僕は、芸人とアパレルをやる為に産まれてきたんじゃない。

好きなモノに理由を求めてくる奴がいる。

「はぁ〜?意味わかんねー!」
って言ってくる奴がいる。

そりゃそうだ。あんたの人生じゃない。

これは、僕の人生だ。
僕の人生における好きなもんだ。

そして、モノを好きになる理由など存在しない。

人は、”なんとなく”好きが増えていく。




僕は、好きなお笑い芸人という職業を辞めたくない。だから、アパレルをやっている。

●何故、芸人を続けたいのか。
それは、とにかく好きだから。

小学生の頃、身体が大きいのにスポーツ出来ないし、人とどう接すればいいのか分からなくて、気味悪がられ、勉強も全く出来ない僕は、引くほどいじめられていた。

学校に行くのも嫌いだったけど、
「学校にいかなきゃいけない。」
という家族に与えられた常識を壊せず、仕方なく学校に行っていた。毎日自分が思うような生活が出来ず、独り言が多くなった。登校中も「ふらっと車引かれたらどうなるんだろう?」とばかり考えていた。

けどそんな勇気なんてなく、すぐに家に帰り、TV番組やゲームに没頭していた。

そんな時に、松本人志と中居正広のW主演の
「伝説の教師」というドラマを見た。

借金まみれの男、南波(松本人志)が、
借金取りの悪ノリで、借金を返済する為に、
私立中学の先生として働くお話。

第1話が、僕を変えた。

南波がいじめられっ子を捕まえて、
「なんで笑い取らねーんだよ。」
とキレるシーンがある。

話のオチなんてよく覚えてない。

けど、僕には響いた。

「いじめられっ子が悪い」
って考え方が僕に勇気をくれた。

「僕が変われば、いいんじゃね?」って。

次の週の月曜日、国語の授業。
僕の名前は、「芦名秀介」
出席番号の始めから2番目。
音読の時には、必ず当てられる。

僕の教科書は、黒く塗りつぶされていた。
読めない事を笑う男が、1人。
いじめっ子だ。

「え?お前漢字読めねーの?ウケる!笑」

クスクス笑ってる他の生徒もいる。
いつもは悔しくて、泣いていたけど、
今日は違う。

僕の番は、飛ばされ、次の人。
そして、次の人。
そして、次の人。
そして、いじめっ子の番になった。

僕は、隣の女子生徒の教科書を見せてもらいながら、いじめっ子の音読に耳をすます。

いじめっ子は、バカだった。
漢字が苦手なのは、知っていた。

その時、ある漢字を読み間違えたのを、
たしかに聞いた。

「えっーーー!?○○だよ!!その漢字は、○○って読むんだよ!!△△って読んじゃったの!?かわいいーーー!!!」

当時の僕が最大に面白いと思う言い方で、
震えながら大声で、言い放った!

       


ウケた!




しかも、教室が揺れるほど!
今までイジメられてきたせいなのか、とてつもなく気持ち良かった。

でも、すぐに先生には、めっちゃ怒られたし、いじめっ子には、いつもの倍殴られたけど笑




全然良かった。
だって、こんな僕がイジメっ子を倒せたんだから。

そして、
僕は”人を笑わせること”に取り憑かれた。

中学、高校の文化祭では、漫才をやった。
大学のダンスサークルの夏合宿でも漫才をした。

そして、2019年の今は、芸歴7年目。28歳。
”東京グラマー”というコンビ組んでいる。
3度目のコンビ。

28年間、色々あった。
上手く行かない方が圧倒的に多い。
でも、生きている。

僕が芸人を続ける理由は、
僕が今もこうして生き続けられてる理由は、
小学生の時、お笑い芸人に救われたからなのかもしれない。

そして僕は、アパレルもやっている。






丁寧に説明します。

●何故、アパレルを始めたのか。
それは、芸人を辞めたくないから。

以前、”週刊プレイボール”というコンビを2年間、組んでいた。

自分なりに、沢山頑張っていた。

”お笑いをやりたい!!”
という気持ちも重なって、とてつもなく狂い、ネタを作り、戦った。

劇場の上から2番目のクラスまでは、
なんとか行けた。

けど、周りの芸人には、これっぽっちも勝ててない気がしていた。

いっぱい研究して、漫才に打ち込んでいるのに、何故?

そこで、あるラジオ番組に出演した際、
先輩芸人の人に言われた。

「芦名は、何がオモロいと思っているのが、見えない。誰かがやったオモロいをコピーして発表してるだけ。」

心臓をえぐり取られたのかと思った。
それくらい図星だった。

僕の中に、確固たる”オモロい”がなかった。
だからなのか、M-1は1回戦しか勝てないし、
おもしろ荘も1次選考で落ちまくっていた。

けど、お笑いは続けたい。
だったら、どうあがいてもお笑いで食っていくしかない。

それには、
当時の相方が邪魔に思えてしょうがなかった。

なぜなら、考え方が合わなかったから。

2年間やってきて、僕がもう一度チャレンジするときに、付いてきてくれる信頼関係でもなかった。

これ以上そいつとも、仲悪くなりたくなかったし、本腰入れて自分という人間の面白さを上げられるとこまで、上げたくなった。

だから、2018年11月に解散を告げた。

相方は、その暴挙を受け入れてくれた。

けど、何をしていいかわからない。

コンビのネタを書いたり、意思決定は僕にあったけど、舵を取るのに失敗してきた2年間だった。

“どうにかしてくれる人は、いないのか?”

そんな解散する時期に、同期から
「中田さんのラジオ聴いてる?」
と言われた。

オリエンタルラジオの中田敦彦さん。

何でも、1万円のTシャツを売ってるらしい。

試しに初回放送のラジオを聴いてみると、
ぶん殴られた。

熱量がエグい。

そこには、中田敦彦という1人の人間がやりたい事を叶えていくのに、今まで培ってきた経験全てをぶつけ、チャレンジしている世界があった。

とてつもなく魅力的で、悪魔的だった。

そのラジオを聴いて僕は、言われた気がした。

「お前ん中にあるモン全力でぶつけてこいよ!!!!」って。

中田さんは、言ってないんだけどね笑笑

次の日、僕は乃木坂の幸福洗脳で借金して4万円分服を買った。単純に欲しくなっていたのもあるが、その先の”ここでバイトをして、中田さんと密な関係になって芸事のアドバイスを聞く”という目的を果たす為だ。

そして、たまたま中田さんに会えた。
んでバイトをしたい事も、その場で告げた。

「DMちょーだーい!」
と返され、その場は終わった。

後から本人から伺ったが、
最初は雇うつもりはなかったらしい。
 
だってそうでしょ?
急に現れた後輩芸人が
「バイトさせてください!」

絶対、痛い奴じゃん笑笑

返信は、すぐには返ってこなかった。

けど、僕は諦めず、そこの服を着て、
踊って、ツイッターに動画をあげた。

自分が、その時出来る事を全てやり尽くしてから、散りたかった。

干されても良かった。

上の画像でも、分かる通り、返信は来た。

「1度会って話そう。」

そこから、なんやかんやあって、
僕はバイトを始める事が出来た。

それからは、
驚きと喜びの連続だった。

世間のイメージでは、”なんか怖い”という”中田敦彦”という人間は、めっちゃ熱くて、ちょー人間で、ちょーエンターテイナーだった。

近くなり過ぎた。
憧れてしまった。

同時期に、キングコング西野さんの新世界も読んでいたのがいけなかった。

同時期に、FR2の石川涼さんの記事を読んでいたのがいけなかった。

どうしても、
アパレルをやりたくなってしまっていた。

それを中田さんに伝えると、
「オモロいな、芦名は。笑
普通、先輩の店で働いててブランド出したいなんて思わねーぞ?笑」
笑って、応援してくれた。

すごすぎるよ。普通なら怒るだろうに。

やっぱ”中田敦彦”は、凄かった。
自分というどうしようもなく、身勝手な人間を受け入れてくれた。

そして、アドバイスをもらった。

「人の為に尽くせ。」

散々今まで自分の為にやってきたこの人生。
それを人の為に変える事の大切さを教えてくれた。

けど、人の為がわからん。

ずっと自分が売れることしか考えてこなかったから。





そんな時、たまたま立ち寄ったH&Mで、僕と同じ身長くらいの男子高校生が「XLねーや」と言って、立ち去るのを見た。

僕には、その服はXLでも小さい。
彼もそうのはず。
なのに、XLを限界だと思い、求めていた。

だから、190cmで服のサイズがない僕が、
180cm以上の人の為に、XXLの服を販売することにした。

僕1人の頭じゃ一生辿りつけなかった。

その出来事は、2019年1月。
僕は、2019年1月には、アパレルを始めた。

180cm以上の為のBEE(ビー)というブランド。

僕は、アパレルをやる為に生まれてきたんじゃない。
僕は、芸人をやる為に生まれてきたんじゃない。
僕は、人の為に生まれてきたんじゃない。

何の為に、生まれてきたのか?
そんなの分からない。

けど、アパレルをやりたいし、
芸人をやりたいし、人の為に生きたい。

それが、自分の為になると信じているから。

それを口に出すだけではなく、実際に行動することが、自分の人間力の向上に繋がると信じているから。

明確な理由なんて一切ない。

なんとなく良いと思うからやる。

28年間生きてきて、”人の為”に出会って、これが良いと思ったから、やっている。



前澤社長は、大好きな音楽を続ける為に、
今の会社を立ち上げたらしい。

僕もそう。

お笑いを続ける為に、アパレルをしている。
どっちも本気だ。

救わせてくれ。こんな僕に。
広めてくれ。BEEの事を。

人の為に、そして自分の為に。




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