なにも、好きでこうなったんじゃない
貧乳がマジョリティを占める中、巨乳は肩身の狭い思いをして生きている。肩身を狭くすると胸が寄り谷間が誇張されてしまうという、矛盾を抱えながら。
そう、私は生まれた時から巨乳だった。
これが、ずっとずっとコンプレックス。
こういうと、貧乳のみなさまから野次や嫉妬やブラが飛んでくるのだが、断言させていただく。
巨乳であっていいことなんて、なにひとつない。
まずブラね。
もうね、日本で売っているサイズでいい感じのものなんてない。
ハワイや香港でも、あなた日本人体型じゃないわね、こっちよ!って現地の人コーナーに連れていかれること、頻回である。
以前、日本で友人とブラを買いにいったときも、店頭前で販売されているかわいいデザインのブラの中に、私の胸に相当するサイズはなかった。くそぅ。
かろうじて、店頭奥にあるブラに該当サイズがあったのだが、B〜Eのサイズあたりでかわいいデザインだ。そのデザインをそのまま拡大すると、デザイン自体のバランスが崩れてしまい、かわいかった花柄は、邪悪な毒蛇柄に変わってしまう。
友人も
大きいとかわいいデザインないんだね…
しかも、あれね…胸を綺麗にみせるというより支える感がすごいね…工事現場の骨組みみたい
的確なコメントありがとう。
そうなのだ。
巨乳のブラにかわいさや美しさなんて、ない。
いかに支えるか、ストラップがちぎれないか、ホックが飛ばないかなどの機能性がメインコンセプトとなってしまい、デザインや美しさははるか底辺に沈んでしまう。
ちなみに、私は自分の胸よりも小さいサイズをつけてしまっていたために
・ワイヤーが吹っ飛ぶ
・ストラップがちぎれる
・ホック大破壊
はすべて経験済である。看護師の仕事中にブラが壊れた時は、包帯とガーゼで胸をぐるぐる巻きにして働いた。衛生用品の使用用途は多様なのである。
つづいて、パット問題ね。
貧乳がマジョリティのせいでブラの中には必ずパットが入っている。胸を大きく見せたい欲求なんて巨乳にはないのに、全女子が胸を大きく見せたいと思っているのかな、メーカーは。
だから、私がブラを買って最初にすることはパッドを外し捨てること。パッドがあるせいで、中身が飛び出そう or 飛び出してしまうことがある。淑女としてあってはならない。
うっかりパッドをつけてしまった日には、自分の胸が下からせりあがってくる感じがして吐き気が襲う。下を見下ろそうものなら、胸というバケモノが迫ってくるのだ。
それに、ある程度、胸にボリュームがある人には共感いただけると思うが、パッドが入っていると胸の下の部分が汗でかぶれてしまう。特にこの時期ね。ベビーパウダー必須ですよ、ベビーじゃないのに。
最後に、垂れる問題。
日々、患者さんと関わっていると、かつて巨乳だったであろうおばあちゃん患者さんの裸をみることもある。
そうすると、乳首、へそ、乳首が一直線に並んでいるシーンをみることがあってげんなりする。私もこうなるの?
胸が大きいタイプだったのね
と聞くと
そうなの。でも若い時は嫌だったし、今はズボンはくときに邪魔だし、いいこと何もないね。はっはっは!
と笑い飛ばしてて、ちょっと救われた。
ハヤカワ五味さんの展開していたアパレルや下着ブランドもかわいいなと思う反面、私の体型とは真反対をターゲットにしているので、もはや別の銀河系での出来事だった。
胸にボリュームをもたせたいために、フリルやリボンがふんだんにあしらわれている…だと…と、最初はびっくりした。
(サイズがないので実現不可能だが)もし私が着用したら、豚ダブルニンニクましましを超えた着用感になると思う。存在そのものが圧。
たしかに、人よりブラをつけ始める年齢は早かった。
おかげで、どんなに周りの人、特に男性からかわれたことか。
どんどん膨らむ胸を見かねた母が
あさみ、あなた妊娠したら全身おっぱいになっちゃうわよ…
と、心配しているほどだ。
巨乳というといいことばかりがフォーカスされるが、とんでもない。
エロい、バカ、あえてこう書かせていただくが簡単にヤれそう女だと思われる。まったくいい加減にして欲しい。
この胸は偶然の産物、もしくは遺伝的な産物であって、あなたのためにあるものじゃない。もし、アンパンマンの顔みたいに施しとして人様にあげられるのならば、街中の悩める貧乳に配りたいよ、私は。
巨乳について言及された中では
無人島に流されても、巨乳の人のほうが長生きしそうだよね。
ラクダのコブ的要素というか。脂肪の貯蔵庫。
だから、あさみは大丈夫だと思う。
何が?と思ったが、これが一番しっくりきたコメントだった。
たしかに、胸=乳腺と脂肪の塊なので、飢餓的ピンチの時には役立ってくれそうだ。
ここまで巨乳がコンプレックスという話を思いのままに書いてきたが、巨乳を誇りに思っている人や、巨乳を武器にして仕事をされている人もいる。
人が何にコンプレックスを抱くかは人によって違うし、それをどう昇華させるかも違う。私は今回、noteという場で昇華を試みたが、まだまだだ。
だって、胸重いな〜と思いながら机の上に胸をおいてPC叩いてるもの。
はぁ、ほんと邪魔だな。
貴重な時間を使い、最後まで記事を読んでくださりどうもありがとうございます。頂いたサポートは書籍の購入や食材など勉強代として使わせていただきます。もっとnoteを楽しんでいきます!!