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大学授業のオンライン化で思うこと

コロナウィルスにより、大学の授業のオンライン化がニュースでもとりあげられる。この歴史的な出来事により、今後の大学授業のあり方も間違いなく変わっていくだろう。

ただそこには、いくつか課題もありそうなので整理してみたいと思う。

1.通信環境の整備
  オンラインで授業をうけるには、通信環境が必要になる。モバイルルーターなども月々数千円から契約できるが、3日で10ギガを超えると遅くなるなどの通信容量の制限がある。通信キャリアも総務省からの要請をうけて、50ギガまでは追加料金なしで使えるプランを打ち出しているが、全授業となると到底足りない。

2.先生のオンライン授業への習熟
 インタラクティブな授業をどのように行うのか?先生への質問や生徒同士の議論をオンライン上でどのように行うのか?Zoomなどのオンラインサービスには、チャット機能や画面共有機能など面白い仕組みがあるし、機能追加もタイムリーなので、このあたりはテクノロジーで解決できると思う。しかし、とある大学で先日開催されたZoom研修会では参加者200名中、約4割の先生が初めて使うと答えたように、テクノロジーを使いこなし、効果的な授業を行うまでには、まだしばらく時間がかかりそうだ。このあたりは、民間のITベンダーと組んだり、オンライントレーニングでの実績が豊富な企業にコンサルティングしてもらうなどサポートが必要になってくると思う。

3.講義型授業からの脱却
 ミネルバ大学をご存知でしょうか?ミネルバ大学の詳細については、また別の機会にまとめたいと思うが、いまや「ハーバード以上の難関大学」であり世界中のエリートが集まる大学としてその名が徐々に知れ渡ってきている。

このミネルバ大学の講義は全てオンラインなのです。というか校舎がそもそもありません。表面的にみるとそのインフラやテクノロジーの部分を取り入れればいいじゃないかとなる。でもこの大学のすごさは、オンライン授業のメインが講義ではなく、ディスカッションなのである。つまり、今の日本型のほぼ一方通行の講義型授業(私の通っていた大学はほぼこれだった)をどうやってオンライン化するのかということではなく、授業のあり方をそもそも変えて行かなければ意味がないということ。知識の習得は、勝手に自学自習してアウトプットをオンライン上でみんなで行うといういわゆる「反転学習」がその主流になるべきである。ということは、当然先生の役割も変わってくる。知識を教えることが仕事ではなく、知識を定着させることやファシリテーションしコーチングすることがそのメインの仕事になるだろう。


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