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元夫と行く湯治旅2022 30日目 太平洋フェリー(太平洋沖)

1月16日に家を出て、2月14日。30日間、東北の旅は終了した。旅の余韻に浸る間などない。今の気持ちはズバリ、

次は旅先で仕事なんてしないぞ!

旅に出ている間も全然普通に仕事していた。朝起きたら風呂、風呂から出たら浴衣のまま今日どれくらい注文が入っているか見て、返事の必要な注文が来ていたら返信を書く。別個の問い合わせには別個に答える。1か月も出ていたらそれなりの取引先とのやりとりもある。昼も、夜も、夜中も、PCをチェックだ。そんな30日間。

何回も書いているように、旅に出ている間、本当は仕事なんてしたくない。ぜんぜんしたくない。そんなの誰だってそうだろう。私はせっかく出かけて行った旅先で五感を使って目いっぱいいいろんなことを吸収して感じたいのに、それができなかった。ちくしょう、ちくしょう。

よくよく考えてみよう。これらのこと、全部私しかできないことだろうか。「今は」だ。今は私しかする人がいない。だから私が旅先でもやっている。だが、代わりにやってくれる人がいたらどうだろう。それで、私は旅の間中一生懸命考えた。代わりにやってくれる人を探して、お願いするのだ。もちろん給料を払って。

考えてみれば、商売を始めてここまで、ほぼ身内&身内の縁故ばかりでやりくりしてきた。それで済んでいたし、回っていた。10年くらい、それでゆるゆるとやってきたし、やれていた。けど、去年はちょっとしんどかった。今の人数では製造も配送もちょっと大変になってきた。だからと言って、みんなの労働時間を伸ばすこともできない。パートさんばかりで社員はひとりもいないから、わたし&個人契約をしているフリーのS子ちゃんの二人でめいっぱいやっていたが、それも限界に達した。そこからの私の東北旅。そりゃ旅先で仕事もせなアカンわな。

私は決心しましたよ。いよいよちゃんとした組織を作ることを。できればこういう面倒なことはしたくなかったけど、しょうがない。労務は大事だし、なによりも仕事をしてくれる人が大事で、うちみたいな人海戦術の家内制手工業はとにかく人がいなくては回らない。そうなるとやっぱり人なんですよ。人が安心して働ける仕組みをまず作らなくては、私はいつまで経っても旅先で働かねばならん。だから、まずそこから手をつける。

・労務管理(人が足りない&従業員規則すらちゃんと作っていない)
・製造管理(独自のやり方に限界が来た)
・仕事場の確保(今の場所が狭い)
・意思決定できる人材の確保(私とパートさんの間に入る人が最低ひとりは必要)

これらをこの夏くらいまでにやって、夏は再びお遍路に。秋は北海道へ行くらしい。タケシがすでに計画を立ててやがる。やるぞ。やってやる。最終的にPCなんて荷物に入れず旅に出てやる。私はやれるヤツだ。絶対にやれる。なぜって、1か月まず出られたじゃないか。3年前、私が1か月に旅に出られるなんて思っていたか?そんなの絶対無理。そう思っていた。けれど行けたじゃないか。そうだ、だから私は次は少しだけ仕事を減らせるし、その次はまた仕事を減らせる。次は私に変わって誰か別の人がお客さんからの問い合わせに答えるし、イベントで使いたいって引き合わせが来たら見積もりを作って、返事も誰かができるようになっているはずだ。

やるぞ、やってやる。

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鎌崎温泉バス停の文庫。いろんなところにこのような文庫を見かける。当たり障りのない書籍が多い。宿にやたら漫画や本があることも多い。

子どもの頃連れってもらったスキー場の宿に「世界のびっくり人間」みたいな本があって、爪を切ったことのない人や髪を伸ばしっぱなしの人間、オオカミ少年の絵が載っていた。今でも覚えているから、こういうよそで読んだ本って、案外記憶に残るものだと思う。

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美しい蔵王の山。

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岩出山で見せてもらったかごが仙台駅の待合に展示されていた。

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いよいよ、最後のバス。これにちゃんと乗るまで安心できない。旅は行く前から始まっている、とはよく言うけど、旅に出たときには旅の終わりももう始まっている。これは人が生まれたと同時にその死もすでに始まっている、というのと似ている。

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太平洋フェリーに乗船。

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きちんと巣作りをしてからちょんと座ってテレビを見ている。

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船にいるときはここが好きらしく、あまりここから出てこない。

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この旅最後の晩餐、船上バイキング。2100円。

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2月15日の朝、伊勢湾に浮かぶ神島が見えてくると「帰ってきたなー」と思う。

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下船口で待つ。右がタケシ、左が私の荷物。

ひとまずこれで終わって、また週に2日、火・金の更新に戻します。
連載読んでいただきありがとうございます。どなたさまもよい旅を!

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