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日本IBMを退職しました

タイトルの通り、これまでお世話になった日本IBMを退職しました。2015年に入社し、約6年弱働いたことになります。
自分のこれまでの経験、考えの整理のためにもこういったアウトプットをしてみようと思い、退職エントリーなるものを書いてみようかと思います。(noteとかはてブロとかで最初の記事が退職エントリーの人ってどれくらいいるんだろう)
最初に書いておきますが、僕にとってIBMは本当にいい会社だったと思います。不満と呼べるようなものは無く(一般的に会社員やっていて感じるようなことはもちろんありますが)、上司にも同僚にも後輩にもお客さんにも恵まれていました。一緒に仕事をさせて頂いた方々には改めて感謝致します。

IBMでのキャリア

僕は2015年に新卒でIBMに入社し、IT Specialistとして採用して頂きました。IT Specialistといってもペーペーもいいところで、右も左もわからないままなんとか新人研修をこなしていった程度です。
包み隠さずに言うと、学生の頃は「3年働いたら転職」と思って入社しました。結局5年と9ヶ月くらい在籍していた事になりますが、それだけ環境に恵まれていたからでした。ただ、いつでも転職できるだけのスキルを付けるということは常に意識していました。
なので、言われたことは基本的にはNoと言わず、何事も勉強と思い取り組むことで本当に面白い経験を積ませてもらうことができました。そういったこともありNYにも2ヶ月弱滞在してOJTをしたり、NYの本社で偉い人達と話す機会をもらったりとかのご褒美ももらいました。仕事の面でも、力量以上のポジションを与えてもらい開発~PM, 提案活動, コンサル案件にも携わらせてもらい、キャリアとしての幅を広げる事ができました。(もちろんその分大変でしたが、それも含めていい経験ですね)ざっくりまとめるとこんな感じでした。

1~2年目 : ド素人フェーズ
留学帰りでドヤってる心をバッキバキにされ、初めてのプロジェクトも大炎上しており麻痺しながら駆け抜けた2年間でした。人としても技術者としても一番成長した時期だったと思います。一番辛く、一番楽しかったと思います。
3~4年目 : あ、やっていけるなフェーズ
経験値も上がり、一段落と思った矢先にリーダーロールなどを任されてまたてんやわんや。この頃からバッキバキになった心も治り、スキルも経験もつくことでガンガン上を目指していこうと思った頃です。
5~6年目 : PMはじめましたフェーズ
ひょんなことから初めて提案~リリースまでPMを担当することに。裁量も大きくなり自由に仕事をさせてもらいました。これまでの経験をフル活用し、なんとかやりきり、悩みながらも本当にエキサイティングな仕事をさせてもらいました。

なぜ退職しようと思ったのか

じゃあこれだけいいことばっかり書いていて、なんで転職するんだよ、というところを書いていこうと思います。
もちろん、時間的余裕ができればいいとか、給料が上がればいいとかそうゆう理由も無いわけではないですが、そんなものは転職してみないとわからないのでここでは書きません。
大きく分けて3つに整理しました。

1. SIerとしての働き方以外を知りたい
正直なところ、このタイミングで転職を考え始めたのはこれが一番大きい理由だったかなと思います。
SIerの基本的な仕事はお客さんのシステムを要件定義から開発までのお手伝いをするサービスだと思います。また、システムを開発しっぱなしではなく、その後の保守・運用なんかを引き取るケースも多いと思います。
開発であっても保守であっても、お客さんから契約をもらってお金をもらった上で動けるようになるわけですが、どちらの場合も最も一般的な勘定のやり方というのは人月計算になると思います。(請負契約やら支援契約やらというのはありますが、きままなnoteなんでまぁ置いといて)
そうなると、自分がお客さん(強いてはお客さんのプロダクト)に対してかけられる時間というのはその人月の範囲内になってしまうわけで、「ああすればもっと良くなる」、「こうゆうことを試してみたい」というモノづくりで一番モチベーションが上がる部分が制限されてしまうもどかしい状態が多々ありました。またSIer側も人月減→売上減がという構造になってしまい、「効率化するほど売上が下がる」ことになってしまいます。(もちろんかけた時間ではなく、生み出す価値で対価をもらうのがあるべき姿ですが)
社内の有志の研修などでもこういった議題についてディスカッションをすることなどもありましたが、今の自分では明確にこうするべきだとかそれを実行するほどの経験も知見も立場も余裕もなく、それであれば一度外の世界を見ることで違った目線で考えられないかと思い立ったわけです。

2.  技術だけでない経験を積みたい
1つ目は漠然と業界に対する思いでしたが、こっちはもろに自分のことです。
僕がなぜエンジニアになりたかったかと言うと、自分でプロダクトを作れる人間になりたかったからです。大学を卒業してからシアトルに留学していたのですが、そこで色んなスタートアップのCEOやCTOの人たちと話をする機会があり、強い憧れをもったのがITを仕事にしようと思ったきっかけでした。あれから6年弱が立ち、まだまだ未熟ではありますがサービスを一つ作ろうと思った時に、一人である程度のことはこなせるようになったと思います。(もちろん、偉大な先輩方の教えなしではやってこれなかったです)この業界にいる人なら誰しも思うことだと思いますが、エンジニアというのは常に勉強し続けることが求められる業種だと思います。大変ですがもちろんとても楽しいですし、できることならずっと技術だけに没頭したいと思うこともあります。
ただ、突っ走ってきてふと思い返してみると、自分が本当にやりたい事はこれだったのかと。このままIBMで働いていて、あの頃に憧れた姿になれているのかと。もちろんこのままIBMでエンジニアとしてのスキルを伸ばして行くのは決して間違いではないと思いますが、同時にどんどんと腰が重くなっているという実感もありました。
そうこうしているうちに20代最後の年を迎え、タイミング的にこれを逃すともっと動きづらくなってしまうと思い、まずは動くだけでもなにか得られるだろうと思い一念発起し転職活動をしました。
これまでずっとエンジニアとして働かせてもらっていましたが、国内外で出会った方々でロールモデルにしたいと思う方々はみなさん営業経験をもっているということもあり、技術的な知見を活かしながらビジネス寄りの仕事もできそうなプリセールスエンジニアとして働くことを決めました。もちろんIBMにも同じ職種はありますし異動することもできましたが、せっかく職種を変えるのであれば、IBMの外のやり方を知りたいということで転職をすることにしたわけです。

3. 自分の力が社外で通用するのか試したい
上述のとおりプリセールスエンジニアになることを決めたわけですが、IBMは比較的異動がしやすい会社だったので、もちろん社内で異動したほうが社内のネットワークも活用しながら仕事ができとてもやりやすかったと思います。また、自分で言うのもなんですが、それなりに評価はされていたほうだったかと思います。(ほんとに何いってんだって感じですよね。でもそれだけ頑張ってはいましたよ)
ただ、その一方で「IBMで活躍する」ことに関して詳しくなっているんじゃないかという不安も感じました。もちろん社外の資格も取ったり、プロジェクト経験も積んでいって年次以上の成長をしてきたこという自負もありましたが、あくまでIBMという屋根の下で守られていただけなんじゃないかと思うこともありました。
これまでの仕事の中で一番成長していた時間というのは、自分のコンフォートゾーンの外にいる時間だったので、それなら今までの自分の経験が全く通用しない会社の外でやってみようという事になったわけです。(ドMの発想ですね。元陸上部はそうゆう人多いと思います)

これから何をするのか

文章書くのが下手なので、ダラダラと長くなってしまいましたが、これからの事を最後に書きたいと思います。
上にもありますが、これからはSaaS製品を取り扱う会社でプリセールスエンジニアとして働きます。純粋なセールス職ではないですが、これまで自分がメインでやってこれなかった売る(=売上を立てる)ということをメインにやっていきたいと思います。
まだスタートアップしないのかよ!という事を言われそうな人の顔が数人浮かびますが、まだなんです。もちろん今回の選択が最適解だったかはまだまだわからないですが、懲りずに尻を叩いてくれると嬉しいです。
また、仕事だけでなくプライベートでももっと深みのある人間になりたいなと思います。転職活動~退職前は24時間フル稼働でしたので、その分家族との時間ももっとゆっくりと過ごせるようにします。あとは、20代最後の挑戦だと思いアメフトを始めたので、肉体改造にも取り組んでいきたいです。(順調に脳筋化も進んでいます)

このnoteを書いている最中にちょうど退職メールを社内の方々にお送りし、たくさんの方々から温かいお言葉を頂くことができ、本当に人に恵まれたIBMでの社会人人生だったと痛感しました。支えて下さった皆様には感謝の念が絶えません。また、転職活動やプロジェクトの忙しい時期に家庭のことも精神的にも支えてくれた家族には心から感謝しています。
そしてこんな駄文を読んで下さった皆様もありがとうございます。通勤通学、インストールの待ち時間などの暇つぶしにでもなれば幸甚です。

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