不安な気持ちを軽減させる方法があるとしたら
TwitterのTLを見ていても
街中を歩く人を見ていても
みんな眉間にシワが寄っちゃって
Badな世界って…いまここ…?
という気持ちになっちゃいますよね。
はい、どうも。
好きな飲み物はロイヤルミルクティー
今も現役、ナースあさみです。
いろいろと不安の募る毎日ですが
そもそも、皆さん
不安の正体ってご存知ですか…?
なんで、わたしたちって不安になるんでしょうね。
しかも、その見えない不安に潰されて
生活ですらままならまいことだってある。
かといって、安定した毎日だと
ちょっとつまらないというワガママ仕様のわたしが居ます。
今回のnoteのテーマは、不安。
なぜこのタイミングで、不安という題材を取り上げたのか。
それは、看護の世界でも不安が問題となりうるからなんです。
医師が「がん」と診断するように、私たち看護師も「転倒リスク状態」なんて診断を、実はこっそりしてます。
患者さんの目に触れることも、医療算定に上がってくることもありませんが
わたしたちの重要な仕事なんです。
緩和したり
軽減したり
これ以上悪化させないために
わたしたち看護師は、自分をまるごと使ってケアを提供する。
その対象に不安も入ってくるんです。
ちなみに、看護診断における不安の定義は以下。
自律神経反応を伴う、漠然として不安定で不快感や恐怖感(本人に原因は特定できないかわからないことが多い)で、危険の予感によって生じる気がかりな感情。身に降りかかる危険を警告する合図であり、脅威に対処する方策を講じさせる。(下記文献より引用)
ちょっとアカデミックすぎますね…
平たくいうと
病気への不安
手術への不安
金銭面への不安
という感じ。
ついでに補足をしておくと、診断指標には
・行動面(そわそわする、生産性の低下など)
・情緒面(恐怖、緊張感、不確かさ、易刺激性など)
・生理的(緊張の増大、手の震えなど)
・交感神経性(心拍数の増加、食欲不振など)
・副交感神経性(睡眠パターンの変化、頻尿、倦怠感など)
・認知的(思考途絶、他者を非難する傾向など)
(同じく文献より引用)
などがあります。
不安も分類をわけると、こんなにあるんですよ…!
全患者さんが、いやいまは日本に住んでいる人すべてが、この不安を抱えて生きている、と言っても過言ではないでしょう。
し か し
これ、看護のチカラを使って軽減することができるんです。
わたしだけじゃなく、過去の偉大な看護師や研究者たちが証明しているので本当です、たぶん。
というわけで今回は、不安の正体を看護の視点から考えてみます。
そして、不安を軽減するためのアプローチも一緒に考えていけたら。
不安の正体
これ、なんだかわかりますか?
それは、わからないこと。
・先の見えないこと
・経験したことがないこと
・知らないこと
世間では、GODIVAの表記に似た感染症が世間を賑わせていますが、これって上の3つをオールクリアしてるんです。
だから、わたしたちは不安になる。
いや、「死」が一番不安じゃない?
という意見もあると思いますが、死はねKing of 不安すぎてそれだけでひとつの看護問題になってるのね。だから、今回は割愛させていただきます。
人間、多大な不安の中ではまともな意思決定や行動ができないため、トイレットペーパーの買い占めをしたり、元気なのにマスク着けないと外出しちゃいけない気がしちゃう、でしょ?
いま流行っている感染症の不安を軽減するのは、WHO(世界保健機関)でも困難だと思うので、ちょっとわたしも手を引かせていただいて
他に軽減できそうなところから、考えてみます。
看護師をしていて一番スタンダードなぁと思う不安は
手術への不安です。
どんなことをするのか不安
痛みが不安
そもそも乗り気じゃないし不安
という感じ。
絶対治るから!なんて言えないし、痛みも人それぞれ感じ方が違うから
なんとも言えないんですが
どんなことをするのかは、わたしたちである程度は解決できます。
つまり
まずは相手を知ろう
ということ。
もしかしたら、怖くて知りたくないことかもしれないけれど、相手を知った上で怖さのほうが、まだマシじゃありませんか?
バンジージャンプだって、飛ぶなら目を開いて飛びたいですよね。
どんなに低くても、目をつむったままだったら怖さ10倍になる気がする。
だって、もしかしたら高度10000mにいるかもしれないじゃん?
(そんなことはない)
というわけで、不安はどんどん具体化しましょう。
手術のなにが不安なのか
プロセスが見えないから不安なのか
どこまで意識があるかわからないから不安なのか
終わったら自分はどういう状態なのか
想像もつかないから不安なのか
そして、その不安を潰すためにとにかく情報を仕入れること。
これは、わたしたち看護師がある程度は役に立てます。
プレパレーション、オリエンテーションという名目で、患者さんに必要な情報を提供しつつ、術前の不安を軽減させるんです。
多くの病院で、手術当日に付き添ってくれる手術室看護師がこの役割を担っていたりいます。
患者さんからしたら、手術当日はじめましてじゃない人がいる!というだけでも、少しはマシなんじゃないかしら(マシだと思っててくれ…!)
不安を潰しきれなかったとしても、そのプロセスが大事だったりします。
関係性を築いておくということ。
わからないことは、自分の手と頭を使って知り、わかるようにしていきましょう。
TVだけじゃなく、SNSもネットもあるし、新聞や書籍だって立派な情報源。
はい。
ここで、もうひとつのポイントを。
自分で行動すること
TVから流れてくる情報よりも、自分でググったもののほうが覚えてるでしょ?
そういうことです。
わからないことは自分で調べて、わかるよう努める。
知りたいことは自分で情報を集める。
食べたいなら、材料買ってきて作る。
八重桜を見たいなら、お金を払って飛行機に乗る。
待ってるだけじゃなにも解決しません。
自分から動かないと。
ここで
そうは言っても、たくさん情報を集めたところで混乱するだけじゃん!!
という声が聞こえてきそう。
実際、DODIVAに似た響きの感染症のニュースだって、毎日至る所から飛んできますよね。
けれども
その中であなたが心の底から信じている情報、つまり、自分で行動にうつしたものってどれくらいなんでしょう?
このnoteを読んでいる人の中には、トイレットペーパーを買いに走った人もいるでしょう。
これって、その情報をあなたが信じ、トイレットペーパーのない生活が不安でたまらないからその不安を解消するため、購買という行動に至った
ということですよね。
つまり、自分の中で納得できる度合いが高かったんです。
世の中からトイレットペーパーがなくなりそうという不安よりも、トイレットペーパーがなくなりそうという不安を抱えて生活していかなくてはいけない「わたしの生活」に我慢できなかったはずなんです。
これをめちゃくちゃ簡単な図にするとこんな感じ。
行動量
________ = 納得度
情報量
たくさん情報を集めたところで、目的は自分を納得させることなので
行動を伴わないと意味がないんです。
たとえば
野球ファンの方がいたら申し訳ないんですが
わたし、野球にまったく興味がないんですね。
野球を見にいきたいな〜!
と思ったことも一度もありません。
だから、こんなわたしに野球の情報を過多気味に与えたところで暖簾に腕押しなのね。野球を見にいくつもりも、野球っておもしろいねって感じる予定もないから。
自炊や掃除なんかも、これに当てはまると思います。
たくさんの情報が溢れているけれど、自分で実践してみて、うん!これだ!!って思ったものしかやり続けないはずだから。
こういったPDCAの中でどんどん質が向上していき、必然的に納得度があがっていく。
これは、不安に関すること意外でも当てはまると思います。
情報を集めるのは行動にうつすため。そして、行動したら情報との整合性をチェックする。そうやって、自分の中での納得度をあげていく。
さいごに
不安をゼロにすることはできない
ここまで読んでくれた方ならお分かりだと思いますが、不安を一切なくすことはできません。これは、令和のナイチンゲール(自称)ナースあさみでもそう。ごめんなさいね。
どこにいても
誰といても
いつだって
不安は常にわたしたちとともにあります。
もう、影のようなものだと思ってください。
ここで、不安の関連因子も列挙しておきます。
・人から人への伝播
・人から人への伝染
・ストレッサー(ストレス要因)
・現状への脅威
・満たされないニーズ
・価値観の対立
・死への脅威
まさに、不安を煽る要素のスタメンって感じですよね。
でも、この「人」をわたしたちは選ぶことができます。
ストレスだってそう。
緩和するための方法を知っているし、それを実践することができます。
満たされないニーズがあったとして、それを補填する方法だって知っています。
不安を払拭する方法を、わたしたちはたくさん知っているんです。
だったら、自分から行動にうつしてみませんか?という提案です。
不安は、権威のある機関や偉いお医者さんがすべてを軽減してくれるものじゃありません。
不安を軽減させるのも、セルフケアのひとつ。
わたしたちの、わたしたちに対する、責任のひとつなんです。
どうか、心の隅っこに、この言葉をしまっておいてもらえると。
引用・参考文献
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