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我が家の引っ越しフェス 【序章】

1月18日は我が家にとってのXデーだった。

構想から2年。少しずつ進めてきたマイホームが完成し、1月18日に晴れて輝かしい引っ越しをする・・・はずだった。

しかし、引っ越しの前日。我が家は荒れに荒れていた。私は怒りのあまり、フライパンを床に叩きつけ、割とよく使っていたお気に入りのフライパンを使い物にならなくするというような状態だったのだ。

・・・

この家は私たちにとってただの家ではなかった。2000万円弱あれば私たちが住む家など十分に建てられたのに・・・。何を思ったかもう1000万円上乗せして、ゲストルームを併設した。

『みんなで新年会かねて、じんちゃんちの引っ越し手伝おうぜ!』

道東誘致大作戦を始めたメンバー4人で行った12月の秋田で、中西拓郎が言い出したことだった。アートディレクターとデザイナー、そしてカメラマン。ゲストルームの宣伝もしてくれると言うのだから、断る理由などなかった。

そう、この時は・・・。

年を越した1月上旬。

「引っ越しは1月18日・19日で!」

とだけメンバーに投げ、私は仕事に追われまくって、その後のハンドリングを完全に放棄してしまっていた。

ただ、その後を託した相手が悪かったのだ。この男がただの引っ越しをただでは済ますはずもなかった。

あぁ、そろそろ引っ越しの段取りをしなければと、拓郎が作った『道東新年会2019』と名付けられたグループをようやくちゃんと見たのは、Xデーの1週間と少し前。

ん・・・?

メンバー20人??

どうやらこの男、できたてほやほやの新居に泊まるというのに、手当たり次第に声をかけまくったようだ。

しかも前泊もするという。

メッセのやり取りにもあるが、うちのゲストルームはそういう宿じゃない。

大樹町の雄大な景色を一緒に楽しみ、できればロングステイをしながら、ゆったりと私たちの暮らしを隣に感じながら過ごしてほしい。そんな思いから、受け入れは1日1組。マックス4人。学生だけの団体はお断り。というルールを旦那と作っていた。

このとき、私はきちんと事態を正確に捉えるべきだったのだが、追われる仕事と引っ越しの準備で、そんなことに構っていられる余裕などなかった。

母屋もあるから、なんとかなるか

と軽く考えてしまったのだった。

事態が発覚したあと、旦那にすぐに報告した。

私 「11人泊まるんだって」
旦那 「は?」
私 「全員はゲストルームに寝れないから、母屋に寝てもらおうと思う」
旦那 「う、うん」
私 「前泊する人もいるみたいだから、ゲストルームに寝てもらっていいよね」
旦那 「う、うん」

この時は、そんな感じで終わったのだが、事件は16日の夜に発生した。

次の日からみんなが大樹町に来るという日に、些細なことから旦那と喧嘩をしてしまった。旦那は住宅や土地の登記や住所変更、最終の工事の調整、私は荷造りとみんなの受け入れ準備でお互いまったく余裕がなかった。

トゲトゲした会話が続く。

旦那 「そもそも俺は、11人泊まっていいかどうか聞かれてない!」
私 「は?今さら何言ってるの?報告したじゃん!」
旦那 「なんでおまえはいつもいつも勝手に決め※○△*・・・」
私 「もういいよ!来るのやめてもらお!やってらんない!」

だいぶ端折っているが、大きな流れはこんな感じである。この途中、私はフライパンを一つ壊している。

冷静になった旦那に、どうしてそんなに泊まるのが嫌なのか聞いてみた。そもそも人を泊めるために作った家なのだから、人を泊めたらいいだろうと私は思っていたからだった。

どうして苦労して作った家の初夜を、ゆっくり過ごせないんだよ。しかも、家主より先に新居に寝るってどういうことなんだよ・・・

旦那の言い分はこういうことだった。思えば、丸2年。私の仕事が多忙だったために、ほぼ旦那一人に家づくりを任せてきた。会社の借金があるため、家の借金は旦那一人の名義だ。

ここは旦那の思いを尊重するべきだ・・・。

そもそもこの件は、私も旦那も悪くはない。発端はすべて、この男なのだから。

そしてすったもんだあって、みんなに泊まってもらうのは18日のみ。前泊も後泊もなしということを、前日になってみんなに伝えたのだった。

こうして我が家の生涯最後・・・かもしれない引っ越しは幕をあけた。


つづく。




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北海道でコミュニケーションをデザインする仕事をしています。企業とお客様、学校と地域、生産者と消費者、異なる領域の溝を埋めるコミュニケーションをデザインすることで、ほしい未来をつくっています。本当に応援したい人と、一緒に未来を作りたい人と仕事しています。(株)キタテラス代表取締役

コメント1件

何かドキドキして来た;汗
つづき(結末)が気になる~
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