『もうすぐ30歳になる私が"可愛い"に執着するのは何故なのか、という話』


(こちらはミスiD2020に去年出場した際に、「VoCEで変身」という企画のためにCHEERZのアプリで書いたものをnoteに再掲載しました。

2019年10月に書いたものを加筆修正しています。)


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『もうすぐ30歳になる私が"可愛い"に執着するのは何故なのか、という話』


朝木ちひろです。この世に産まれて29年と8カ月です。

来年の2月18日に30歳になります。

実感はありません!
なんならたまに自分の年齢を忘れます…

それは私が役者という仕事をしているからです。

「役者の朝木ちひろ」は色んな役をするので、その日によって年齢が変わるのです。
だから年齢がフワフワしています…

(あっ、でも28歳の時にとある深夜バラエティに出演をした時にこれは故意にサバ読みしたわけではなく、間違えてテロップで23歳ってでちゃったことがあります。。3と8って形似てるからどこかのタイミングで間違いが生じちゃったのかな…?当時は28歳で間違いないです!)


私は25歳からお芝居をはじめて、OLから役者になりました。


25歳って女優としては既に「若手」のカテゴリーに入らないので、
私は女優だけど今まで一度も「若手女優」と言われたことがありません。

もっと早くにお芝居に出会いたかった!って思うことは多々…(「あぁ若ければ学園ドラマに生徒役で出たかった…」とか、本当に!めちゃめちゃ!今でも思います!)


年齢で馬鹿にされることだってもちろんありました。悔しいけれどそれが現実です。

流れる時間は公平です。巻き戻すことはできません。

じゃあ、どうしようかなと思ったときに考えたのが、
「見た目」で演じることのできる役の幅を広げる
努力をすることでした。

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大体のオーディションで募集する役柄の年齢は最初から決まっています。 ジャストで自分の年齢を募集しているオーディションだけを受けていると、受けることのできるオーディションが格段に減ります。 "年齢不詳"であるほうが可能性は広がるんです。 

じゃあ私は若い方に振り幅を増やすか大人っぽくみせる方に振り幅を増やすべきか、 どちらに重点を置くか考えたときに 「漫画・イラストの書き方」の本を思い出しました。 

小学生のとき、好きな漫画の絵を真似て描くことが好きで、漫画家やイラストレーターになりたいなぁと思っていた時期がちょっとあったんです。 その時に読んだ本を思い出し、読み返しました。 「大人を描くときの特徴の捉え方」と、「子供を描く時の特徴の捉え方」が書いてあって、わたしはどちらかというと「子供を描く時の特徴」に当てはまる輪郭や顔のパーツ配置に近いんだ、と思ったんです。 

その時から私流のアンチエイジング研究は始まりました。 いかに自分を若く見せるか、を真面目に考えるようになりました。簡潔にいうと若作りです笑 

お世辞だとしても「似てる」と言われたことのある女優さんやモデルさん、タレントさんの方の写真を並べて分析します。 その方がが自分より年下だったら、そのままどこが似ているか分析しますし、 同年代だったらその方にあって私に足りないところを考えます。 誰とは言いませんが、作品を見て表情とか真似している役者さんもいます。 前髪の形、髪型が変える印象、童顔にみせる配置に近づけるための眉毛の形や長さ… 拘りがどんどん増えました。 

輪郭は変えられないけど、 顔から体重の変動がわかるタイプなので、「この体重まではカメラ映りも気にならなくてハリがあるように見えるからOK」「この体重以上以上痩せたら頰がこけて老ける」などは把握して、ウェイトコントロールをしています。 

努力が功を奏したのか笑 先日も制服を着て高校生役でテレビに出てしまいました…笑 (その前に高校生役をやった写真の方が気に入っているので、今年の1月の写真を載せます) 

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これがアリなのかナシなのかは私が判断することではないと思っています。 色んな意見もいただいたりしました。 ただ、キャスティングしていただいた時は本当に嬉しかったし、制服を現場で受け取った時はなんだか胸が熱くなりました… 

現時点で映像のお仕事は主に20代前半から30代の役を演っています。たまに10代後半も… いまのところ作戦どおり!(って言ってもいいですかね…?) 

年上の役はこれからもできる機会はあるだろう、でも今しか出来ない役を、なんとか勝ち取りたいっていつも思っています。 …もちろん「見た目が実年齢より若く?それは見えないよ!」とかオーディションで言われちゃうこともありますけどね……人によって感性や見るポイントが違うのも承知です… 

他に、朝ドラに出ることが目標のひとつなので、1つの役のどの時代(少女期から、ということです!)も演じられるようになりたいって思います。   

…今回は見た目に関してのお話しをしていますが、もちろんお芝居にも真摯に向き合っていますよ!当たり前ですよね… 

……でも、「"可愛い"に対する執念」が時に空回りすることもあります。 

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今回ミスi Dに応募した理由は沢山あるんですが、 自己分析をひたすらする期間にもなるし、すごく他己分析される期間になると思うので、自分をもっともっと知って強みを増やしていきたいと思った、という理由は大きいです。 その中でですね、違う企画の選評で、実行審査委員長の小林司さんから「朝木さんの可愛いに対する執念と真面目さ」というお言葉をいただいて、 その後に「年相応な作品も見たい」というお言葉をいただきました。

 最初はその選評見てちょっと恥ずかしくなっちゃったんです… "可愛い"に拘るのはいいけど、イタイ女に見えちゃってるんじゃないか…って… 

役者をはじめた25歳からわたしの時計の針はずっと止まったままな感覚だけれど、わたしはもうすぐ30なんだよなって… 

正直そこも考える場面はあります。 例えば学生時代の友人との同窓会に行くと、私は浮いちゃうんです。 撮影のときに自前の衣装ということも多く、あと何より収入問題で笑、持っている服のブランドだったり質が他の子と違ったり…は、しょうがないんですが、それ以外にもこだわりすぎているが故に実年齢とチグハグになっているな、と思うこともあります。 

感覚が麻痺していくのはわかるんです。 「30歳になってオーディションを受けた時に、今まで通っていた書類選考も、30の壁があると通らないかも知れない!」 とか焦りの気持ちがあります。 今まではその焦りが「イタイ」と思われることもあると思うけど、それは言われても気にしない!って思ってました。 でも「年相応の作品が見てみたい」って選評で言われた時に、「年相応」が思いつかなかったんです。 これが麻痺かなって… 

今までの努力は間違いではないと信じたい。 でも自分の年齢は受け入れないといけない。 わたしは、もうすぐ「20代」というカテゴライズには頼れなくなる。 

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でも小林司さんのおっしゃっていた「年相応の自分の魅せ方」を見つけることも本当に重要だし、 これこそ他己分析の醍醐味だよなぁと思っています。  

なので…自分でもこれから模索していきますが、 VoCEの企画でプロの方のアドバイスをしていただけたら嬉しいです。 私は、それを昇華できる自信があります。 

ずっと自分を探していたから。 これからも探して、それを活かす場所があるから。 わたしは、自分の可能性が少しでも広がるのならそれをあきらめたくない。 最後の企画、一番私が勝ちたい企画かもしれません。  

変わりたい、自分の中にある可能性を知りたい。 この気持ちが伝わりますように。


 朝木ちひろ