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相手に共感して、一人ひとりが自分らしく生きられる社会を作りたい。【a.school MENTORSインタビューvol.11】

本稿は、過去に公開していたa.school MENTORSインタビュー記事を再投稿するものです。(a.schoolの旧ウェブサイトに2019年4月8日掲載)

昨年7月からメンターとしてa.schoolに参加し、生徒一人ひとりの成長を細やかに観察するあんまり。今回はメンターのもりりん(大森)があんまり(安藤)にインタビュー!あんまりのa.schoolでの思い出話や、幼少期の習い事の話、また将来どんなことをやりたいのかについて聞きました!

※本記事は2019年2月のインタビューに基づくものです。

安藤 真理子
早稲田大学文化構想学部卒業。時に優しく時に厳しい、メリハリのあるサポートでみんなを引っ張るお姉さん的存在のメンター。

最初は生徒と仲良くなるところから

もりりん:今日はよろしくお願いします!早速なんですが、a.school Mentorsを知ったきっかけは何だったんですか?

あんまり:学校に教師を派遣している認定NPO Teach For Japan関連のFacebookグループにa.schoolの投稿があって、オンラインの説明会に参加したのが最初でした。

もりりん:へえー!オンライン説明会っていうのがあったんですね!a.schoolになんで参加しようと思ったんですか?

あんまり:もともと、高校受験サポート・ひとり親家庭向けの学習支援などを行うNPO法人キッズドアというところで学習支援をやっていて、どちらかというとそこではインプット型の学習が多かったんです。でも、アウトプットもしたほうが、よりインプットが伸びるのではないかと思ったんですよね。実は今年の4月から公文で働くのですが、就職が決まったものの、子どもたちとの関わり方、接し方が全然分からなかったんです。就職する前に、客観的に子どもと接したいと思ったし、また探究型学習の実践を見てみたいとも思いました。

もりりん:僕も探究型学習の実践を見てみたいタイプでした。最初、子どもたちの様子を見たときはびっくりしました。かなり難しいことをやっているのに、主体的にやってくれているなと感じたから。どんな仕掛けがあるんだろう?って興味津々になっていましたね。今まで授業で生徒をメンタリングしてこられたと思うんですが、どんなことに気を付けてやっていましたか?

あんまり:まずは子どもと仲良くなることを意識していましたね。子どもって、直感で仲良くなれるか、信頼できるかどうか大人を見極めているなと感じます。なので、授業を一緒に楽しむために積極的に話しかけるようにしたり、あとは笑顔で接するようにしてましたね。

もりりん:たしかに!!笑顔大切ですもんね。そりゃあんまりさんになつく生徒も多いはずです(笑)ちなみにどんな生徒が多かったですか?

あんまり:自己主張が強い生徒が多かったです。「聞いて聞いて!」みたいな感じで話しかけてくれるのが可愛くて。(笑)あとは恋愛事情を話してくれる女の子もいます(笑)

もりりん:そうなんだ!!小学生の恋愛事情は気になる(笑)僕も仲良くなるために一緒に遊びまくっていましたね。子どもの最近のトレンドを調べたりもします。

あんまり:最近の子はマイクラ(マインクラフト:ブロックを設置して冒険を進めるゲーム)好きですね。一緒にやってみましたが、なかなか難しかったなあ…。生徒は頭が柔らかいからすごいなあと思います。

もりりん:授業でも生徒の頭の柔らかさを実感するタイミングありますよね。授業中でも突然突拍子のない意見を言うことありますよね。

あんまり:本質を突く生徒が多いですよね!

もりりん:今おしごと算数で貿易商の仕事をやっているけど、算数の単元としては「単位」なんですよね。でも、生徒は「なんで貿易商なのに単位なの?」とか聞いてくるんですよね。

あんまり:ものに応じて単位を選ぶときも、「なんでこんなに単位ってものによって違うの?これでいいじゃん!」って言ってきて、「なるほどね!」って腑に落ちることも多いです(笑)

もりりん:めっちゃ分かります!!生徒に納得してしまってうまくフィードバックできないこと結構ありますよね。それが生徒と関わっていて面白いところでもあり難しいところでもありますよね。

褒め方が承認→共感へシフト

もりりん:a.school Mentorsに入ってよかったこととか、入る前と比べて自分で変化した部分ってありますか?

あんまり:最初は、私の方が生徒より年上だから〇〇してあげたいっていう気持ちがありました。そんな時に当時の講師から、「子どもと対等な目線でメンタリングしないと、どんどん偏見が入ってしまい、その子の主体性がどんどん失われてしまうのではないか」と指摘されたんです。
どうしても子どもっていうと、大人が面倒を見てあげる、守ってあげる存在になってしまいがちです。でも、子どもはすでに力を持っているので、引き出してあげるのがよいのではないか。うーん引き出すというのも微妙だなあ。お互い刺激し合える関係になると、生徒も自分も勝手に伸びてく、っていうスタンスに初めて気付かされましたね。

もりりん:僕も、教育って結構押し付けが強いなって思っていたけど、a.schoolに入ってみると、やはりお互い相乗効果で高め合っていった方が伸びるんじゃないかっていう気がしてて…。

あんまり:ただ承認するだけもあまりよくない気がしていて。例えば、メンターが単純にいいね!って言いすぎると、こちら側が勝手に正解不正解を決めつけていることになる。それは0→1思考を阻害することになるのではと思います。そう思ってからは、いいね!だけじゃなくて、これのこの部分がいいと思う!この道具があったら使う!みたいな共感をするようになりましたね。

もりりん:なるほど!承認ではなくて共感に褒め方がシフトしたってことですよね。それって日常生活でも変わったりしましたか?

あんまり:変わりますね。ほんと今まで、友達に対してとかも、「果たして自分は共感してたか?」と思うようになりましたね。私より年上の人と仕事をする時も、「いいですね!」だと単純にその人を承認しているだけであって、純粋にもっと、こういうところがいいと思う!と共感ベースでいったほうが、 結果としていいものが出来ると思いました。具体的なアドバイスにも繋がるなあと思います。

もりりん:今お話聞いてて、あんまりさんは、話す言葉が「Youメッセージ」から「Iメッセージ」に変わっていったんじゃないかなって思いました!

a.schoolに入ってからの自分の変化

もりりん:もしあんまりさんの理想のメンター像がもしあったとして、半年メンターをやってみて、それに近づけましたか?

あんまり:そうですね、最初は、いわたくさん(岩田拓真さん)みたいに、ダメなことはダメと言ったり、オンとオフがうまかったりする人がいいのかなって思ってたんですけど、明日希さん(横山明日希さん)に講師は代わってから、一緒に楽しむことがいいんだなって変わりましたね。あとラボでメンターのサク(佐久間康生さん)と一緒になって、彼は一緒に楽しむのがうまい人で、自分の中で揺るがない軸を持っていて、それもすごく刺激になったなあ。その3人をミックスして、それぞれのいいところを取って成長できたかなと思います。いろんな人からたくさん吸収して成長できました。

もりりん:いいですね!a.schoolの中にもタイプが違う人がたくさんいて、その中でやってるからこそ、そういうそれぞれのいいところを吸収しているのはとてもいいなと思いました。どの講師の担当クラスになるかによってもメンターの考え方にかなり影響を与えますよね。

あんまり:講師の出方によってサポートの仕方は変わりますよね。

幼少期は習い事に没頭

もりりん:じゃあここから、a.school以外のことを聞いてみたいんですけど、あんまりさんは小さい頃どんな子どもでしたか?

あんまり:ずっと人形遊びをしていました。女の子らしい、シルバニアファミリーみたいな。人形を使って物語を作るのが好きでしたね。あと兄がいて、兄がすごいアクティブだったので、走り回ってて、海と山が近くにある環境だったので、兄と釣り行ったり、山に登ったり、おにごっこしたり、兄についていったりしてました。インドアもアウトドアもどっちも好きでした。あと本読むのも好きでしたね。

もりりん:へえー!オールマイティーな感じですね!何か習い事はされてたんですか?

あんまり:習字、ピアノ、水泳、ガールスカウト、公文、塾とかですね。どれも楽しかったです。それぞれ楽しさがあって。塾だったら、全然できないときは悔しいけど、すらすらできるときの楽しさがあったから続けられたし。習字は、同じ人間が書いているのに全然違うものになって、これって手のせいなのか、見る目のせいなのかみたいな。いろいろ試行錯誤するのが面白かった。ピアノは、一つの曲ができるまで、きちんと曲をインプットして、自分が弾けるようになるまでやって、でも正解はなくて、ここはテンポよく弾くとか、ここはゆっくり弾くとか、そういったアレンジを加えられるのが面白くて。あとガールスカウトは規律がしっかりしていて、厳しくて、掟とかルールとかを守るみたいな。子どもの自発性を集団の中で伸ばすみたいな習い事なんですけど、めっちゃよくて、チームっていう意識も芽生えました。掟を唱和したりしてましたね。

もりりん:なるほど!ちなみに、今思い返してガールスカウトの掟が今の自分に生きているって思ったりしますか?

あんまり:我々は地域と国と世界への責任を果たし…

もりりん:わあすごい!!今でも覚えていらっしゃるんですね!!

あんまり:「みんなと仲良くすること」っていうのも掟に入っていて。たしかに大切だなあと思いました。でもこれはちょっと違うんじゃない?っていうのもありましたね。

もりりん:僕はそういうこと全くやってませんでしたね。僕は家の前の公園で遊んでただけだったんで。サッカーしたり、地域の友達と野球したり、カードゲームしたりしてただけで。だからこんなに習い事をやってたあんまりさんにびっくりしました。

「人間はなぜ違うのか?」~一人ひとりが自分らしく生きられる社会へ~

もりりん:子どもの頃のこともたくさん聞けたところで、じゃあ最後に、あんまりさんがどのようにして自分のやりたいことを決めていったのかお伺いしてもいいですか?

あんまり:もともと、「人間はなぜ違うのか?」っていうのが自分の中での疑問で。人間はどうやってできるんだろうってずっと考えてて。それこそ兄が、同じ環境で育っているのに全然違って、猪突猛進で、石橋は全く叩かない人だったんです。私はそれで失敗していた兄を見ていたので、とても石橋をたたく人間になったのかなあと思いつつ。あと、小3くらいのときに、兄とか周りの子と一緒にサッカーやってたんですけど、そうしたら周りの女の子から「男好きじゃん」って言われて、「え、こっちは楽しくやってるだけなのに…!」って思って。その時に、「あれ、男と女って違うのかな?」って感じました。他にも、母が神奈川出身で、家では標準語で話すので、私も標準語だったんですけど、学校だと方言が主流だから、周りから「まりちゃんなんか話し方が冷たいよね。」って言われて。「え、テレビと同じ言い方やん!」って思って。
こういう経験から、同じ人間なのになんでこんなに違うんだろうって思うようになりました。男性と女性でも違うし、同じ環境に育っていても違うし、これがすごい不思議で。大学に入ったら、どうやって人間はできていくんだろうっていうことを知りたくて、最初は心理学を勉強していたんですけど、心理学はただ人間の状態を分析するだけで、どうやって人間は変化するとかはあまり教えてくれなかったんですよね。だから、人間の変化を分析して判断をするのは教育だなって思って。そこから教育に興味を持ち始めました。教育は人間をつくる上でとても重要な営みだなって思って。こういう風に育てたらこういう人間が育つんだ!みたいな。

もりりん:なるほど!最初の問いは「人間はなぜ違うのか?」っていうところなんですね。ぼく全然そんなこと思わなかった、人間はみんな違うのが当たり前だと思ってたから。そこを問い直したあんまりさんすごいですね。

あんまり:それこそ、みんなと一緒に遊びたいのに遊べない疎外感とか、ヤジというか、それが嫌で。問題意識とかも、困らないと生まれないじゃないですか。そういった意味で人間関係で困ること多かったかも。親も兄と妹に対して接する態度が違ってて。男性と女性で差をつけるのはおかしくない?とか思ってて。そういったところからも疑問が生まれましたね。

もりりん:なるほどー!とてもいい話聞けたなあ!!じゃあ最後に、将来こんな人になりたいっていう将来のビジョンってあったりしますか?

あんまり:自分の中に命題があって、「自律と共生」をテーマに生きていきたいと思っています。人間は勝手に、自分のやりたいことをやって生きていくことができるものだと思っていて、でも人間はみんな一緒に生きているからこそ、折り合うことが大切だなって。だから、みんなと一緒に生きながら、一人ひとりが自分らしく生きられる社会になればいいなあって漠然と思っていて。ただ自分勝手に生きるだけだといけないから、集団の中でどういったルールを設けるかとか、共存意識っていうのをどうやって芽生えさせるのがいいのかなって。それをビジョンに生きていきたいです。

もりりん:なるほど!とても素敵ですね!!最後に、このインタビューを読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

あんまり:a.schoolは、自分らしくいられる最高の場所です。自分らしく、どーんと飛び込んでみてください!

もりりん:最高のメッセージ!ありがとうございました!!

編集後記

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あんまりさんとは授業が被っていなくて、普段お会いできないメンターだったので、今回お話を聞けてとても嬉しかったです!承認から共感に褒め方がシフトしたというお話は、私も今後のメンタリングに参考になりました。素敵なビジョンをお持ちのあんまりさんのこれからのご活躍をお祈りしています!(もりりん)
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