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最大のストレスであり続けたノルウェーでのビザの更新

☆写真はノルウェーの絶景名所「トロルの舌」で撮影した1枚

たった1年でゼロからノルウェー語を勉強して、

2年目にはオスロ大学にノルウェー人学生の中に混じって正規入学を果たした私ですが……。

じゃあ今やっているフィンランド語、その後取り組みたいアイスランド語を「同じように1年間で基本会話くらいはできるようになるか?」という問いに対しては、100%ノー、できない。

なぜならノルウェー語を1年である程度できるようになった最大のエネルギー源は

「学生ビザの更新がされるか、されないか」という超絶ストレス

だったから。

私はノルウェー滞在中の前半は学生ビザ、それから1年は就活ビザ、それから3年間は労働ビザ、今年にやっと更新が必要ない永住ビザをもらいました(わーい!)。

オスロ大学で1年間でノルウェー語のレベル3に合格しないとメディア学科に正規入学できない・ビザも更新できない(つまり泣く泣く日本に帰国)

メディア学科に入学・その後は大学院に進学してからも、必要単位を取得しないと毎年の学生ビザの更新ができない

これはものすごいストレスです。

ノルウェー滞在中、ビザほど大きなストレスはありませんでした。

「来年、自分はこの国にいるか分からない」

これは移民のメンタルを大きく攻撃する不安感です

将来の計画が立てにくい、ビザの条件で狭まる行動範囲。

ノルウェーの場合、「憧れてやってくる移民が多い」という背景から、政府も毎年条件をどんどん厳しくします。ジャーナリストという仕事柄、そういう情報も入ってきやすかったので、「足元はできるだけ固めておかないと」という認識も強かった。

とはいえ、異常な速さでノルウェー語というマイナーな言葉を話せるようになれた・大学の授業についていけたのは、

「ビザというストレスがあったおかげ」でもあります。

それに加えて、

英語やフランス語を勉強した後だったから、「自分の勉強法がわかっていた」

「今更また別の外国語に時間を費やすなんて冗談じゃないから、さっさとマスターするぞ。1年あればなんとかなるわ」という気持ちが揺るがずに、しっかりしていたことも大きい。

このビザのストレスがノルウェー語以外の言葉にはなく、

フィンランドやアイスランドに住んでいるわけでもないので、

1年で集中的に同じレベルのモチベーションで勉強するのは無理かな。


反対に今海外に住んでいて、ビザの更新というストレスが理由で外国語の勉強をがんばっている人がいれば、

気持ち的につらいかもしれないけれど、そのストレスがない人よりは

圧倒的に強い力の源泉をもっていると思う。


ストレス、人前で間違えて恥をかく、悔しい気持ち。

こういうのは避けたほうが人生は楽かもしれないけれど、外国語勉強においては上達を早める鍵になったりします。


とはいえ、ビザ更新のストレス、もう二度と味わいたくないけどねっ。

でも10年以上それと付き合ってきたおかげで、話せる言葉も増えたし、仕事の幅も広まったし、ノルウェーで永住権を手にできました。


外国語は頑張った分だけ、あとで嬉しいご褒美に成長します。


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