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あせびるジャーナル

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資産形成に特化したファイナンシャルアドバイザーが、月額会員様向けに、ほぼ毎月更新しているお金の情報誌『あせびるジャーナル』の記事を掲載しています。
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記事一覧

今月の読書日記(2024.12)

投資を学ぶ教科書のような存在、『投資の科学』(マイケル・J・モーブッシン著)《投資で学ぶ基礎分野》  投資を勉強しようとした場合、どんな分野で投資を学べばいいのだろうか。  「リスクとは何か?」  「金融市場はどんな風に動いているのか?」  「投資先である企業分析と経済の循環」  「投資で間違える心理的な要因」  それとも「投資とはそもそも何なのか」という話から学ぶべきなのだろうか。  今回紹介する『投資の科学』という本は、そのすべてがこの一冊に凝縮されています。 《

マネーの豆知識:「ファイナンシャルウェルビーイング」ってなに?

 『J-FLEC(金融経済教育推進機構)』という官民共同で設立された組織が、今年から動き始めました。  この『J-FLEC(金融経済教育推進機構)』の目的は、「幅広い年齢層に向け、かつ、国民各々のニーズに応えた金融経済教育の機会を官民一体で全国的に拡充していくこと」となっています。  この『J-FLEC』が国民に金融経済教育を行っていくに当たって、そのミッションとして、私たち一人一人の『ファイナンシャルウェルビーイング』の実現というものを掲げています。  なかなか聞きなれ

あせっとびるだーず 今月の投資レポート(2024.12)

絶不調のJ-REITに賭けてみる?《J-REITの調子がとことん悪い。》  ここ最近の金融市場の中で、まさに絶不調と言える市場が、J-REIT市場なのではないでしょうか?  米国の株式市場はご存じの通り相変わらず好調な環境にあります。  また日本の株式市場も手放しで良いとはいけないけれど、極端に悪いというほどでもない感じがしています。  しかし、J-REIT市場に関しては、日々どんどん値を下げているような状態が続いています。  東証REIT指数は、新型コロナ感染拡大時の

2024年の投資を振り返る。

 2024年は『選挙イヤー』と言われ、世界中で重要な選挙が行われました。そしてその結果、多くの国で与党が負ける結果となりました。日本では自公が議席を減らし、アメリカはバイデン大統領の民主党が負け、2025年には共和党のトランプ大統領が誕生します。  そのほか欧州の方でも、イギリスで政権交代が起こり、ドイツやフランスなどでは今も政局が混乱しています。  世界的に政治が混乱し、そしてその影響が社会に広がり始めるのが、もしかすると2025年という事になるのかもしれません。 《2

今月の読書日記(2024.11)

漫画で学べる世界各国の関係性《『日経モーニングプラスFT』というテレビ番組の中で紹介されていた》  この漫画は『地政学ボーイズ』というタイトルで、地政学を漫画で楽しめるという内容のものになっています。  地政学という言葉は、ふだんあまり聞きなれないような言葉ですが、最近では戦争が起こっていたり米中の関係が複雑になっていたりと、株式などに投資をするにおいても『地政学リスク』というものを無視できないようになってきました。  この漫画では、世界中の国を人物で表現し、一つの会社

マネーの豆知識:「103万円の壁」ってなに?

 「103万円以上稼いでしまうと損することになる」、なんとなく言われているその言葉によって、「103万円の壁」と言われるようになりました。  では103万円以上稼ぐと一体どんな弊害が起こるのでしょうか。  中には、なんとなくで103万円以内に抑えているという人もいるようなので、今回はその理由について取り上げてみました。 《所得税が課税されない?》  給料で103万円以下の収入がある場合、給与所得控除55万円と基礎控除48万円の合わせて103万円の控除があるために、課税所

あせっとびるだーず 今月の投資レポート(2024.11.30)

米国では、トランプが大統領に! そして株価も好調、NYダウは最高値。 《経済の話はトランプ大統領で持ち切り?》  ドナルド・トランプが米国の大統領選で勝利したことで、世界経済に『関税引き上げ』の影響が懸念されています。中国やメキシコが主な標的となりそうではありますが、日本にもその影響が危惧されています。   米国経済への好影響を意識しているのか、NYダウが最高値となっている中、日経平均はいまだに40,000円の回復もできていません。  また、トランプ大統領は選挙戦で、ビ

ポートフォリオの管理とリバランス 、ちゃんとしていますか?

資産運用のパフォーマンスは、アセットアロケーションで8割決まると言われています。  そのアセットアロケーションとは、どの資産にどのくらい投資するのかの資産配分を意味しています。  そして資産配分に気を付けながら運用していくために必要なことが、ポートフォリオの管理とリバランスになります。  11月~12月という時期は、年に一度のリバランスを行うにあたって、いい時期かもしれません。 《定期的にリバランスを行う?》①リバランスって何?  リバランスとは、投資を開始してから、

今月の読書日記(2024.10)

生き物の食欲について考えてみた?《食べることで病気になる現代人》  「食べる」というのは、生き物にとっては本能です。生きていくためには、必ず「食べる」ということをしなければなりません。  しかし、今を生きる私たちは、その食べるものが豊富にあり、食べることに困るという状況は、ほとんど考えらえません。  ある意味幸せな環境の中にいると言えるのかもしれませんが、その反面で、「食べ過ぎ」や「肥満」、そして「成人病」という食のコントロールが出来ないことで、不健康になる人たちも増えて

マネーの豆知識:「ハイイールド債券」って何?

ハイイールド債券 私たちが投資することのできる金融商品といえば、株式と債券が最も有名で、また最も大きな市場になっています。  そしてその内の債券市場の中には、ほんとうに様々な種類の債券があります。  特に一番大きな市場を持っているのが、世界の国々(政府)が発行している債券である国債です。  他には地方自治体などが発行している地方債、企業が発行している社債、問題が起こった時に返済の順位が後になっている劣後債など。   そしてそれら債券の中でも、格付けの低い企業の債券を買うこ

あせっとびるだーず 今月の投資レポート(2024.10.23)

《円安の動き再び?》 日銀の金融正常化の動きによって、円高に動き始めた為替でしたが、ここにきてまた円安に動き始めています。  9月半ばでは140円/ドルぐらいだったのですが、今では152円/ドル(10/23日時点)にまで円安が加速しています。また7月の162円/ドルにまた戻ることになるのだろうか。  このまま円安が続くようなことになれば、円安は物価高に直接的につながる要素でもあるので、一般消費者の財布にも影響が出てくるのかもしれません。  それと共に気になるのが、米国債の

今や預金金利も上昇してる?元本割れしない金融商品を探してみた。

 ついに普通預金の金利も上昇するようになり、『金利ある世界』という言葉も、なんだかなじんできつつある気がしています。  資産運用というと、株式や投資信託のイメージが強いですが、定期預金や国内債券といった存在も忘れてはいけないのかもしれません。  なぜなら、これらの金融商品には、なんといっても「元本割れしない」という、大きな魅力があるからです。 《元本割れしない運用商品には、何がある?》①定期預金  元本割れしない金融商品というと、真っ先に思いつくのが『定期預金』です。

今月の読書日記(2024.9)

米国債券投資を始めるなら、ピッタリの本?《債券投資に注目してみる?》  最近では、投資をするという話になると、その対象としてまず話に持ち上がるのは、『株式』です。NISA制度やiDeCoなどによって、株式投資というものが、一般にもだいぶ普及するようになってきました。  そんな中でも特に、話の中心となっているのが、S&P500や日経平均のようなインデックスファンドなのではないでしょうか。NISAやiDeCoなどの話題でもインデックスファンドを中心に話をされることが多くなってい

マネーの豆知識:「金融リテラシー」ってなに?

 8月、ついに政府主導の、国民の金融リテラシーを向上させるための組織『J-FLEC(金融経済教育推進機構)』が活動を開始しました。  この組織は、保険代理店などの金融商品の販売や仲介を行わない、金融機関と顧客の中立の立場ではなく、顧客主義の一般消費者側によりそったお金のアドバイザーを、『認定アドバイザー』として登録して活動しています。  その結果、販売という意図から切り離された、本当の意味での国民の金融リテラシーの向上に貢献する団体として活動することを目的としています。