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一緒一大事【ショートショート#004】

みらいみらい、あるところに花子という女の子がいました。花子の宝ものはお父さんとお母さんにプレゼントしてもらったくまのぬいぐるみのリサ。

朝ごはんを食べるときも、遊ぶときも、お風呂に入るときも、夜寝るときも、どこにいっても、どんなときでも、花子とリサは一緒です。

ある日、花子はお留守番をすることになりました。

「花子、今日お父さんとお母さんはお仕事で家にいられないの。初めてだけどお留守番、できる?」

「うん!リサもいるから大丈夫!」

花子は元気よく返事をしました。

「そう、なら大丈夫ね。いい子にしているのよ」

「はーい!いってらっしゃ~い!」

初めてのお留守番。でも花子は大丈夫です。なぜなら、リサは花子のお話し相手にもなってくれるからです。

リサはいつも楽しいお話をしてくれます。みんなが知っている物語から、花子が主人公になる物語まで、リサといれば飽きることはありません。

一通りリサとお話をした花子は、

「わたし、家にいるのが飽きたの。そろそろ外に遊びに行きたいの。」

と花子はリサに言いました。それに、リサはこたえます

「わかった、じゃあこれから森にいきましょう!靴下を履いて、靴を履いて、それにリュックに水を忘れずにね。」

花子は家の外にでると、リサと一緒に森の中をかけていきます。

「あっ!痛い!」

花子は木の根に引っかかって、小さい穴に落ちてしまいました。膝がじんじん痛んで、立ち上がることができません。おいおいと泣く花子に、リサは優しく声をかけます。

「ああ花子、痛かったねぇ。大丈夫?少しここで休んでいきましょうか」

花子は大きい声で泣いたあと、疲れてしまったようでうとうとして眠ってしまいました。

リサは花子が寒くならないように寄り添って一緒にいます。

「花子、花子、もうぐっすり眠ってしまったのね。リサ、今日も花子にいろいろなお話をしてくれたり、こうして守ってくれてどうもありがとう。さぁ、帰りましょう。」

花子を迎えに来たお父さんとお母さんは花子とリサを抱き上げ、家に帰っていきました。

おしまい。

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