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心を病まないためのフィードバックを受ける際の心構え

プロトタイピングって、「できるだけ早い段階で小さい失敗をたくさんしよう」ということがあちこちで言われています。
だから最近はそういうことを理解している人が増えてきたなあと感じます。

その「できるだけ早い段階で小さく失敗」をするためのプロトタイピングなのに、フィードバックとなるとそれを作成したデザイナー一人に集中砲火を浴びせているような形にどうしてもなってしまいがちです。

でもそれはそう見えるだけで実は違うのよ!と、これまでに出会った学生達や、経験の少ない若いデザイナー達に言ってきました。

あなたの作ったそれはチームの重要な初めの一歩です

なんでもそうですが、「こういうプロダクトを作りたいよね、作ろう!」と話しているだけだったらなにも出来上がらないですよね。

作り始めるにしたって、土台がなければここはこうしよう、もっとこうしたらどうかという具体的な思考や活発な議論が進んで行きません。
何も作らなければ、失敗することすらできません。

プロトタイプをチームに共有した途端、チームメンバーからワワワワワーッとフィードバックがあります。当然のことです。ない方がおかしいのです。

しかし経験の少ないデザイナーの場合、自分自身が否定されたと思ってしまって落ち込んでしまったり、ムキになって言い返してしまったりするということがしばしば起こります。

考え方をひっくり返してみるといい

それまで話でしかなかったものが、ワイヤーフレームやプロトタイプを作ることで一気に具体的になります。
視覚化することでチーム全員の認識が統一されたり、完成イメージがより明確になったり色々と次へ踏み出せるのです。

「チームのその一歩を作るのがデザイナーとしての自分の役割の一つなのだと思って欲しい。
これがなかったら、こんなに活発な議論は生まれなかったのだから、胸を張るぐらいでちょうどいいのよ。ただし謙虚な心でね。」

そんな風にいつも言っています。

作った成果物と自分自身を一旦切り離してみる

そうは言っても闇雲に胸を張るのはベテランでも難しいです。かく言う私だっていきなりワーーーッと頭ごなしに否定されたら、話を聞く気がなくなります。
よほどトンチンカンな物を作ってしまったならともかく。

そこで!
作って共有したら、一旦自分と切り離して、その成果物と少し心の距離を置いてみるのはどうでしょうか。

画像そのものを作ったのはデザイナーであるけれど、プロトタイプは「チームの所有物」「チームの資産」です。自分一人のものではないのです。

そんなアドバイスをすると、ほとんどの学生や若いデザイナーの方々の落ち込んだ表情が、パッ!と希望に満ちた笑顔になります。
「なるほど、心がけてみます!!」って。

また自分から一旦切り離してみることで、作成したプロトタイプを客観視しやすくなり、自分でツッコミを入れることができるようになっていきますので、一石二鳥です。

Figmaで経過を人に見られることに慣れていく

専門学校での私の授業では、ことあるごとにみんなの前でプレゼンして人に見せる、そしてみんなで議論するということを行っています。
講座が終わる頃にはほとんどの学生が堂々と人前で発表ができるようになっています。
プレゼンテーションの上達よりも先に「慣れ」が必要だろうと思っています。

デザイナーは「きちんとした物を完成させてから人に見せたい」と思うものです。

しかしプロダクトを作る際は一人で抱え込むのではなく、意識して仲間やチームメンバーに最初の段階から見せ、議論しながら作り上げていくということが必要になります。

例えばFigmaを使い、完成する前から人に見せたり意見をもらったりすることに慣れていくといいかもしれません。

UIデザインツールのFigmaは登場した時からコラボレーション・デザインができるということが最大の特徴です。
教育目的なら無料で使い続けられるそうです。

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Figma education plan


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