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いっそ弱さが見えたらいいのに

先日、友人が妊娠したという知らせが届いた。

同じようなタイミングで

今後のことを考えて、パートナーとそれぞれ検査を受けることにした

という声も届いた。

めでたいめでたい
みんな人生の駒を進めてるなと思いながら

わたしはわたしが抱える弱さと向き合わなくちゃならないんだろうか、逃げたまま生き続けることは悪いことなんだろうか

なんてことを考えていた。


わたしは、子宮筋腫という病気を持っている。
筋腫は4つ。

婦人科でフォローしているとはいえ、年々少しずつ大きくなっている。

PMSもそうだけどこの病気は低用量ピルを服用することによって、症状が緩和し進行を抑えられるとされている。

そういう目的もあって、わたしは長年ピルを服用し続けているんだけど

妊娠を望むステージに突入したとき

ピルを辞めてまで子どもを望むんだろうか
そもそも、わたしには妊娠する力(以後、妊孕性とする)が人並みに備わっているんだろうか

という問いと向き合わなくてはならない。


ちなみに、子宮筋腫だからといって妊孕性が必ずしも低下するわけではない。その人の筋腫の位置やサイズによって異なるとされている。

わたしの場合は、子宮底部と側面に筋腫が散らばっていて、100%の妊孕性はないけれど、かといって妊娠を諦めるほどの程度ではないそうだ。


ピルを服用する前のわたしは、ロキソニンが手放せないほどの痛みを抱えていた。

酷いときは立ち上がることができずハイハイで家の中を移動していたほど。

学校や実習は遠慮なく休んできたけど、いざ仕事となるとそうはいかない。

いまは、いいホルモン剤が出てるだろうから、そこまで苦しまずに排卵のある月経を迎えられるのかもしれないけれど

また、あの苦痛を味わえと言われたら、ちょっと耐えきれる自信がない。

ロキソニンの用法用量なんてガン無視すると思う。


妊活、もうがんばらなくて良くない?
ペットじゃいけませんか?
児童養護施設に寄付とかもアリでは…?

なんて言ってしまいそうになる自分の姿が容易に想像できてしまう。

これでパートナーを傷つけるくらいなら、そういう段階になる前に調べておけよって話なのだが

自分で自分のできないことを証明しにいく
これほどつらいことはないと思う。

みずから希望を失いにいくなんて。

これで、妊孕性がほぼ0なんて結果が出たら、もう失うものしか数えられなくなる。

これはあくまでもわたし個人の価値観だけれど、生物として欠陥のある個体という捉え方をしてしまうだろう。

たぶん、人間以外の動物として生まれていたら群から追い出される対象だっただろうしね。


以前、磯野貴理子さんが離婚された際にその理由がニュースになったのだが、皆さんご存知だろうか。

あれを聞いたとき、もう自分のことのようにうなだれてしまった。

産まないのではなく産めないということは、女性の人生そのものの幸福度と密に接しているのだと。

結婚したときは望んでいなかったとしても、そのうち子孫を残したいと思う欲求が出てくるのは自然なことだと思う。

それが、たとえば

年齢的な問題で叶わなかったら
病気のせいで叶えることが難しかったら




わたしが、パートナーシップに対して自信を持てないのは、こういう理由がある。

ひとつの個体として完全じゃないという認識が頭から離れないのだ。

この考えを改めれば良いのだろうけど、なかなかうまくいかない。


だからなのか

障害者手帳をもってる患者さんをみるとうらやましくなることがある。

もちろん、生きづらさをカバーするためのものであることは百も承知だけれど

あなたの「できない」は偶発的に起こった出来事でいいな
誰かを巻き込まなくていいな
弱さを国から証明してもらうなんていいな

って。


わたしの抱える弱さは、目に見えない。

証明出来たとして、誰も助けてくれないし、私自身救われない。

大切な人を大切にできなくなるリスクも抱えている。

ならば、いっそ大切な人というポジションにあたる関係性を構築しなければいいじゃないか、なんて思考に陥る。

そうすれば、誰も傷つけないで済む。


自分の弱さと向き合いたくなくて、最近保護猫のサイトばかり見ているのだけど

これも

人間で補えない命の問題を
ペットで解決しようとしてない?

という、もうひとりのわたしからの声が聞こえてきて、途中で手が止まってしまう。


誰かに弱さを開示するのに躊躇いが生まれるのは

弱さを理解してくれる人がいたとして、ほんとうの意味で受け止めてくれる人なんてごくわずかであるということ

受け止めてくれたとして
それを翻されることもあること

自分ですら受け止められないことがあるということを

肌感覚で知っているせいなのかもしれない。


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