフから話しかけ、一人一人と向き合います。

これらを通じて、中高生がこれからの生き方や将来のことを考えてみるきっかけを創り出す役割を担いました。

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(*本事業につきましては政府や自治体の方針に則り、感染リスクを十分に配慮して運営いたしました。全員が2週間前から検温し体調管理を行い、PCR検査を受けて陰性を確認した上で訪問しています)

参加者の紹介

今回、座談会に参加してくれた大学生スタッフ5名と、ファシリテーター3名

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参加してくれた大学生のバックグラウンドや参加した理由は様々です。普段から教育に興味・関わりを持ち、子どもと対話する経験が既にあった学生もいる一方で、今回初めて中高生と関わったという学生もいます。
「この子たちのために、自分は何ができるだろう?」を毎日考え、時には夜までみんなで話し、悩みながらそれぞれが自分の得意なことやできることを生かした信頼関係の構築に挑戦しました。

大学前期の期末テストが終わってすぐに上士幌に駆けつけ、夏休みの時間を使って「子どもたちの世界を広げること」を目指して10日間中高生と対話を重ねた大学生スタッフ5名。彼らはどんなことを感じ、悩み、喜び、そして何を”学び”として持ち帰ったのでしょうか。
同じ大学生スタッフとして本事業に参加したあしたの寺子屋広報のさきが聞いてみました。

「初日の気持ちは?」期待や不安を胸に、全員が初めて訪れた上士幌町。

ーみなさん今日はよろしくお願いします!まずはどんな気持ちで初日を迎えたか、教えてください。

こは)楽しみな気持ちが大きかったです!大学入学してからずっとコロナで、大学と家の往復しかしてなかったから、飛行機に乗ってどこかへ行くということだけでワクワクでした。

えんた)僕も、楽しみでした。新しい土地に行くっていいですよね。現地で何をやるっていうのは正直あんまりわかってなかったんですけど(笑)

うらら)初日に大学生みんなでごはんを食べに行って、楽しくお話ができて気持ちがほぐれました。私は途中参加でしたが、みんなとまなびの広場がどんな様子かその時に話せたから、スムーズに入れたのは大きかったです。

たっつー)実は初日は不安が大きかったです。あしたの寺子屋のスタッフもほとんど知っている人がいないですし、途中で参加したから現場の空気感のようなものが分からなかったので、、、。

ななみん)私も楽しみな気持ちもありましたが、同じような不安がありましたね。空気感とかもそうだし、中学生に普段会ったりしないから、「どういうテンションで行ったらいいんだろう?」って。
でも行ってしまえばその場の空気にすぐ対応することができました。私が行った4日目には現場があたたまっていたからありがたかったです(笑)

こは)たしかに、そのころには大学生も、参加してくれてた中高生もけっこう慣れてきていてて、仲良くなり始めてたかも。

「どんな関わり方?」自分なりのコミュニケーション方法を。

ー実際に中高生とお話ししたり、勉強を伴走したり、それぞれ各自の経験を伝えるワークショップを開いたりしましたね。みんなはそれぞれどんな方法で生徒と関わっていきましたか?

こは)初日に中学校へ行ったときはなかなか喋りかけれなかったりもして、けっこう難しかったです。でもだんだん色んな生徒さんと話せるようになっていって、みんなに受け入れてもらえたって感覚がありました。

たっつー)会場でスクラッチというゲームをやっていた中学生に「もっとレベルの高いことやる?」って声をかけてみました。おせっかいのようなものだったかもしれないですがそこからUnityを使ってプログラミングを毎日1対1で教えていました。

ななみん)WSでは自分が高校で島留学した経験を話しました。どこまで伝わるかな?ちゃんと届くかな?って不安もあったけどみんな一生懸命に聞いてくれました。2週間最後の振り返りをする時にも私のWSの話をしてくれた子もいて、みんなの中に残るものがあったと思うと嬉しかったです。

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(ななみんのワークショップの様子。”まじでそうなんだっけ?”をキーワードに自身の経験と学びを真っ直ぐに伝えてくれました)

大学生が実施したワークショップ
◆独学で慶應大学に合格した学習計画の立て方(こは)
◆大学生と課外活動、大学に行くとは?(えんた)
◆暮らしを共にする「シェアハウス」とは?(うらら)
◆ドローンで学ぼう!(たっつー)
◆島での高校生活と東京での大学生活(ななみん)

えんた)自分は最初はバスケを通じて声をかけてるのが多かったです。いっつも「何がしたい?」って聞くことを意識していて、それで最初に勉強が出てくる子ってあんまり多くなかったので、バスケとかして息抜きしながらそのあとに勉強しよって声掛けをしてました。

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(会場施設の体育館で勉強の合間に体を動かす中高生。バスケを通して「えんたに声をかけられたからまなびの広場に来た」という生徒もいました)

「悩んだことは?」中高生との”対話”に試行錯誤。迷いや葛藤と仲間の存在。

ー中には初めてこういった教育系のイベントに関わった人もいたと思います。毎日生徒と関わる中で難しさを感じたり、悩んだりしたことはありますか?

えんた)さっきバスケの話をしたけど、勉強とバスケ、とか勉強とそれ以外でどれくらいのバランスをとればいいんだろうって悩んだことはありました。こういう場だし、勉強をするいい機会だと思うけど、自分は必ずしも勉強をしなくてもいいんじゃないかと思う時もありました。コミュニケーションの仕方としてもどこまで関わったらいいか分からなくなってしまったこともありましたが、あしたの寺子屋のスタッフに「えんたは受け止めるのが上手。でもそこからもっと踏み込んで会話してもいいんじゃない?」ってアドバイスをもらってからは吹っ切れることことができました。

うらら)悔しかったことがあって、、、。将来のこととか、大学のこととか相談をされた時に、私はその子の事情が完全に分かっているわけではないし、この先ずっとサポートできるわけでもないから、聞いても何も言えなかったんです。何かしてあげたい、もっと世界を可能性を広げてあげたいって思っても自分はすごく無力で何もできないっていう葛藤がありました。

たっつー)この関係が2週間だけっていう部分だと自分もそこに葛藤がありました。自分は勉強している人には勉強してほしいっていう思いがあって勉強を教えていたことが多かったんですね。でも、それだけじゃなくてもっと残るものを伝えられたんじゃないかって。自分は中高生のみんなよりは少し長く生きているだけではあるんですけど、それでも例えば物事の考え方とか、どうやって問題を解決するかとか、大きくとらえると生きるために必要な知識、そういうようなことを伝えたほうが自分たちと離れた後も影響を与えられたんじゃないかって思いがあります。あの時も悩みましたし、今振り返って考えてみて「もっとこうしたほうが良かったかな」ってなることも多いですね。

うらら)私が今まで新しいことをやる時って、いつも支えてくれる大人がいました。そういう大人がいたから、安心して色んな選択ができた。そう考えると、子どもたちが一歩踏み出す時に支えてあげたり、日常的に然るべきサポートができる人と繋げてあげるのが理想だと思っています。そういう意味でもやっぱり長期的に関われない自分が無責任のように感じてしまって、、、。
結論が出たわけではないけど、こういうことを一緒に悩める人たちがいたっていうのは自分自身の中でも大きくて、みんながいたから「明日も頑張ろう!」って思えました。

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(勉強のこと、人間関係のこと、進路のこと。中高生の悩みに耳を傾け続けたうらら)

「嬉しいと感じた瞬間は?」中高生からもらったエネルギー。

ーさっき教えてくれたように悩みは葛藤はあっても、大学生みんなの感想として「楽しかった!」って声が多かったですよね。その源泉となった、中高生との関わりでの励みになったことや、嬉しかったことを教えてください。

ななみん)まずシンプルに名前を覚えてもらうとか、呼んでもらえるってことだけで嬉しいことだなって思いました。最終日に手紙を貰ったりしたのもすごく嬉しかったです。

こはる)そうそう、普通に自分の話を聞いてくれる、話しかけてくれるってことが嬉しかったです。すごくみんなが素直だったことに助けられたような気がします。

えんた)「あした来るね」とか毎日言ってくれる子がいて、きっとまなびの広場にいることが楽しかったからそう言ってくれたんだと思うと嬉しかったです。こっちも「明日までに教えてもらった音楽きいてくるね!」「あしたWSもう一回話すよ!」って約束をすることを通して、たった2週間だけど良い関係を築けたと思います。

たっつー)さっき言っていたプログラミングを教えていた中学生に、最終日に「師匠」って呼ばれたんです。これがすーごく嬉しくて(笑)
自分が身に着けてきた知識が役に立つというのを実感できました。自分のやってきたことが彼の人生を広げる一つの何かになっていてほしいと思います。

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(1対1でプログラミングを教えるたっつー。”師弟関係”を築きました)

「最終日の気持ちは?」別れる寂しさと、最終日だからこその発見も。

ー最終日をどんな気持ちで迎えましたか?

ななみん)中高生のみんなと別れるのがとにかくすっごくすっごく寂しかったです。

こは)私は2週間ずっと色んな事に悩んでいて、みんなの関わり方とかを見ながら自分のできないことに気づいちゃったり、モヤモヤが広がったり、、。でも最終日はその考えを一旦忘れて、とりあえず今の自分を受け入れようとしました。自分がいいと思ったことをやろう!と思って、ひとりひとりにとにかく向き合おうと努力しました。中高生から何かを無理に引き出そうとしたり、何かいいことを伝えようとする必要もないんだな、ありのままでいいいんだなって発見がありました。

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(こはが中学生に勉強を教えている様子。自身も半年前まで受験生であった経験から、勉強方法や学習計画の立て方も伝えていました)


うらら)私も、似たことを最終日に感じました!あしたの寺子屋のスタッフから「生徒たちから学ぶことも多いはず。うらら自身も学ぶ、学び合いの場所にしよう!」って声をかけてもらったんです。それまでは自分が大学生の立場として何か教えなくちゃいけないとか、いいこと言わなくちゃとか、勝手に意識しちゃっていたけど、この一言で中高生のみんなを1人の人間として、対等な目線で対話ができるようになった感覚がありました。対話の中で、自分も気づかされることが本当に多くなったんです。

最後には、ひとりの子に「また冬来てね。来なかったらこっちから札幌に会いに行くよ」って言われて(笑)すごく嬉しかったです。また会おうね、また話そうねって約束をした子たちとまた会うのがたのしみです。

「学べたことは?」まなびの広場という”非日常”から”日常”へ。

ーこのまなびの広場で、スタッフの立場として関わった中で学べたことや今後の大学生活で生かせることがあれば教えてください。

えんた)今考えているのは自分って贅沢だなぁってことです。今回の事業も含めて、普段からたくさんの活動に誘ってもらえていて、そこから色んな大学生とか大人に出会えている、いろんな経験をさせてもらっているってことが贅沢だなって今まで以上に感じるようになりました。
これからはこの自分が感じている贅沢をもっともっとたくさんの人に感じてもらいたいなと思って動き始めています。このやり遂げる喜び、幸せの感覚はやってみないと分からない。どんどんみんながこういったイベントに飛び込めるような環境を作ったり、価値を広げていきたいと思っています。

たっつー)終わってから思ったのが、普段自分の生きている環境が本当に均質的なんだなということです。普段、大学の研究室に行くと同じようなタイプの人間しかいないなぁって。北大がそういう場所なので、前々からわかっていたことではあるんですが、その度合いが強いなって改めて気づいたっていうのが帰ってきてから一番自分の中で印象に残っている心境の変化ですね。世の中って色んな人がいるんだ、自分のいる世界って狭いなって強く再確認しました。もちろん上士幌の中高生のみんなも同じように「社会にはこんな人もいるんだ、こんな仕事もあるんだ」って感じたと思うんですけど、そういう刺激を自分も受けました。

こは)中高生のみんなだけじゃなく、大学生スタッフ、社会人スタッフも含めて本当にいろんな人たちに出会えて、それぞれが考えていることに近くで触れて、毎日たくさん考えるきっかけがある日々でした。上士幌に行く前は「何かしなきゃいけない」って焦ってる感じでずっとどうしようどうしようって言っていたけれど、今は本をたくさん読んでみたり、映画とか見たり、ゆっくりものを考える時間を創ることに対してなんだか怖さが無くなったというか、、。そういうのも今の自分には必要だなって思えるようになりました。
自分が頑張りたいこととか、目指したいことをこれからの大学生活でゆっくり見つけていきたいなって思います。

うらら)今回の活動を終えて日常に帰った今何が変わったかって考えると、自分の将来への考え方だと思います。教育大学に通ってるし、これまでも先生になりたいと言ってきたけど、「本当にそれがやりたいのかな?」って考え直してみるようになりました。
今回感じた無力感とその悔しさから、みんながひとりの人間として、その子自身の人生を歩めるようにしたいと考えています。自分が将来どんな教育への関わり方をすればそれが実現できるか、考えながらまだまだ迷走中です。

ななみん)実は他のプログラムで一度、高校生と関わることがあったんですけどその時は全然うまくいかなくて。たぶんそれって自分より年下の人たちに何かを提供しなきゃって思っていたからなんですね。でも今回は考え方を変えました。そんなに年齢だって変わらないし、自分がものすごい人ってわけじゃない。もっとフラットに、中高生をひとりの「人」として見て関わるほうがいいって今回気づくことができました。
あと、実はこの事業の前、自分は少しへこんじゃっていた時期だったのでこの大好きな北海道に来てエネルギーを貰って何か変化があるといいなって思っていたのも参加したり理由の一つだったんです。だから滞在期間に一回日常から離れて、またもう一回リスタートするいい機会になったなって感じてました。少し日常にゆとりを持ってみようって今は思っています。
そして、中高生のみんなと約束した、英単語アプリと腹筋はしっかり継続中です。アプリで日数が出ちゃうので(笑)毎日みんなの顔を思い出して、約束守らなきゃて思えるのって素敵ですよね。また冬も楽しみです!

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こは、ななみん、うらら、えんた、たっつー、ありがとうございました!

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上士幌町まなびの広場は冬休み期間中にも10日間程度で開催を予定しています。
あしたの寺子屋は今後も長期休暇中における子どもたちの学び場を、上士幌町だけでなく、全国の様々な場所に届けられるよう、これからも一生懸命に取り組んで参ります!

まなびの広場の報告レポートはこちら↓

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