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#読書感想文

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#矢作俊彦

『フィルムノワール/黒色影片』 作者:矢作俊彦

久し振りの二村永爾シリーズ。 作家デビュー間もない頃、1972年の短編に於いて神奈川県警の刑…

浅野 智
7か月前
5

『傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを』 作者: 矢作俊彦

三十何年か前、逆らって逆らって生きていた風に屈服し、東京を離れた。風に追われるまま日本を…

浅野 智
1年前
4

『引擎/ENGINE』 作者: 矢作 俊彦

築地署の刑事である游二(りゅうじ)は、張り込み中だった。このところ派手に稼いでいる高級外…

浅野 智
1年前
4

『サムライ・ノングラータ』 作者: 矢作 俊彦, 司城 志朗

矢作俊彦と司城志朗共著の長編小説の第三作目であり、元は、1984年に刊行された『海から来たサ…

浅野 智
1年前
3

『ららら科學の子』 作者:矢作俊彦

矢作俊彦というのは器用な作家である。 そのテーマというのか、趣旨とでもいうのかによって、…

浅野 智
1年前
9

『舵をとり風上に向く者』 作者:矢作俊彦

初出が1986年。 まだ、著者である矢作俊彦が、概ねに於いてハードボイルド作家として扱われて…

浅野 智
1年前
3

『あ・じゃ・ぱん』 作者:矢作俊彦

1990年代以降、従来のハードボイルド小説作家の枠から抜け出した矢作俊彦が1997年に刊行した本書は、ハードボイルドどころか、もうSF作品である。改変歴史(オルタネートヒストリー)モノだ。 第二次世界大戦の終わりっ端の1945年7月18日、ソビエト軍が満州に侵攻。8月4日には北海道に上陸。 パニクったアメリカ軍は、8月17日、原爆を腹に抱えたB29を出撃させる。悪天候により本来の目的地であった新潟への投下を諦めるも、事故により富士山火口に原爆が落下、富士山が消失。 9月24

『スズキさんの休息と遍歴―またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行』 作者:矢作俊…

矢作俊彦は1972年に小説家デビューした。 流麗な文体、レイモンド・チャンドラーを彷彿とさせ…

浅野 智
2年前
4

『さまよう薔薇のように』 作者:矢作俊彦

げげげ。なるほどそうか、もう約40年前の作品になるのか。矢作俊彦の割りかし初期の名作の一つ…

浅野 智
2年前
2

『ハード・オン』 作者:矢作俊彦、平野仁

作は矢作俊彦。画は平野仁が担当。クセはあるが魅力的な画風のマンガ家だ。 矢作氏が大好きな…

浅野 智
3年前
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『気分はもう戦争』 作者:矢作俊彦、大友克洋

中ソ戦争が勃発する漫画作品である。 え?ソって何って?ああ、そうか。ソビエト社会主義共和…

浅野 智
3年前
3

『リンゴォ・キッドの休日』 作者:矢作俊彦

「神奈川県警二村刑事のお宅ですね」 そ奴は言った。舌先でとろりと溶かしたチョコレートみた…

浅野 智
3年前
2

『死ぬには手頃な日』作者:矢作俊彦

ハードボイルド小説を、探偵小説や犯罪小説、ましてや暴力小説と解するのは間違いだ。ハードボ…

浅野 智
3年前
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『凝った死顔(マンハッタン・オプ1)』 作者:矢作俊彦

矢作俊彦を語るには、やはりマンハッタン・オプを外すことは出来ない。 以前にデビュー作を含めた短編集の書評でも書いたことではあるが、私が著者を知ったのは、1980年5月から1983年9月にかけて月~金の深夜にFM東京で放送されたラジオ・ドラマの作者としてだった。 一世を風靡したそのドラマの台本を元に書かれたのが、本書を含む『マンハッタン・オプ』シリーズだ。 マンハッタンを舞台とした名無しの探偵を主人公としたハードボイルドは、ダシール・ハメットの「コンチネンタル・オプ」へのオマ