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ドナウの曲がり角、雄大な自然~ハンガリー・ドナウベンド編~

センテンドレ

ブダペストから郊外電車に揺られること40分、窓外は長閑な田舎風景になってきました。終点はセンテンドレ駅。芸術家が集まると言われる、ドナウの曲がり角ことドナウベンドの入り口です。

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駅から中央広場までは歩いて10分ほど。道中もなかなか風情があります。

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都会のブダペストではなかなか味わえない風景に、少し感動。ひとり感激しているうちに、中央広場へ。

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14世紀から商業都市として栄えたという姿をそのまま残したかのような、古い都。15世紀にはオスマントルコの支配から逃れてきたセルビア人が定住したとのことで、セルビア文化が色濃く残っているそう。僕はセルビアに行ったことがないので、具体的にどのようなところにセルビア色を感じられるのかは分かりませんでしたが、歴史的なところは抜きにして、カフェやギャラリー、雑貨屋などがめくるめく現れるところにとても惹かれました。

中央広場に小ぢんまりと建つブラゴヴェシュテンスカ教会

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ヴィシェグラード

センテンドレからおよそ1時間ほどバスで行くと、ドナウ川が真横に見えてきます。ヴィシェグラードはもうすぐそこ。ハンガリーと言えばブダペストだと思いますが、このヴィシェグラードは個人的に大変オススメの場所です。ヴィシェグラードは、14~15世紀のおよそ200年の歳月、栄華を極めていたと言います。しかし、歴史の表舞台から姿を消したヴィシェグラードには町らしい町は残っておらず、古跡が残るのみ。そうしたところもロマンに溢れていると思いますが、15世紀にローマ法王が「地上の楽園」と称したこの地の魅力は、何と言ってもドナウ川が雄大に曲がって流れるさまを眺望できるパノラマスポットにあるでしょう。まずはバスを降り、眼前のドナウ川を愉しみます。

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ドナウ川を満喫しながら歩いていると、小さな教会やロマンチックな王宮跡が見えてきます。

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この王宮はルネッサンス文化の中心地として栄えたそうですが、ハプスブルク支配からの独立を目指した自由戦争以降、ハプスブルク王ヨーゼフ1世はこの地がハンガリー独立の拠点となることを恐れて破壊しつくしたということです。しかし、農夫が偶然に建物の一部を発見したことから、考古学者らによって発掘・復元作業を行っているのだとか。ジブリ作品のような世界観ですね!

さて、最後の写真の一番上に、城らしきものが見えるでしょうか。ここは王宮の要塞として機能していた場所だそうですが、「ドナウの曲がり角」を一望できるところが最大の魅力です。

ここでとある問題にぶち当たりました。「行き方」です。要塞まで歩くと1時間半程度かかるので、タクシーを使うと良いとのことだったのですが、携帯は通じていないしタクシー運転手が英語が通じるとは限らない。とりあえず、辺りを歩いている地元の人にタクシー手配を手伝ってもらおうとしたものの、今度は英語が全く通じない。そこで思い出しました。こういう時に備えて、ハンガリー語で「はい」と「いいえ」と「ありがとう」と「こんにちは」を覚えて来たんだった。

早速披露してみる僕。「こんにちは」。声をかけると「こんにちは」と返ってくる。ああ通じた。嬉しい。しかし残されたカードは「はい」と「いいえ」と「ありがとう」しかない。とりあえず、「ありがとう」といってみる。ぎこちない笑顔が返ってくる。これではただの変人だ…。

というわけで、ハンガリー語作戦は諦めた。仕方がないので、若い英語が喋れそうなハンガリー人を待つことにする。10分ほど経っただろうか。若いイケメンが現れたので、早速ハンガリー語で挨拶!すると、笑顔で何か返事が返ってきた。掴みはOKっぽい。ここで先ほどまでの失敗を活かし、英語に切り替える。「あの城まで行きたいんですけどタクシーを手配してくださいませんか?」通じろ!通じてくれ…!

「いいよ!」

やった!!これでひとまず目的地まで行けそうだ。ありがとうイケメン!!

タクシーはミニバスと呼ばれているらしく、5分ほどで来ました。イケメンは性格もイケメンで、運転手さんに要塞まで連れて行って欲しいこと、要塞を見終わるまで待っていてほしいこと、希望の値段など、伝えて欲しいすべてのことを伝えてくれました。そして僕はその時、決心しました。生まれ変わったらイケメンになろう―。

さて、無事に要塞付近に到着。割と人がいて、驚きです。皆、車で来ている様子。レンタカーで来るのもアリですね。

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城へと入っていきます。

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迫力あるなぁ。もうここだけでもワクワクしすぎて充実感マックスでした。

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来ました、頂上付近!そして見えるは…、、

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圧巻としか言いようがない!とにかく綺麗だった。来た甲斐があったー。
雄大な自然とハンガリーの原風景にひとり浸り、幸せなひとときを過ごしました。

ただ残念なのは、画像が悪いこと。行ったのは確か2013年なので、スマホが古くカメラの性能が悪かったのです。

それでは最後の町、エステルゴムへとバスで移動します。

エステルゴム

バスターミナルから町の中心セーチェニ広場までは徒歩で10ほどで、この間にまたハンガリーの田園風景を楽しめるかなと思いきや、割と建物がいっぱいでした。人通りが少なく、独特の風景を醸し出しています。

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セーチェニ広場の風景

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正直なところ、町の中心部はあまり見所がなさそうなので、大聖堂やドナウの風景を楽しめる場所へ移動することにします。

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この大聖堂はハンガリー・カトリックの総本山だそうです。かなり大きく、迫力があります。

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ハイライトは、王冠を授かる初代イシュトヴァーン像でしょうか。

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さて、ここからが本番です。この大聖堂は丘の上にあり、ここからはまたまた雄大なドナウ川の姿を望むことができます。

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果てしなく綺麗です。ちなみにこの橋はマーリア・ヴァレーリア橋と呼ばれ、第二次大戦で破壊されたものの、2001年に再建されたのだそう。この橋の向かい側はスロヴァキアのシュトロヴォという町です。

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この橋から見るドナウ川、大聖堂の眺めも素晴らしい。

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以上でドナウベンドの旅は終わりです。ハンガリーの地方小都市は魅力たっぷりでした。ドナウの絶景を楽しみたい方は、是非ドナウベンドへ行ってみて下さい!次回はハンガリーのワイン名産地、エゲルへと足を伸ばしてみます。

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