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あせっとびるだーず 今月の投資レポート(2024.6.24)

暗号資産のステーキングが気になる。

《株式市場は、ぼちぼち?》

 6月は、日経平均、TOPIX、NYダウといろんな株価指数が、ほぼ横ばいといった感じでした。
 ただ、S&P500とNASDAQは、相変わらずの絶好調といった感じで上昇をしていました。好業績を発表したエヌビディアといった大型ハイテク銘柄の好調が裏にあるようです。
 
 ただ気になる点としては、6月中旬ごろから、NYダウは下落気味だったのに、S&P500とNASDAQは上昇している、おなじ米国株を扱っている株価指数のはずなのに、動きが真逆になっているところです。
 このような、通常同じように動いている指数が、突然真逆のような動きを見せることを、ダイバージェンスなどと言ったりします。他にも似たような動きをしているものとして、J-REITとTOPIXなどの日本株にもその傾向が見られています。

 この値動きの違いが生まれているのは、S&P500などの主要な米国株価指数だけを見ると、米国株全体が上昇しているようにも見えなくないですが、実際にはごく一部の銘柄だけが、相場を持ち上げているという実態を表しています。

 そのため、そのごく一部の相場を持ち上げている銘柄が含まれていないNYダウは、下落していたというわけです。
 本当の上昇相場というのは、一部の銘柄によって値を上げるのではなく、まんべんなく市場全体にお金が行きわたり、市場全体で相場を上昇させるときが、本当の上昇トレンドだと言われています。

 投資家として市場を見ると、このような乖離現象は、平均回帰されると考えるケースが多くなるのではないかと思います。株価指数の乖離現象が起こっているということは、市場に歪みがあることを表していると言えるので、歪みはいずれ是正されると考えるのは、当然とも言えるのでしょう。
 それに、このような歪みを利用して投資するという例は、いままでにも沢山話を聞いたことがあります。
 
 ところで、当社の株式資産等への投資ポートフォリオは、日経平均等が下落している中で、数%程度の増加で来ています。比較的下落に強いポートフォリオをイメージして運用していることが幸いしたのかもしれません。

《暗号資産の新しい投資の形?》

 最近気になる資産に、暗号資産があります。ビットコインが話題になった初期のころに、運よくビットコインを保有していたことで、投資額が数十倍になるという、かなり良い思いをさせてもらった経験がありましたが、暗号資産の将来の利用可能性は小さいと思って、当時保有していたビットコインはすべて売却してしまいました。
 ただその後のビットコイン価格は、1BTCが1,000万円を超えて推移しています(2024.6.22)。正直、「あの時売らなければ」という気持ちはかなりあります。

 しかし、今さらそれを悔やんでも仕方がないとも思っています。利益は受け取っているのだから、むしろ、株式投資でも経験できないような体験をさせてもらえたことに感謝です。
 また、ビットコインが現実として利用できるところは、今後も少ないだろうという考えについても、今でもほとんど変わっていません。
 ところが、ビットコイン以外の暗号資産では、保有しているだけで利息のようなものが受け取れるものもあるということを知りました。
 個人的なイメージとして、現状、暗号資産は通貨にはならないと思っています。
 ビットコインのような、通貨としての機能をブロックチェーンを使って行うという仕組みは、社会的にはあまり求められていないような気がしています。
 むしろ、ブロックチェーンを利用して、他のところで活用する仕組みの方が、もしかしたら社会に導入される可能性があるのかもしれないと思えるようになってきました。

 たとえば、ステーブルコインと呼ばれる方法では、法定通貨と暗号資産の価格を連動させることで、法定通貨の価値を保ちながら、暗号資産のように世界中で銀行を通さずネット上だけで決済ができる仕組を作ろうとしているようです。

 ビットコインが登場した時、電子マネーを世界的規模にしたものというイメージを持ちましたが、まさにそんなイメージです。ドルを扱う銀行口座がなくても、他国の人たちとステーブルコインを通じて、米ドルとしてお金のやり取りをするなんてことができるようになるのかもしれません。
 他にも、金の価格に連動するステーブルコインも登場してきています。国内でも三井物産が作ったジパングコインは、金価格に連動させながら、将来的には金現物と交換できたり、電子マネーのように決済に利用できたりすることも想定しているという話です。

 暗号資産の基盤となっている技術、ブロックチェーンが、これから実際に社会に活用されていく段階にきているのかもしれないと思えるようになってきました。内心、ブロックチェーン技術が世の中に普及し始めたら、今のAIよりもインパクトが大きいのではないかとさえ思っています。

 そんな中、ビットコインの次に大きな時価総額となっているイーサリアムという暗号資産では、保有していることによって、利息のようなものが受け取れるステーキングという機能があるのだそうです。
 価格の変動から利益を得ようとしなくても、ただ保有するだけでも利益が得られるようになったというのは、なかなか面白い話です。
 イーサリアムは、ビットコインと違い取引を記録するという機能があり、たとえば、AからBに数値(お金)を移すだけでなく、その記録する機能によって、所有権の確認や、本物かどうかの証明などもできるようになるという話です。
 イーサリアム上で、コンサートのチケットを買った時に、そのチケットと購入者と座席番号を結び付けて、なりすましなどが出来ないようにするなんて使い方もできるのだそうです。
 まるで、不動産の登記記録のようです。イーサリアムで不動産を購入すれば、自動的に登記もできる。株式などの資産も、同じように使えれば、資産管理が楽になり、コストもほとんどかからないなんて仕組みもできるようになるかもしれない。
 実際、ブロックチェーンを活用した有価証券の小口化案件は、不動産投資などで有名な大手金融機関などがすでに販売している実例もあります。

 暗号資産に投資をするということも、面白いのかもしれない。
 ただ、まだまだいろんなものがありすぎて、何を選ぶべきなのか、かなりリスクは高い投資対象だとは思います。
 ストーリー性は感じますが、10年後はどうなっているのかは分かりません。投資としては、あまりおすすめできるものではありませんが、知識の探究として、意外と面白いものになって来ているのかもしれません。