見出し画像

ベルソムラ飲んでますが風邪です。


最近は風邪で抗生剤を出さないところも増えてきているといいますが、私の門前の先生はやっぱり風邪にはクラリスロマイシンにポンタールカプセル、トラネキサム酸にムコダイン!!この3種の神器がお気に入りです。

ブロチゾラムがあんまり積極的に出せなくなったから、先生も去年くらいから、ロゼレム、ベルソムラに切り替えています。

まぁ、患者さんは「これ全然眠れんうえ、夢で追い掛け回されたばい!」とご不満な方多数・・・

悪夢を結構みると電話がかかってきたこともあったなぁ・・

まぁ、最近ベルソムラの同類のデエビゴ出ましたね。これは別の機会に話すことにして、


ベルソムラ毎日飲んでるのに、クラリスロマイシン・・

先生は飲んでもらいたいよね。同時に処方箋上になければ、ここは患者さんに話してはやく良くなってもらいたいもの。


「併用禁忌でーす!!」と声高々に言うのは簡単だけれど、ここから薬物動態の考え方で患者さんに早くよくなってもらい、副作用を抑える!薬剤師冥利に尽きますなぁ~。ま、これも影の仕事なんですが。


そもそもクラリスロマイシンとベルソムラを一緒に飲むとベルソムラの血中濃度が上がってしまうことによる。傾眠(4.7%),頭痛(3.9%)の頻度が上がったり、ほかにあげられる頻度不明の副作用が出てくる可能性もあるだろう。


どっちもCYP3A4が関わっているのですが、クラリスロマイシンはこの酵素とがっちり!!くっついてしまう(共有結合)。さらには、その代謝物がCYP3A4を使えないものにしてしまう。(不活化)。


一方でベルソムラはCYP3A4で代謝されるという話。

つまり、ここまで話すとクラリスロマイシンはCYP3A4が好きすぎる・・・ということで。


体内消失時間はおおよそ半減期の4~5倍(年齢とか腎機能とか他にも考慮しなきゃだけどね)だから、


クラリスロマイシンは体内消失時間は16~20時間。

だからクラリスロマイシン飲み終わってベルソムラ開始までに個人の代謝能力も加味すると24時間くらい経って開始するのがいいようですね。


逆にベルソムラを毎日飲んでいる人には前の晩飲んで12時間以上経過して来局しているだろうからすぐ飲んでもらう。するとCYP3A4大好きクラリスロマイシンががっちりくっついてベルソムラの消失時間が遅れてしまう。だから、飲んでもらっていいけれど、眠気とかには注意して、特に運転は~て話さないといけないですね。


ベルソムラとクラリスロマイシンは時間をどうずらすかで飲めますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?